ラテン!ラテン!ラテン!

渋谷からラテンアメリカ映画を発信!!


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一昨日、キューバから戻りました。暑かった~と思ったら、東京の方が、もっと暑く…。
今日はちょっと涼しくなったので、精力的に告知活動を!

本当に遅くなってしまいましたが、ついに、京都シネマにて
7月23日(土)~8月12日(金)「スリーピング・ボイス」上映です。

そして、京都といえば、一度は行ってみたい立誠シネマにて、
7月16日(土)~8月5日(金)「ラテン!ラテン!ラテン!」のコラボ上映開催。

にゃんと、相互割引あり!

★立誠シネマ〈ラテン!ラテン!ラテン!〉×京都シネマ『スリーピング・ボイス』
相互割引実施
立誠シネマ当特集上映と京都シネマ『スリーピング・ボイス』に相互にお越しいただくと、半券のご提示で当日一般料金から1100円に割引いたします。

詳細はこちら

そして、23日(土)、24日(日)は、京都にかけつけ、京都シネまでの舞台挨拶と
立誠シネマでシネマ講座を行います。

映画の買付け方とか配給、宣伝など、ラテンアメリカ映画事情や国際映画祭事情と共に
お送りできれば、と。

ご質問、大歓迎!当日でも、こちらからでもお気軽に。(お返事は当日に)

チラシ裏

予告編「スリーピング・ボイス」


予告編「ラテン!ラテン!ラテン!」


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おもむろに会社の公式サイトをリニューアル。実は5月に公開したのだが、なぜか、身辺騒がしく、公式サイト内ブログも更新していなかったので、今の発表になっちまいました。一体、アメブロと公式サイト内ブログを、どうつなげていくのか、とか、まだ全くもって考えられていないのだが、ま、やりながら考えるか、ということで、先に、お知らせを。

7月16日(土)より新宿K's cinemaにて公開のウルグアイ映画「映画よ、さようなら」

まだ公式サイト作り中なので、今後は、公式サイト内ブログで。
モノクロ、スタンダード、63分という「ケンカ売っとんのか!」な感じの作品ですが、
1976年ウルグアイ生まれのフェデリコ・ベイロー監督作品。

この作品だけは、好きに作りたかった、ということで、ま~ったく、配給とか考えずに
好きな人々と好きに作った作品だけれど、サンセバスティアン映画祭の「制作中作品」
(Cine en constrcuccón)でグランプリ、トロント映画祭にも出品され、その後、ハバナの新ラテンアメリカ映画祭(2010年)でグランプリ、と次々に注目されて、2010年に観たまま、ず~っと気になっていた作品です。
昨年5月の「ラテン!ラテン!ラテン!」で一度だけ「スニーク・プレビュー」として上映しましたが、ようやく単独公開が決まりました。

ああ、こういう感じで書けるのは、やはりアメブロだから?と思いつつ、自分の人生もここにきて転機だなあ(今頃かい!)というのがあるので、「ラテンな日常」や「言いたい放題」は、こちらで書こうと思っております。
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今朝、起きたらゴヤ賞の授賞式!
おお、今日だったのだ、ということで思わず 観てしまいました。

goya


今年はバルガス=ジョサも出席。

スペインといえば、昨年12月に総選挙をして2大政党
(国民党と社会労働党)が どちらも過半数をとれず、
未だに組閣ができておりません。涙;))

国王が2度に渡って各政党と会談して、
最初は国民党の ラホイ党首に組閣を打診。

でも交渉がうまく行かず、 2度目で野党社会労働党の
サンチェス書記長に。

司会のダニ・ロビラは、ゴヤ賞に出席していた 社会労働党、
市民党とポデモスの各代表に

「ここで協定結んでくれ~」という

メッセージを投げかけておりました。

dani


下の写真は、
左からポデモスのパブロ・イグレシアス
社会労働党のペドロ・サンチェス
市民党のアルベル・リベラ各党首
(みな若い!)

tres


この3政党が合意すれば、今の国民党政権を倒せるので
ただいま、社会労働党が絶賛交渉中。


ということで、ゴヤ賞は以下の通りとなりました。

嬉しかったのは、「朝食、昼食、そして夕食」の
ホルヘ・コイラ監督が編集で参加した、
ルイス・トサル主演「EL DESCONOCIDO」が編集賞を
受賞したこと。


アルゼンチンのリカルド・ダリンが「Truman」で主演男優賞、

同じくアルゼンチンの「El Clan」がイベロアメリカ映画賞を受賞。

あと「スリーピング・ボイス」のインマ・クエスタ主演の
「La Novia」が助演女優賞と撮影賞を受賞しました。



すべての賞は こちら(スペイン語)

主な受賞作
作品賞       「Truman」
監督賞 セスク・ガイ「Truman」
オリジナル脚本賞  セスク・ガイ&トマス・アラガイ「Truman」
脚色賞       フェルナンド・レオン「Un día perfecto」
撮影賞       ミゲル・アンヘル・アモエド「La Novia」

主演男優賞     リカルド・ダリン「Truman」
主演女優賞     ナタリア・デ・モリーナ「Techo y Comida」
助演男優賞     ハビエル・カマラ「Truman」
助演女優賞     ルイサ・ガバサ「La Novia」

新人監督賞      ダニエル・グスマン 「A Cambio de Nada」
新人男優賞      ミゲル・エラン「A Cambio de Nada」
新人女優賞      イレーネ・エスコラル「Un Otoño sin Berlin」

編集賞 ホルヘ・コイラ「El Desconocido」
ドキュメンタリー映画賞 「Sueños de Sal」
イベロアメリカ映画賞「El Clan」(アルゼンチン)監督:パブロ・トラペロ



最多賞受賞「Truman」予告編



「El Desconocido」は、こんなタイトルでDVDでてます。

主演はルイス・トサル。
暴走車 ランナウェイ・カー [DVD]/ルイス・トサル,エルヴァイラ・ミンゲス,フェルナンド・カヨ
¥5,184
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先日、7月10日にキューバと米国の大使館がそれぞれ再開するという
ニュースが入って来ました。

そこで、本日から名古屋シネマテークで始まるラテン特集、
(特に今日はキューバ映画3連発の貴重な日なので)
2ヶ月ほど前に「女性のひろば」に書いた文章を掲載することに
しました。作品名から公式サイトの作品にリンクします。

以下、その文章です(長くてすみません)
本日7月4日上映は…
10:30  永遠のハバナ
13:00  苺とチョコレート
15:30  低開発の記憶

先日の米州首脳会議で、ついに、ラウル・カストロ国家評議会議長とオバマ大統領の会談が実現し、国交正常化交渉の進展に向けて注目を集めているキューバ。このちょっと不思議で魅力的な国が、ラテンアメリカ映画の配給を始めるきっかけを作ってくれました。
それは、2003年、首都、ハバナで毎年12月に開催されている新ラテンアメリカ映画祭で出会った「永遠のハバナ」という作品です。

habana

初めての映画祭が、「なぜキューバ?」と良く聞かれますが、それは81年から82年に留学した、メキシコのケレタロ自治大学で、学生たちを「同志」と呼ぶ教授のマルクス経済学の講義に大きな影響を受けたからです。

メキシコは、いち早く革命が起こったにも関わらず、当時は一党独裁で経済危機に喘いでいましたし、チリやアルゼンチンは軍事政権下。その中で、無償で医療や教育を提供していたキューバが燦然と輝き、いつか必ず行こうと思ったのです。

その約20年後に訪れたハバナは、映画祭の熱気と共に、人々のエネルギーが充満する街でした。当時は、まだ、街のあちこちに警官がいて、外国人と一般のキューバ人が接触するのを阻止していましたが、映画館では一緒に観るので、会話も自由。特に独りで観に来る映画好きの女性たちとの意見交換はとめどなく、その口コミ伝播力が、半端でないことも分かりました。

「永遠のハバナ」も、初めて、ハバナに住む市井の人々の暮らしがスクリーンに映し出されたことから、連日、満席。セリフなしで、街の音と音楽で綴られる1日の物語に圧倒されながら、エンドロールで観客からわき起こる拍手に胸が熱くなり、無謀にも日本で配給することに…。

その後、2009年まで毎年、映画を通して、それまで知らなかったキューバの歴史や、監督たちの想いを学ぶことになりました。

1959年の革命勝利の直後に、キューバ映画芸術産業庁(ICAIC)を設立したフィデル・カストロは、大の映画好きとして知られていますが、農地改革を初めとする政策を浸透させるために数々の映画制作を命じました。

まだ文字が読めない人々が多かったので、映像で伝えるためです。
(☆1)その意向に協力した映画監督の代表格が、トマス・グティエレス・アレアで、
イタリアのチネチッタでネオ・リアリズムを学んだ、いわゆる、ブルジョア階級でしたが、革命後のキューバに大きな影響を与え、キューバ映画の代表作
「低開発の記憶」(1968) 

memorias

「苺とチョコレート」(1993)

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を撮りました。実は、アレア監督は1961年にある作品が上映禁止になったことに抗議してICAICの委員を辞任し、教条主義に陥ることにいち早く、警鐘を鳴らしました。


キューバ革命は元々、建国の父、ホセ・マルティが提唱する「平等主義」を掲げて勝利したのですが、亡命キューバ人を使った米国の攻撃(ピッグス湾事件)や空爆で、1961年に社会主義革命を宣言。ブルジョア階級が次々とキューバから出て行きました。

この時期からキューバ危機までを描いたのが「低開発の記憶」で、キューバに残ることを決めたブルジョア階級のセルヒオを主人公に、ドキュメンタリーとフィクションの融合を成功させた例として今も各国で上映されています。

また同じくアレア監督の「12の椅子」(1961)は、オールロケで当時の街並をカメラに収めながら、国有化された椅子を追うブルジョア男の悲喜劇、


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「ある官僚の死」(1966)は、叔母の年金のために、叔父の墓を掘り起こす甥のドタバタ喜劇ですが、根底には政府や官僚主義への批判が隠されています。

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米国のアカデミー賞外国語映画部門に史上初ノミネートされたキューバ映画「苺とチョコレート」(フアン・カルロス・タビオとの共同監督)も、同性愛者の芸術家と革命シンパの学生の間に芽生える友情を描いています。

フィデル・カストロがアレア監督を尊敬していたから、自由に撮れたのだという人もいますが、他の監督作品でも、どこかに現状への批判が隠されています。こうして、映画を通してみると、単なる社会主義国としてではないキューバが見えて来ます。

もちろん、未だに政治犯として収監されたままの人々もいますし、革命記念日には国旗を振るために動員されますが、パレード終了後は、みな、国旗を道端に捨てて行くので、回収車が出るほど。一筋縄ではいかない国民とどこか諦めにも似た政府の構図が見えて来ます。キューバと米国の関係も、互いに全く閉ざしていた訳ではなく、「永遠のハバナ」では、亡命者用のマイアミ行きのフライトがあることが分かりますし、ハバナの映画祭には米国人が数多く来ていました。

キューバに渡航すると罰金2万ドルのはずでしたが、映画祭の公式サイトには堂々と「米国からの参加者は○○旅行社を使うこと」という指示があり、米国当局にバレないようにトロント経由ハバナ行きのチケットを取ることができたのです。(当時は入国スタンプなしでした)

今、話題となっている両国大使館の再開も、実は、ハバナには米国の利益代表部のビルが、ワシントンにはキューバの利益代表部の建物があるので、決まれば早い、と言われています。「看板代えればいいんだから」と。

しかし、米国の経済制裁は、ICAICの資金不足も招き、数年前から映画監督たちは、欧州から資金を調達してインディペンデント作品を撮るようになりました。ICAICも、それは阻止できず、互いに協力的な関係を築く姿勢へと少しずつ変わってきています。

米国との国交正常化に映画関係者が期待していることは、米国でもキューバ映画が自由に観られるようになること、それによって、資金調達が可能になり、検閲が緩和されることでしょう。

リーマンショックが起こった時に、あるキューバ人監督が言いました。
「経済危機なんて怖くない。生まれてこの方、ずっと危機だから」と。

日本の閉塞感と暴走する政府に歯軋りするたびに、キューバの映画人たちの苦境を笑いとばすしなやかさ、どんな状況でも映画を撮ろうとするエネルギー、そしてユーモアに忍ばせる批判の精神が、今こそ必要だと痛感しています。

☆1その後の識字運動で識字率は世界でもトップクラス、2013年の統計では99.9%



この中で紹介できなかったのがウンベルト・ソラスの女性を主人公にした3部作
「ルシア」です

lucia4

永遠のハバナ 予告編


低開発の記憶 予告編

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フランス映画批評家組合が主催する国際批評家週間。

監督週間と同じく、カンヌ映画祭とは主催団体が違って

独立しているパラレル(並行)部門で、ひと足早く
グランプリが決定。


アルゼンチンのサンティアゴ・ミトレ監督(34)

のPaulina (La Patota) 。

afiche


映画祭でのタイトルはPaulinaになっているけれど

アルゼンチン国内ではLa Patota。1960年のダニエル・

ティナイレ監督の同名作品のリメイクなので。


時代を現代にうつした物語の主役パウリーナを

演じるのは、アルゼンチンのドローレス・フォンシ。

弁護士であるパウリーナ、判事の父がいる

生まれ故郷に戻って、荒れた若者たちがいる学校の教師と

なるのだが…。「正義のために法を破れるか?」

と問いかけられるサスペンス映画だそうだ。




最近、精力的に映画出演しているフォンシ。

ガエル・ガルシア・ベルナルとの

間に2人の子供を授かったけれど、

昨年、別れたようで、今回の撮影中に、
ミトレ監督と恋に落ちたようだ。

patota

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あ、いまタイトルに「制作」を
付け加えました。まるで新作完成したみたいに
読めることに気づいたので…すみません。

毎日、届くカンヌ映画祭からのお知らせ。

中には「どこにいるのだ、お前は?」という

セラーからのメールもありますが、

私、行ってません!ってば。


現地にいると映画観るのに忙しくて

中々、書けないので、今年は、東京で、

こちらに届いたカンヌからの便りを

ご紹介することに。


もっちろん、スペイン・ラテン系映画ですよ。

でも、最近、みな英語で撮っちゃうから

悲しいんだけど…。


そんな中、カンヌ映画祭初日に、リュック・ベッソンの

ヨーロッパ・コープが、ハビエル・バルデムとペネロペ・

クルスが共演予定の作品に出資、配給と制作にも

加わることを発表しました。



penelope_javier
© Closermag.fr
(リドリー・スコット「悪の法則」の時の写真)


今回は、コロンビアの麻薬王、パブロ・エスコバルの伝記映画

で、監督はスペインのフェルナンド・レオン・デ・アラノア。

fernando


フェルナンド・レオン監督の初長編劇映画は、

疑似家族を描いた「Familia」(1996)。

当時の六本木シネ・ヴィヴァンで開催された

スペイン映画祭(1998)で上映され、
初来日しました。


その時に通訳したこともあって、その後も

作品を追っておりましたが、これまで

「Barrio」(1998)も「Los Lunes al Sol」(2002)も

劇場未公開。
(「Los Lunes al Sol」は「月曜日にひなたぼっこ」
というタイトルで、2003年のバスク映画祭で上映)


「Los Lunes al Sol」は、

ハビエル・バルデムにルイス・トサルという

スペインきっての演技派が共演しゴヤ賞も受賞。

lunes

スペイン語が分からず観たのに
10年近くたっても思い出すという
「月曜日にひなたぼっこ」
「アジア雑語林」さんのブログ

この時からすでにスペインの失業問題は頭を

もたげていたことが分かります。造船所の
大量解雇や閉鎖反対運動は、今も続いているし。

2015年3月の失業率は23%。

25歳以下の失業率は50.1%で、
政府は改善している、と言っています。

スペイン失業率データ

Lunes al Sol


監督は、その後、ハビエル・バルデムがプロデューサーとして

制作し、世界で明らかにされていない問題を

描いた短編ドキュメンタリーのオムニバス

「Invisibles」(2007)にも参加しています。


Invisibles 子供兵士 フェルナンド・レオン


ハバナの新ラテンアメリカ映画祭で

上映された時、ハビエル・バルデムがTシャツと

ジーンズで登壇して、ハバナは他の映画祭のように

窮屈じゃないから好きだ、と言ったのが印象的でした。


自ら脚本を書き、演出するというスタイルは

変わっていませんが、最新作「A Perfect Day」は

初の英語作品で、ベニチオ・デル・トロ主演。

今回、監督週間に出品されています。

撮影は

「スリーピング・ボイス~沈黙の叫び~」

のアレックス・カタラン。


A Perfect Day UK Teaser Trailer


パブロ・エスコバルの伝記映画といえば、

ベニチオ・デル・トロが主演した

「Escobar; Paradise Lost」は、まだ日本で

公開されていないことに気づきました。


Escobar; Paradise Lost 



南米では去年の年末から今年にかけて

公開されたようですが、米国は今年の年末予定(?)

(つい最近、リスケされたというニュースが

ありましたが…)ということで、成り行きを

みているのでしょうか。


フェルナンド・レオン監督の作品は、

2008年に出版されたビルヒニア・バジェッホ著

「Amando a Pablo, odiando a Escobar」

(直訳:パブロを愛し、エスコバルを憎みながら)を原作に

監督自身が脚本を書き、今年末にクランク・イン予定で、

こういう話題を機に、これまでの監督作品が上映されれば、と

願ってやみません。

(地味な人間ドラマに愛が見える作品です)


Amador (2010) 予告編

(主演は「悲しみのミルク」のマガリ・ソリエル)


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前回、グアテマラのジャイロ・ブスタマンテ監督だけで終わっておりました、このシリーズ、今回は、スピードあげていきますよ。(←ほんまかいな?)


まずは、コンペから。

「Ixcanul」と同様に期待していたのが、日本でも「NO」が公開された、チリのパブロ・ラライン監督作品「El Club」でした。1976年生まれのラライン監督、1作目の「Fuga」から注目しておりました。日本では、ラテンビート映画祭で上映された「Tony Manero」を覚えてらっしゃる方もいらっしゃると思いますが、あの作品からすると「NO」は、分かりやすくて正統派。ガエル・ガルシア・ベルナル主演でしたし、アカデミー賞狙いに行くぜ!な感じでした。


その監督の真骨頂が戻って来た、と思ったのが、今回の「El Club」。




チリのとある小さな港町。高齢者の男性4人と40代(?)ぐらいに見える女性ひとりが一軒家で、暮らしています。最初は、小さな老人ホーム?とか思うのですが、次第に分かってくるのは、彼らが元カトリックの神父だということ。女性もシスターでした。規則正しい生活とつましい食事。でも、時にひとりの神父が犬を鍛えて、ドッグレースに出しています。それを双眼鏡で遠くから見る老人たち。そこに、新入り神父が来るのですが、その彼を名指しにして、ののしる男が、家の前に来て、幼い頃に何をされたかを叫びまくります。それに耐えられなくなった新入り神父は、静かにさせろ、と渡された銃で、自殺します。


そうなのです。ここにいる神父たちは、みな教会にいるときに性的虐待の疑いをうけ、沈黙と矯正のために、この小さな一軒家に送られてきたのです。


そこへ、教会本部から、査察官のような男が来ます。なぜ、その家に銃があったのか。何が起こったのかを調査するためと、全国にある、小さな家を閉めて、元神父たちを大きな施設に入れるために。


査察官がそれぞれから聞き取り調査を行うのですが、その緊張感たるや、最後にはグッタリするほどの映画でした。それぞれの役者がとても良くて、会話と表情で描写される「原罪」に震えがくるほど。そして最後の最後に、赦しとは何か、ということを観客に突きつけて来ます。これは、もう、真っ向からのカトリック批判です。


でも、「バッド・エデュケーション」とか「アマロ神父の罪」と違うのは、批判の質で、過去のこととしたい元神父たちの罪以上にカトリック内部の深いところで起こっていることを、これでもか、とえぐり出しているところ。一緒にいたシスターは一体、何をしたのか…。そして、査察に来た教会幹部は、どうやって罪を償わせることにしたのか。


いやはや、終わったあとには、強い酒が必要になりそうな作品でした。「NO」のように分かりやすくはないので、公開は難しいでしょうが、これまでラライン監督作品を上映してきたラテンビート映画祭に期待!です。


ラライン監督は兄弟たちと製作会社を持っていて、プロデューサーとして、セバスティアン・シルバ監督作品にも関わり、アベル・フェラーラ監督の「4:44地球最後の日」の製作も行いました。

まだ30代なので、今後がとても楽しみです。


コンペに出ていた、もう一作もチリ出身、パトリシオ・グスマン監督「El Botón de nácar」

これはドキュメンタリー作品で、前作「光、ノスタルジア」と対をなしている感じ。そうそう、「光、ノスタルジア」は、ついに、今年、10月に岩波ホールで劇場公開されるようです。パトリシオ・グスマン監督は、アジェンデのドキュメンタリーも撮っていて、ピノチェト時代にチリを出ています。妻もドキュメンタリー映画監督ですが、娘と共にキューバに亡命しました。娘は、2009年のキューバ映画祭で上映したドキュメンタリー「シュガー・カーテン」のカミラ・グスマン監督です。 父のパトリシオは一貫してピノチェト政権の傷跡を撮り続けていて、前回がアタカマ砂漠の天文台なら、今回は、海底です。何やら3部作になる予定のようで、これはアップリンク配給に期待です。


今回、ラテン関係といえる映画として「グアナフアトのエイゼンシュテイン(原題)」がありましたが、ピーター・グリーナウェイ監督作品で主に英語でした。予告編を観て、映画は観ず。


おっと、また長くなってしまった!!!

パノラマ部門の気になる1作は、また明日。

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今年のベルリン映画祭には、かなり多彩なラテン系作品が 出品されていたのですが、中でも注目を集めていたのが コンペに出品された3作品とパノラマ部門の1作品。

  個人的に一番期待していたのが、 これ。
グアテマラ出身ハイロ・ブスタマンテ監督
 Ixanul (Volcano)  あえて出身と言ったのは、監督が現在 フランス在住だからですが、この作品は全編カクチケル語で、主な登場人物はスペイン語が分からない設定です。
 
物語は、コーヒー農園があるIxanul(火山)の麓から、 山を登ったところで、土地を借りて農作物を育てる 両輪と独り娘のマリアの一家を中心にすすみます。 土地を借りているので、そこで農作物が 収穫できなければ、追い出される運命にある家族は、 彼らにしてみれば上司である土地の監督主任と マリアを結婚させることに。

でも、17歳の マリアは、火山の向こうの世界を見てみたい。
コーヒー農園で働き、米国まで行くと豪語していた 同年代の若者と一緒に村を出るために 身体を許したら妊娠して…という、ある程度、 予測がつく展開ですが、乾いた風景とそびえる火山、 民族衣装とカクチケル語に魅了され、 最後にどう着地するのか、楽しみにしておりました。
 
若者は独りで去り、結婚のために、何とか流産させようとする 母の願いも空しく、お腹はどんどん大きくなる。 農地では蛇が出て、作物が育たないので、また、 追い出されるかもしれない。そんな時に母親が、 妊娠している時には蛇も追い払える、と言ったことから マリアが蛇を追い出そうとして、噛まれ、 街の病院へ運ぶために監督主任に頼む羽目に…。

街の病院でのやりとりは、すべてスペイン語で 両親や娘が何を言っても通じない。ここでスペイン語とカクチケル語、双方が分かるのは、監督主任の男だけ。子供も無事に生まれたのに、マリアを自分の妻にするために「死産」だったと 告げ葬儀まであげさせる。でも、棺が空なことに気づいたマリアが両親を通して、 当局に訴えようとして…。
 
最後は予想どおり、悲しくも美しく終わりましたが、 グアテマラが幼児売買ネットワークの拠点であることを考えると 非常に複雑な心境に。
 
思い出したのは、2004年に公開された(と記憶している) ジョン・セイルズ監督の「カーサ・エスペランサ」。 あれは、米国の子供が欲しい女性たちの視点から撮っていましたが、 ラテンアメリカの子供を養子にするためにやってくる 北米人たちへの批判にもなっていたと記憶しています。 
 舞台は南米のとある国でしたが(ロケはアカプルコ)、 まさに、あれがグアテマラで起こっていることだと思いました。

養子縁組が簡単なことから、北米やヨーロッパから養子を とりたい女性たちが大挙する中で、乳児が誘拐されることも あり、80年代から、問題になっていたグアテマラ。
 
なので今のグアテマラで描くなら、そして、これがリアリティで あるのなら、映画として、もう一歩、踏み込んで欲しかった、 と思わずにはいられません。折角、カクチケル語で通して いるのだもの。ああ、もったいない!!という感想。
 
この作品はサンセバスティアン映画祭のCine en construcción (制作中の作品賞)でも受賞していたので、後で担当者(女性)とも 話しましたが、風景と民族衣装が余りにも美しく、 ヨーロッパが観たいラテンアメリカで 終わってしまっているところが何とも残念と。
   「ヨーロッパが観たい日本を撮っている某監督作品に 通じるところあるね」と言われ、まさに!と納得した次第。

 げげげ、1本だけで、こんなに長くなっちまった!
 でも、ベルリンのコンペ初のグアテマラ映画、そして ブスタマンテ監督は初めての長編ということで、 力が入ってしまいました。

ベルリン映画祭は折角行ったので、備忘録も兼ねて、あとの作品も書いていこうと思います。
(仕事は山積みなのだが、これをやらないと次へは行けない、みたいな感じがあるので)
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冬眠中にもかかわらず、寒いベルリン映画祭に行って、

その後、また冬眠していたので、書くことが山ほど

たまってしまいました。


そろそろ、春の予感がするので、

去年のサンセバスティアン映画祭、ブエノスアイレスの

Ventana Sur(フィルムマーケット)からベルリン映画祭まで
感じて来たラテンアメリカ映画と監督たちの変化について、

少しずつ、書いていこうと思います。


と思っていたら、もうアカデミー賞も終わってしまった!


米国のアカデミー賞なんだから、と毎年、外国語映画賞しか

チェックしてなかったけれど、去年、「ゼロ・グラビティ」で、
メキシコ人のアルフォンソ・クアロン監督が7部門受賞。

今年は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」が

作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4冠、撮影の

エマヌエル・ルビツキは2年連続の受賞。

言葉や国の枠を越えて活躍するラテン系映画人が増えて来て
嬉しい限り。

イニャリトゥ監督の次回作「The Revenant」の主演は
ディカプリオにトム・ハーディ。

アレハンドロ・アメナーバル監督の次回作「Regression」の
主演もエマ・トンプソンとイーサン・ホーク。

後へ続けというかのように、最近ではメキシコと米国、
ヨーロッパとラテンアメリカの合作が花盛りで、
スペイン語以外の言語の映画も増えて来ました。

でも、今回のアカデミー賞では、
外国語映画賞にアルゼンチンの「Relatos Salvajes」

(英語タイトル:ワイルド・テイルズ)と

短編ドキュメンタリー部門に、これまたメキシコの映画学校

CCC(映画研修センター)の卒業生でニカラグア出身の

ガブリエル・シエラ監督作品「La Parka」がノミネート、と

ラテンアメリカ映画界の鼻息荒くなってます。

Relatos Salvajes 予告編


アルゼンチン=スペイン(2014)
プロデューサーがアルモドバル兄弟なので
スペインとの合作だけれど、
監督もキャストもアルゼンチン。

アルゼンチンオールスターキャストって感じの
6つの話のオムニバス。

これまでアルゼンチン映画といえば、じっくり観る
ドラマや、皮肉で抑え気味なブラック・コメディが
多かったのだけれど、これは、もうハチャメチャ感が
満載!ショートストーリーだから、これだけ
テンション高くいけたのね、と思うけれど、
アカデミー賞ノミネートは、ちょっと驚き。

監督:ダミアン・ジフロン
出演:リカルド・ダリン
   レオナルド・スパラグリア
   リタ・コルテッセ
   ダリオ・グランディネッティほか。
音楽:グスタボ・サンタオラヤ

2015年夏、日本公開予定

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ついに出ました!
今年のラテンビート映画祭ラインナップ

これに加えて、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督特集も
あるというから、充実しておりますね~。

落ち込み気味の今、自分に必要なのは
植木等だ!と秘かに愉しみにしているのが
「クレージー メキシコ大作戦」

あとは、ダニエル・モンソンとルイス・トサルが
「Celda 211」(プリズン211)から再び
タッグを組んだ「エル・ニーニョ」。

このルイス・トサルと「朝食、昼食、そして
夕食」
のトサルを見比べていただきたい!
というほど、トサル好きですが、
これを機に、何度もご紹介している(はず)の
「スリーピング・タイト」も、ぜひ。

ルイス・トサルの演技の幅広さと奥深さが
きっと分かっていただけると確信しておりまする。


同じく、出演作は常に
チェックしているエドガー・ラミレスの
「LIBERTADOR(解放者ボリバル)」あたりは
必ず観ようと計画しております。

ところで、そんな中、2015年度アカデミー賞、
スペイン代表の最終候補作3本が発表されました。

■ 10.000 km, de Carlos Marques-Marcet.
■ El niño, de Daniel Monzón.
■ Vivir es fácil con los ojos cerrados, de David Trueba.

おっと、ラテンビートに2本ありますねえ。
でも、今、タイムテーブル観て、きづいたのですが、
"Vivir es fácil con los ojos cerrados"
東京では上映なし?

いや、わたくし、最近惚けているので、
見えていないだけかもしれませんが…。

"10,000km"は、オースティンで行われた
SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト映画祭)で
審査員特別賞(for Best acting duo)を受賞。
バルセロナとロサンゼルスの遠距離恋愛のお話。

エル・ニーニョと"Vivir es fácil con los ojos cerrados"
の内容については、ラテンビートのサイトをどうぞ。

この3本が最終選考に残ったことについて
スペインの映画アカデミーの選考基準が曖昧、と
厳しい指摘をしている記事も出たけれど、さて、
何が代表になるのでしょうか?
El Antepenúltimo Mohicano


10,000 km 予告編



朝食、昼食、そして夕食 [DVD]/ルイス・トサル,セルヒオ・ペリス=メンチェタ,ペドロ・アロンソ

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このサブタイトルが、あれですけれど…。
スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜 [DVD]/ルイス・トサル,マルタ・エトゥラ,アルベルト・サン・ファン

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