Sat, March 24, 2007

「人と動物の毛の違い」を特捜せよ!~犬のパーマは現実的か?~

テーマ:ブログ

【はじめに】
「先生、旦那のスーツについていたこの毛が、女性の髪の毛か動物の被毛か鑑定してください!」。
ある日、40代の主婦がビニール袋に一本の髪の毛を入れて、こう質問した。あまり介入しない方が無難そうな話に発展する危険性がありそうだが、個人的には非常に興味がある。
犯罪現場に残された一本の髪から、DNA分析で容疑者を絞り込む捜査方法(DNAプロファイリング)も確立されており、遺伝子学の進歩で犯人検挙率が急上昇していると言うが、情報が詰まっていることは間違いない。


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【毛の基本構造】

人でも動物でも
1本の毛は3層から成り立っており、ちょうどカッパ巻きのような構造になっている。つまりカッパ巻きの“のり”にあたる一番外側の部分を「キューティクル(毛表皮)」、“米粒”にあたる部分を「コルテックス」、“キュウリ”にあたる中心部を「メデュラ」と言う。

①「キューティクル(=毛小皮)」は毛髪の表面をおおっている部分で、動物の種類によっても異なるため、犯罪捜査や毛皮の真偽の鑑定などに応用される。一般的に、この量が多いほど、毛髪は硬くなる。キューティクルは無理なブラッシングや乱暴なシャンプーにより傷ついたり、剥がれやすくなったりする。白い犬の毛は濃い毛の犬よりキューティクルが少なく、毛が薄い傾向にあるとも言われている。

②「コルテックス(=毛皮質)」は、 主にタンパク質でできており、毛の色を決めるメラニン色素も含む。ヒトではパーマ、ヘアカラーなどと最も関連性のある部分であり、毛の性質を左右している最も重要な部分である。
ここまで知っておく必要はないが、
パーマやカラーリング剤等の強いアルカリ剤を用いて、髪のキューティクルを強引にこじ開け、そのすき間からパーマ液やカラーが髪に浸透して作用させる。キューティクルはpHによって開閉し、アルカリ性になると開き、酸性になると閉じる。

③「メデュラ(毛髄質)」は、毛の芯にあたり、空気やメラニン色素を含んでいる。一般的に太い毛ほどメデュラが多く、赤ちゃんの毛やうぶ毛のような細い毛にはない。
一般的にヒトでは
太くて硬い髪ほど髄質の量が多く、細くて軟らかい髪ほど髄質の量は少なくなる。メデュラの多い毛髪の方がフレキシブルで、パーマがかかりやすく、少ないほどかかりにくいといわれている。人間はメデュラの幅は毛の全径1/3以下だが、動物のメデュラ幅は全径の1/3以上を占める。従って原理的には人間より犬のほうがパーマがかかりやすいということになる。毛髄質の成分、機能などは、まだ充分には解明されていないが、寒冷地に棲息する動物の毛は毛髄質が約50%以上を占めている。メデュラの空洞が空気をためて保温の役割を果たしていると考えれば、動物に比べて人はメデュラが少ないことも理解しやすい。ちなみにラッコがプカプカ浮くことが出来るのは、毛に含まれる空気の浮力(ふりょく)のおかげだ。


余談になるが、ヒツジの毛は長くしなやかだけど、ヤギの毛は短く粗い。英語ではヒツジの毛を「フリース(fleece)」といい、ヤギの毛を「ヘアー(hair)」と表現する。そもそもフリースとはヒツジ一頭から刈り取られた一つながりの羊毛のことである。といってもユニクロのフリースはヒツジの毛で出来ているわけではなく、ペットボトルを再生して作ったポリエステルである。


【ダブルコートとシングルコート】   

犬には二種類の毛質がある。 毛の長さや硬さは犬種によって様々だが、例えばオオカミやシェパードなど、ほとんどの犬の毛はダブルコートで、うぶ毛のように細くて柔らかい下毛(アンダーコート)と、長くてかたい上毛(アウターコート)の2種類の毛の層から成っている。カットしなくてもそのままの形を保っていられる犬はほとんどダブルコートである。基本的に犬は1年を通じて毛が抜けるが、特にダブルコートの犬は「換毛期(かんもうき)」にアンダーコートから大量の毛が抜け落ちる。

一方、シングルコートの犬種は100%毛が抜けない訳ではないが、一般的に毛が抜けにくい性質がある。ちなみに、人間は1日で約100本の髪が抜けると言われている。

具体的にはシーズー、マルチーズ、ヨークシャーテリア、サルーキー、ビションフリーゼ、アフガン、プードルなど。これらの犬種は上毛(アウターコート)しかないシングルコートで、人間の髪の毛と同じで、トリミングをしないと相当長く毛が伸びる。


また話は脱線するが、シロクマ(白熊)は全身が白い。しかし正確には白く見えているだけで、実際は全身の毛は透明である。つまり透明な毛の中は内部が空洞構造になっており、可視光線をほとんど全部反射するから白く見えているのである。いわば、”スケグマ”である。


【コートのタイプ】
犬の特徴的な毛のタイプを紹介したい。
①縄状の巻き毛:この毛は成長に従い自然にアンダーコートがオーバーコートにもつれ込み、によじれて垂れ下がり、ドレッドヘアのように見える。このタイプのコート:
ンドールやプーリー
②ベアーコート:粗いアウターコートと柔らかく濃密で羊毛状のアンダーコート。このタイプのコート:チャウチャウ
③カーリーヘアー(巻き毛):遺伝的あるいは選択的交配で、自然なウェーブコートに発展した。毛だけではなく毛包もカールしている。このタイプのコート:プードル
④アグーチヘアー:一本の毛の中で薄い色から濃い色へ色が変わるのが特徴。
このタイプのコート:ジャーマンシェパードやノルウェジアン・エルクハウンド

<参考サイト>

Dog Colors and Coat Patterns

skin and coat of cats
Alaska Science Forum

Forensic Trace Evidence:Comparison of Hair

Genetics of Coat Color and Type in Dogs


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