長月模様、その4

2008年09月14日 Theme: 雑人
人生10年ほどしか生きることができなかった
甥っ子の13回忌の法事にカミさんと出席する。
ヤサグレな甥っ子のふたつ違いの兄貴にあたる子だ。

病気で幼くして死んだ彼のことばかりが全部ではないだろうが、
ここの家族はそれぞれに傷ついて壊れてしまったところがある。
互いに支えあうことができずに10年かけてバラバラになって、
それぞれに生きていくしかない道を選択してしまった。

夏に会ったヤサグレな甥っ子は顔を出さなかった。
何度となく電話をしてみたが無視を決めこんでいた。
甥っ子の父親と祖父に婚姻の有無に関係のないそれぞれのパートナー、
ボクとカミさんという、現世の新感覚な取り合わせで本堂に並んだ。
彼岸にいる甥っ子はどう思ったかしらないが、これが現世の面白さです。

寺でもらった卒塔婆を納めに墓に行くと新しい花束が供えられていた。
墓石の左右に献花用の水差しがあるのに水の入っていない右側の水差しに、
バラが10本ほどを一束にピンク紙のラッピングのまま差し込まれていた。
夏のような陽射しにバラの花は水気を無くして蕾みのままに萎れている。

誰が供えたのだろうというハナシになって、アレコレ名前がでたけれど
カミさんがヤサグレな甥っ子ではないかとポツリと言った。
言われてみれば献花にバラの花を一束だけ持ってくる感性はモノ知らずな若者のものだ。
だけど蕾みのままで朽ちていくバラの花は人生10年だった甥っ子には相応しいかもしれない。

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