Mon, February 19, 2007

「花粉症」を特捜せよ!~アントニオ猪木がヒノキ花粉の確率とは?~

テーマ:ブログ


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【はじめに】
そろそろ、街中にマスク姿の人があふれる花粉症シーズンとなりました。
日本人の約20%が花粉症だと言われ、その人口は年々うなぎ上りと言われています。“小惑星か彗星が地球にぶつかりそうだけど、どうしよう?”というBruce Willis主演の映画は「アルマゲドン」ですが、アレルギー反応を起こす原因となる物質(抗原)を「アレルゲン」といいます。
犬でも各種アレルゲン(ハウスダスト、花粉あるいは食物など)に反応するアレルギー性皮膚炎(36.4% anicom調べ)が増えてきていますが、決して犬用の花粉があるわけではなく、ヒトの花粉症の原因となる花粉(特にスギ花粉)が犬でも問題となるためその対策は似ております。今回は花粉にフォーカスを合わせてみました。


【どういう植物が花粉症の原因になりいつ頃飛ぶのでしょうか?】

日本においては、約60種類の花粉が報告されており、いろいろな花粉が年中飛散しています。花粉の種類によって飛距離が異なりますが、風によって花粉が運ばれるという共通点があります。


花粉は地域毎に飛散状況が異なりますが、環境省の花粉症保険指導マニュアルによるとまず先陣を切って飛散するのがスギ花粉です。スギ花粉は2月中旬より飛散しだし、3月上旬に飛散のピークを迎え、3月末まで飛散します。
花粉症の患者さんの約70%はこのスギ花粉が原因と推定されています。続いてスギ花粉が飛散し終わった直後の4月にヒノキ花粉が飛散します。スギ花粉とヒノキ花粉は構造が非常に似ているので、スギ花粉症の80%以上のヒトがヒノキ花粉症にもなっていると言われています。

アントニオ猪木 (イノキ)がヒノキ花粉だとするとややこしくなりますが、国民の20%が花粉症であるというデータを加味すると、イノキがヒノキ花粉の確率は0.11%となるので心配しなくてもよさそうです。

話を戻すとスギ・ヒノキ花粉症の人は、2月から5月までくしゃみ・鼻水・鼻つまりあるいは眼のかゆみなどの症状に悩まされます。5月にはいると、頻度は高くありませんがイネ科植物のカモガヤ花粉が6月頃まで飛散し、8月から10月頃までキク科植物のブタクサやヨモギなどの雑草類の花粉が飛散します。 こうして見ると11月~1月を除いて、ほぼ1年中、何らかの花粉が飛んでいて、その花粉による症状に悩むヒトや犬がいるということです。

  

【なぜスギ花粉症が多いのか?】

日本は世界でもトップクラスの森林国で、日本の森林率(国土面積に占める森林面積の割合)は約64.7%で国土の約2/3が森林です。その森林の約3割がスギとヒノキ林で占められます。スギ樹木は函館から鹿児島にかけて植生します。ちなみに北海道の大部分と沖縄ではスギ花粉がないのでスギ花粉症にはなりません。


スギ花粉飛散の主役は樹齢20~50年のスギですが、スギ花粉が多いのは、とくに戦後に日本国土に広くスギが植林されましたが、建築用木材として輸入木材が多用されるようになり、スギ材の使用が減少したためスギ花粉量が増加したと言われています。またスギ花粉は直径約30ミクロン(0.03ミリメートル)のサイズで、非常に軽いため気流に乗って100km以上遠くにも飛散します。つまり家の近くにスギの木がなくても遠い山からの花粉がジェット気流に乗って飛散してくるのです。


【犬も花粉症になるのか?】
ヒトで一般的に言われている花粉症(アレルギー性鼻炎)とはくしゃみ・鼻水・鼻ズマリが特徴的なアレルギー疾患であると定義(鼻アレルギー診療ガイドライン)されています。犬はヒトの花粉症で見られるようなくしゃみ・鼻水・鼻ズマリなどの症状は稀です。従ってヒトにおける花粉症の定義を無理矢理犬に当てはめると「犬には花粉症は稀」となりますが、もう少し大きく捉えて、スギ花粉に対するアレルギー反応と解釈すれば「犬も花粉症になる」となります。


【犬の花粉対策】
 ヒトのスギ花粉の回避法(鼻アレルギー治療ガイドライン 2005)を犬に外挿すると以下の対処法が有効だと考えられます。

①花粉情報に注意する
②花粉飛散の多い日は散歩を控え、花粉の飛散の多い時間帯の散歩も控える。
③花粉飛散の多い時は窓・戸を閉め花粉の侵入を防ぎ、
洗濯物も外に干さない。

表面がけばけばした毛織物など服は避ける。

なるべく花粉が犬の体につかないように散歩後に体や足をよく払い、花粉を玄関(入口)でシャットアウトする。
⑦掃除を励行する


花粉の飛散量は1日の中でも変化し、お昼前後(10時頃から飛びはじめ12~14時頃がピーク)と夕方6~7時頃の2つの時間帯で花粉が飛びやすいことがわかっています。この時間帯の犬の散歩を避けることがどれだけの効果があるかは分りませんが、見えない効果に繋がるかもしれません。
また
雨が降らず風の強い日や高気圧に覆われた暖かい日はスギ花粉が良く飛ぶことは知っておいた方が良いかもしれません。また日本海に低気圧が発達する時も花粉が飛ぶことがあるので注意が必要です。

つまり、日本海を低気圧が進むと、南から暖かい空気が日本付近へ流れ込んできます。すると、気温が上がり花粉が低気圧によって吹く強い南風に乗って都市部まで飛散するからです。日本海に低気圧が停滞している天気図を見かけた場合も、花粉症の方は十分注意する必要があります。
またスギの花芽分化期は7~9月で、この頃の平均気温が高かったり、日照時間が平年より多かったりすると翌年の花芽の形成が多いと言われています。つまり前年度の天候が翌年の花粉飛散量に影響し、前年7月頃の気温が高ければ高い程、翌年の花粉数が多くなることも知っておくと良いかもしれません。


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【花粉症と食べ物の意外な関係とは?】
 従来からアレルギー反応は、鍵(抗原)と鍵穴(抗体)の関係のように1対1で対応していると考えられてきましたが、近年の研究で鍵が似ていればドアを開けることができることが判明しています。つまり昨今では、その鍵に相当する部分が似ていれば、アレルゲンそのものでなくともアレルギー反応を起こすことがあります。具体的に説明すると、例えばスギ花粉とはトマト
、リンゴ、モモ、メロン、キウイイネ科にはジャガイモ、トマト、リンゴ、メロン、スイカ、オレンジ、ピーナッツ、ブタクサにはメロン、スイカ、キュウリ、ズッキーニなどのウリ科果実やバナナなど、ヨモギにはセロリ、人参、パセリ、ピーナッツ、リンゴ、メロンなどです。

アントニオ猪木がスギ・ヒノキ花粉症だと仮定すると新日本プロレス時代に長州力は凶器よりトマトやリンゴを使った方が猪木に対して与えるダメージは大きかったかもしれません・・・


【終わりに】
花粉症は、主にスギやヒノキの樹木花粉にアレルギー反応を起こして発症する病気ですが、それ以外にも雑草の花粉やカビ、ダニ、食物などにも反応している場合があります。花粉症を中心としたアレルギー疾患では、生活の中でその原因を回避することが治療の第一歩となります。医療機関でアレルギーを起こす物質(アレルゲン)の種類と重症度を血液で検査することも可能で、ヒトでは10数項目(保険診療)、犬・猫では92項目のアレルゲンを特定することが可能です。ヒトも犬も症状が出る前から計画的な治療を行うことが大切となるのではないでしょうか。


【監修】

スペクトラム ラボ社 (SPECTRUM LABS, INC) テクニカルディレクター  獣医師 荒井延明
翻訳:やさしくわかる犬の皮膚病ケア (ファームプレス社刊)
【参考サイト】
環境省花粉観測システム (はなこさん)
気象庁ホームページ
花粉情報協会ホームページ (花粉いんふぉ)

慈恵医大耳鼻科
協和発酵
バイエル薬品
財団法人日本アレルギー協会 (ヒト用減感作薬 アレルゲン輸入代行)

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