国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長は5月19日の「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会」(部会長=加藤達夫・国立成育医療センター総長)の会合で、感染症の発生動向を調査する「サーベイランス」について、現行の調査体制ではワクチンの効果を検証するには不十分で、課題が多いとの認識を示した。

 同日の予防接種部会では、同部会で検討対象になっている疾患のサーベイランスや予防接種後の副反応報告をめぐる課題をテーマに、岡部センター長ら委員、参考人がプレゼンテーションした。

 サーベイランスの現状について説明した岡部委員は、インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌による感染症は現在、感染症法に基づく届け出の対象ではなく、これらを原因に発症する細菌性髄膜炎しか把握できないと指摘。Hibワクチン、肺炎球菌ワクチンの効果を検証できないとの認識を示した。細菌性髄膜炎についても、全国約500か所の基幹病院定点からしか報告されないことを問題視した。また、百日ぜきは全国3000か所の小児科定点医療機関のみの把握で、成人例を把握できないことが問題とした。

 地方衛生研究所全国協議会会長の小澤邦寿参考人(群馬県衛生環境研究所長)は、臨床医にはサーベイランスの重要性が理解しにくい上に、ボランティア的要素が強いため、百パーセントの届け出は期待できないとの見方を示した。愛知県半田保健所長の澁谷いづみ委員は、定点医療機関は本来無作為に抽出されるが、調査に積極的に協力する医療機関ほど選ばれやすい可能性があると指摘した。

■副反応報告の電子化を
 国立感染症研究所感染症情報センター第三室長の多屋馨子参考人は、予防接種後の副反応報告について、現行の紙媒体による報告から、電子媒体に変えるよう提案した。これにより効率的かつ迅速な集計、解析が可能になり、情報提供も早まるとの見通しを示した。また、今回の新型インフルエンザワクチンで多くの副反応が報告されたとした上で、「これ以外のワクチンでは、副反応が十分に報告されていない可能性がある」と指摘。報告基準を明確にすることや、報告制度を徹底することが必要との考えを示した。


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