政府税制調査会の有識者で構成する「専門家委員会」(座長・神野直彦関西学院大教授)が14日に開かれ、将来の消費税増税に向けた本格的な議論がスタートした。この日は、低所得層への負担軽減策や社会保障費を捻出(ねんしゅつ)するための「目的税」化などを検討。政府内では増税に前向きな声が相次いでおり、今後、増税に向けた議論をどう集約できるかが問われている。(会田聡)

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 この日の会合では低所得層を給付金で支援する「給付付き税額控除」や、食料品などへの軽減税率適用などを検討。民主党もマニフェスト(政権公約)に盛り込んだ年金など社会保障のための目的税化については、委員から「消費税(の増税)と直接結びつけるべきではない」と異論も出た。増税による景気への悪影響を指摘する声もあった。

 だが、専門家委員会での議論はここまで。今後の具体的な論議は5月以降に開かれる政府税調本体などで行われる菅直人副総理・財務相らによる政治主導の議論に委ねられることになる。

 「(消費税増税は)他の税金と組み合わせた全体の負担や使いみちを議論する必要があるので、どういう社会を作るのかが明示されなければならない」

 会合の後、座長の神野氏はこう述べ、増税には高度な政治判断が必要との認識をあえて強調した。

 だが、政治家の議論はなかなか収束しそうにない。税調会長を務める菅氏は14日の衆院財務金融委員会でも、「デフレによってお金が流れない状況を変えるためには、(増)税による財政出動があり得る」と増税に前向きな発言を繰り返した。

 税調の会長代行の仙谷由人国家戦略担当相も増税に積極姿勢だ。ただ、デフレ脱却のための財政支出を賄うために増税を訴える菅氏に対し、仙谷氏は「今の税収が続くなら財政は大きな壁にぶち当たる」などと強調し、「財政再建のための増税」を主張。同じ増税論でも両氏の思惑には隔たりがあり、政府税調の議論の“混迷”を予感させる。

 肝心の鳩山由紀夫首相は次期衆院選までの消費税増税を“封印”。増税論議の過熱には「時期尚早」(平野博文官房長官)とくぎを刺す動きもある。

 景気悪化を最小限に抑えつつ、財政再建や社会保障のための増税に国民の理解を得られるかどうか。鳩山政権が掲げる「政治主導」が改めて試されている。

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