家畜の放牧をしている草原ほど土壌から放出される温室効果ガスの一酸化二窒素(N2O)が少ないことが、ドイツなどの研究チームの分析で分かった。現在推定されている放牧地からの放出量は実際より最大7割多い可能性があるという。常識をくつがえすデータで今後議論を呼びそうだ。英科学誌ネイチャーに掲載された。

 国連の「気候変動に関する政府間パネル」によると、現在のN2O濃度は産業革命前に比べて1.2倍の319ppb(ppbは10億分の1)に増えた。N2Oは同じ量の二酸化炭素に比べて約310倍も温室効果が強く、家畜の排せつ物や土壌中の微生物活動などが原因で放出されている。

 研究チームは07年8月から1年間、中国の草原で、非放牧地3カ所と羊の放牧地7カ所の放出量を測定した。その結果、放出量は非放牧地で多く、放牧密度の最も高い地点(1ヘクタール当たり2.24匹)に比べ2倍以上になることが分かった。また、放牧密度の高い場所では夏に放出量が多く、非放牧地では雪解け時期に年間放出量の約7割を占めた。

 こうした特徴などから研究チームは「草の量や丈が維持される非放牧地では、地表面が雪に長期間覆われて低温になりにくく、微生物活動が活発化して大量排出された」と推測している。

 しかし、草による二酸化炭素吸収や家畜からのメタン排出などを考慮していない。この分野に詳しい農務省のデル・グロッソ氏は「放出量は季節変動が大きく、年間を通して観測した意義は大きい。しかし、放牧を増やすことが単純に温暖化対策になると言えない」と話す。【大場あい】

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