水の都で古楽修行♪ヴェルヴェッティーノのVenezia見聞録

2016年よりイタリア留学中。国立音楽院の古楽科でバロック声楽を専攻しています。
日々勉強中なので、過去記事と最近の記事では発声について見解が異なる時がありますが、最新の記事が現在の発声です。
世界遺産の島ヴェネツィア在住。


テーマ:
テノール音域でテノールのアリアを歌う女性歌手の録音です。
The Girl Tenor/Ruby Helder
¥1,289
Amazon.co.jp

CDです、とさらっと書いてしまいましたが、原盤はアナログ盤。
1908年~1922年までの吹き込みが収録されています。

RubyHelder


深い声質のコントラルトなのですが、
うっかりしていると、男性かと思います。
まあ、カウンターテナーもうっかりすると、女性と聞き違うもんね。
(ヴェルヴェッティーノは随分前から、
 女性アルトをカウンターテナーかと聞き違うんですがね)

数年前、男性高音歌手のCDを聴きはじめた頃、
中性的な歌声だと思いましたが、
ルビーさんに出会って前言撤回だ!と思いました。
この人こそ、真に中性的な歌声だと思います。

どこか愁いを帯びたメロウな歌声、それでいて甘くあたたかい。
聴いていると不思議と落ち着きます。

ただ録音時期が少し前なので、
蓄音機サウンドに耳が慣れていないと、
心地よくなれないかもしれん・・・

「My Queen」Jacques Blumenthal(1829-1908)作曲


この曲、変化に富んでいて好きなんです。

Jacques Blumenthal(1829-1908)はドイツのピアニストで作曲家、
ハンブルグに生まれ幼少のころから音楽を学んだそうです。
1848年ロンドンに移住し、ヴィクトリア女王のピアニストになったとか。
ピアノ小品や歌曲が人気だったそう。
(英語版ウィキペディアの情報)

PearlのCDの裏には小さな字で、
「古い録音にはノイズがあるもんです。
 気になる方はお好みでトーンコントロールでも使ってね」
と書いてあります。

できれば、ノイズはないほうが聴きやすいと思っているタイプのリスナーなので、
バンド活動時代に入手していたノイズ除去ソフトをかけてみました。

曲としては「My Queen」が一押しなのですが、
ヘルダー嬢の魅力はバラードのほうが伝わると思います。

「Songs of Araby(カンタータ"Lalla Rookh"より)」
 W.G. Wills歌詞、Frederick Clay(1838-1889)作曲


翳りのある表現と、フレージングのうまさが際立っていると思う。
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ルビー・ヘルダーについては、日本語で検索してもほとんど情報が出てこないので、
CDの解説書に載っていたバイオグラフィーに少し触れておきます。

コンサイス・オクスフォード音楽辞典と、1915年の音楽人名録によると、ルビー・ヘルダーは1896年、イギリスのブリストル生まれ。
ただしこの1896年というのは、もっと早い時期だった可能性が大きい。
1890~96年頃に生まれたのではないか。
というのも、1896年生まれとすると初レコーディングの1908年にルビーはまだ12歳ということになってしまう。
また、1911年にHMVとレコーディング契約を交わしたときも15歳ということになる。
未成年は親権者のサインが必要になるが、実際には彼女自身のサインしか残っていない。

彼女はギルドホール音楽院で学んだ。
ここで、ナイトに叙さた有名なバリトン歌手、サー・チャールズ・サントレー(1834-1922)の教えを受ける機会に恵まれる。
サントレーは彼女について、以下の紹介文を残している。

「ミス・ルビー・ヘルダーは、自然で純粋に、大変美しく力強いテノールの声を持っている。
 それに加え、ほかの誰も備えていないような、完璧な芸術的感性を持っている。
 今日の歌手の中に彼女のライバルになれるような者はいないと、私はみている」

彼女は始めイギリスで活動していたが、その後アメリカでも活躍したようだ。
上記の音楽人名録によると、

「彼女はアメリカで大きな成功を収めた。
 ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、、、そのほかの都市でも歌った。
 今年はメトロポリタン歌劇場からテノール役でオファーを受けている」

このあたりのもう少し詳細な事情が、HMVの1914年のカタログに載っている。

「彼女は数ヵ月前、大西洋を渡るよう説得された。
 主に、大富豪の個人的なパーティーで目の飛び出るような報酬を受けて歌うためだ。
 でもそこで彼女はカルーソーに出会った。
 カルーソーは彼女の声に感銘を受け、(メトの)マネージャーに紹介してくれたそうだ。
 そして今度グランドオペラに出演する契約を交わしたという」

ただ実際に何のオペラでどの役を演じたのかは分かっていない。

レコーディングは生涯で60曲ほど行い、このCDに収められているのはその一部だという。
(正直言ってもっと聴きたいんですけど!! 願わくばリマスター盤・・・)

オクスフォード音楽辞典によると、亡くなったのは1940年、ハリウッドにて、とのこと。

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欧米の合唱団では、テノールパートに女性がいるのが珍しくないと聞いたことがある。
東アジアでは軽い声の女性が多いので、あまり見かけないと思うが・・・。
だから女性テノールというのは、そんなに珍しいものではないのかも知れないが、一時の興味かもと思い、CD購入後しばらく紹介文を書かないでおいた。
アマゾンの購入履歴を見返したら購入は2011年10月だったが、未だよく聴く1枚なので、そろそろ紹介しても大丈夫だろうと記事にしてみた(笑)

ちなみに購入は、アメリカのアマゾン(.jpではなく.comのほう)からしている。
海外発送分の送料を加えても、日本のアマゾンより安かったためだ。
日本盤が出ていない――日本のアマゾンから買っても解説書はどうせ英語なので。

マーケットプレイスの商品は値段が変動するので一概には言えませんが、
日本のアマゾンで高いなーってときは、ドットコムのほうものぞいてみるのがお勧めです!

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