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March 09, 2015

ラテンな映画と監督たち(ベルリン映画祭1)

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
今年のベルリン映画祭には、かなり多彩なラテン系作品が 出品されていたのですが、中でも注目を集めていたのが コンペに出品された3作品とパノラマ部門の1作品。

  個人的に一番期待していたのが、 これ。
グアテマラ出身ハイロ・ブスタマンテ監督
 Ixanul (Volcano)  あえて出身と言ったのは、監督が現在 フランス在住だからですが、この作品は全編カクチケル語で、主な登場人物はスペイン語が分からない設定です。
 
物語は、コーヒー農園があるIxanul(火山)の麓から、 山を登ったところで、土地を借りて農作物を育てる 両輪と独り娘のマリアの一家を中心にすすみます。 土地を借りているので、そこで農作物が 収穫できなければ、追い出される運命にある家族は、 彼らにしてみれば上司である土地の監督主任と マリアを結婚させることに。

でも、17歳の マリアは、火山の向こうの世界を見てみたい。
コーヒー農園で働き、米国まで行くと豪語していた 同年代の若者と一緒に村を出るために 身体を許したら妊娠して…という、ある程度、 予測がつく展開ですが、乾いた風景とそびえる火山、 民族衣装とカクチケル語に魅了され、 最後にどう着地するのか、楽しみにしておりました。
 
若者は独りで去り、結婚のために、何とか流産させようとする 母の願いも空しく、お腹はどんどん大きくなる。 農地では蛇が出て、作物が育たないので、また、 追い出されるかもしれない。そんな時に母親が、 妊娠している時には蛇も追い払える、と言ったことから マリアが蛇を追い出そうとして、噛まれ、 街の病院へ運ぶために監督主任に頼む羽目に…。

街の病院でのやりとりは、すべてスペイン語で 両親や娘が何を言っても通じない。ここでスペイン語とカクチケル語、双方が分かるのは、監督主任の男だけ。子供も無事に生まれたのに、マリアを自分の妻にするために「死産」だったと 告げ葬儀まであげさせる。でも、棺が空なことに気づいたマリアが両親を通して、 当局に訴えようとして…。
 
最後は予想どおり、悲しくも美しく終わりましたが、 グアテマラが幼児売買ネットワークの拠点であることを考えると 非常に複雑な心境に。
 
思い出したのは、2004年に公開された(と記憶している) ジョン・セイルズ監督の「カーサ・エスペランサ」。 あれは、米国の子供が欲しい女性たちの視点から撮っていましたが、 ラテンアメリカの子供を養子にするためにやってくる 北米人たちへの批判にもなっていたと記憶しています。 
 舞台は南米のとある国でしたが(ロケはアカプルコ)、 まさに、あれがグアテマラで起こっていることだと思いました。

養子縁組が簡単なことから、北米やヨーロッパから養子を とりたい女性たちが大挙する中で、乳児が誘拐されることも あり、80年代から、問題になっていたグアテマラ。
 
なので今のグアテマラで描くなら、そして、これがリアリティで あるのなら、映画として、もう一歩、踏み込んで欲しかった、 と思わずにはいられません。折角、カクチケル語で通して いるのだもの。ああ、もったいない!!という感想。
 
この作品はサンセバスティアン映画祭のCine en construcción (制作中の作品賞)でも受賞していたので、後で担当者(女性)とも 話しましたが、風景と民族衣装が余りにも美しく、 ヨーロッパが観たいラテンアメリカで 終わってしまっているところが何とも残念と。
   「ヨーロッパが観たい日本を撮っている某監督作品に 通じるところあるね」と言われ、まさに!と納得した次第。

 げげげ、1本だけで、こんなに長くなっちまった!
 でも、ベルリンのコンペ初のグアテマラ映画、そして ブスタマンテ監督は初めての長編ということで、 力が入ってしまいました。

ベルリン映画祭は折角行ったので、備忘録も兼ねて、あとの作品も書いていこうと思います。
(仕事は山積みなのだが、これをやらないと次へは行けない、みたいな感じがあるので)
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March 07, 2015

ラテンな映画と監督たち(アカデミー賞)

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画

冬眠中にもかかわらず、寒いベルリン映画祭に行って、

その後、また冬眠していたので、書くことが山ほど

たまってしまいました。


そろそろ、春の予感がするので、

去年のサンセバスティアン映画祭、ブエノスアイレスの

Ventana Sur(フィルムマーケット)からベルリン映画祭まで
感じて来たラテンアメリカ映画と監督たちの変化について、

少しずつ、書いていこうと思います。


と思っていたら、もうアカデミー賞も終わってしまった!


米国のアカデミー賞なんだから、と毎年、外国語映画賞しか

チェックしてなかったけれど、去年、「ゼロ・グラビティ」で、
メキシコ人のアルフォンソ・クアロン監督が7部門受賞。

今年は、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の
バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」が

作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞の4冠、撮影の

エマヌエル・ルビツキは2年連続の受賞。

言葉や国の枠を越えて活躍するラテン系映画人が増えて来て
嬉しい限り。

イニャリトゥ監督の次回作「The Revenant」の主演は
ディカプリオにトム・ハーディ。

アレハンドロ・アメナーバル監督の次回作「Regression」の
主演もエマ・トンプソンとイーサン・ホーク。

後へ続けというかのように、最近ではメキシコと米国、
ヨーロッパとラテンアメリカの合作が花盛りで、
スペイン語以外の言語の映画も増えて来ました。

でも、今回のアカデミー賞では、
外国語映画賞にアルゼンチンの「Relatos Salvajes」

(英語タイトル:ワイルド・テイルズ)と

短編ドキュメンタリー部門に、これまたメキシコの映画学校

CCC(映画研修センター)の卒業生でニカラグア出身の

ガブリエル・シエラ監督作品「La Parka」がノミネート、と

ラテンアメリカ映画界の鼻息荒くなってます。

Relatos Salvajes 予告編


アルゼンチン=スペイン(2014)
プロデューサーがアルモドバル兄弟なので
スペインとの合作だけれど、
監督もキャストもアルゼンチン。

アルゼンチンオールスターキャストって感じの
6つの話のオムニバス。

これまでアルゼンチン映画といえば、じっくり観る
ドラマや、皮肉で抑え気味なブラック・コメディが
多かったのだけれど、これは、もうハチャメチャ感が
満載!ショートストーリーだから、これだけ
テンション高くいけたのね、と思うけれど、
アカデミー賞ノミネートは、ちょっと驚き。

監督:ダミアン・ジフロン
出演:リカルド・ダリン
   レオナルド・スパラグリア
   リタ・コルテッセ
   ダリオ・グランディネッティほか。
音楽:グスタボ・サンタオラヤ

2015年夏、日本公開予定

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September 11, 2014

ラテンビートラインナップとアカデミー賞スペイン代表候補3本

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
ついに出ました!
今年のラテンビート映画祭ラインナップ

これに加えて、アレックス・デ・ラ・イグレシア監督特集も
あるというから、充実しておりますね~。

落ち込み気味の今、自分に必要なのは
植木等だ!と秘かに愉しみにしているのが
「クレージー メキシコ大作戦」

あとは、ダニエル・モンソンとルイス・トサルが
「Celda 211」(プリズン211)から再び
タッグを組んだ「エル・ニーニョ」。

このルイス・トサルと「朝食、昼食、そして
夕食」
のトサルを見比べていただきたい!
というほど、トサル好きですが、
これを機に、何度もご紹介している(はず)の
「スリーピング・タイト」も、ぜひ。

ルイス・トサルの演技の幅広さと奥深さが
きっと分かっていただけると確信しておりまする。


同じく、出演作は常に
チェックしているエドガー・ラミレスの
「LIBERTADOR(解放者ボリバル)」あたりは
必ず観ようと計画しております。

ところで、そんな中、2015年度アカデミー賞、
スペイン代表の最終候補作3本が発表されました。

■ 10.000 km, de Carlos Marques-Marcet.
■ El niño, de Daniel Monzón.
■ Vivir es fácil con los ojos cerrados, de David Trueba.

おっと、ラテンビートに2本ありますねえ。
でも、今、タイムテーブル観て、きづいたのですが、
"Vivir es fácil con los ojos cerrados"
東京では上映なし?

いや、わたくし、最近惚けているので、
見えていないだけかもしれませんが…。

"10,000km"は、オースティンで行われた
SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト映画祭)で
審査員特別賞(for Best acting duo)を受賞。
バルセロナとロサンゼルスの遠距離恋愛のお話。

エル・ニーニョと"Vivir es fácil con los ojos cerrados"
の内容については、ラテンビートのサイトをどうぞ。

この3本が最終選考に残ったことについて
スペインの映画アカデミーの選考基準が曖昧、と
厳しい指摘をしている記事も出たけれど、さて、
何が代表になるのでしょうか?
El Antepenúltimo Mohicano


10,000 km 予告編



朝食、昼食、そして夕食 [DVD]/ルイス・トサル,セルヒオ・ペリス=メンチェタ,ペドロ・アロンソ

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このサブタイトルが、あれですけれど…。
スリーピング タイト 白肌の美女の異常な夜 [DVD]/ルイス・トサル,マルタ・エトゥラ,アルベルト・サン・ファン

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September 30, 2013

サンセバスティアン映画祭の受賞作

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
(あああ~ん、また更新が滞っとる!)と
自分に突っ込み入れながら…

戻って参りました、ようやくサンセバスティアンから。
せいぜい1週間だったのに、中身が濃かったので、
東京に戻ってから何もかもが新鮮!

現地時間の21日~26日まで映画祭期間中に
行われたインダストリークラブ(映画の売買を
するマーケット)と第二回ヨーロッパ・ラテンアメリカ
共同製作フォーラムに参加しました。
なぜに日本人の私が、とか諸々、詳しくは、明日。
(映画祭自体は20日~28日まで)


会議やらパネルディスカッションやらに参加せねば
ならず、思うように映画が観られなかったので、
ちと欲求不満気味。

でもまあ、仕上げに入っている作品や、
これから生まれようとする作品をプロヂューサーや
監督から聞くのもワクワク。

ということで、ここで気になった受賞作品を
ご紹介。(全受賞作は英語でこちらに

日本では是枝監督の「そして父になる」が
観客賞を受賞したので、ニュースで紹介されたろうな、
きっと。


$ラテン!ラテン!ラテン!-sansebastian1


今回のビックリはゴールデン・シェル(作品賞)の
ベネズエラ映画「PELO MALO」(BAD HAIR)
小学校のイヤー・ブック(年間アルバム)に載せる
写真を撮るために、髪の毛をかっこ良くストレートに
したい9歳の男の子と母親(シングルマザーで無職で
乳飲み子も抱えている)との物語。カラカスを舞台に、
大作を押しのけて作品賞。



すみません。この映画のシノプシスを読んで
余り興味わかなかったので観てましぇん。
監督のマリアナ・ロンドンは造形美術家でもあるので、
1本目から注目されていたけれど、2本目の「レニングラードからの
ポストカード」が、ぶっ飛んでたのを覚えてる。



シルバー・シェル(監督賞)は、久々に新作を撮った
メキシコのフェルナンド・エインビッケ。
CLUB SANDWICH。
「ダックシーズン」が公開されたので
覚えている人もいるかも。このプヨプヨの男の子が
メキシコの中流以上の男の子の典型で面白そうだけど、
エインビッケだからタダでは済まないだろうと期待。



シルバー・シェル(女優賞)は、LA HERIDA(「傷」)の
マリアン・アルバレス。



シルバー・シェル(男優賞)は、LE Weekendの
ジム・ブロードベント。これは珍しくチケット取っていたのに
会議が長引いて行けず。



30年間結婚していた夫婦が、パリに行ってお互いを
見つめ直す、と、ひと言で言えそうな映画だけれど、
役者たちを観たかった~。これは公開の可能性も
あるかな、と。

ラテンアメリカ映画賞は、ブラジルのフェルナンド・コインブラ監督の
「O LOBO ATRAS DA PORTA」(A WOLF AT THE DOOR)



正直言って、今回、コンペ作品には、余り食指が動かず
新人監督部門やとんがった映画を選ぶZabaltegiの中に
観たい作品が多かった。コンペ作品の大半は、すでにトロント国際
映画祭に出品されているので、新鮮味がなかったかも。
ラテンアメリカ映画部門もカンヌ映画祭で、すでに観た作品が
多かったし。。。(なのにHELI のことしか書いてない!)
映画館が遠かったり、満員で入れなかったり、帰国後の上映だったりで
余りリアルタイムで観られなかったけれど、
こういうのも出会いなので、逆らわないことにしてる。

明日は、フォーラムで出会ったキューバの監督とプロデューサー
メキシコの女性映画人トリオについて書くことにしまっす。

早く書いてしまわないと忘れるからなあ。。。。
(あ、カンヌで書き残したことも、そのうち)
May 27, 2013

カンヌ映画祭2013 メキシコ/HELI

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
今日がカンヌ最終日。これを書いている間に
受賞発表が終わってしまいますタ。

いやはや、ビックリ!
「Heli」のアマ・エスカランテが監督賞だと!
なぜ、ビックリなのかは、後ほど書くとして、
今回のカンヌ映画祭、昨年よりもラテン系作品が
少なく感じたのは監督週間(これは映画祭と主催が
別なのですが)に、余りなかったからかも。

でも、初カンヌで何を観るかといわれたら、
やっぱりスペイン語映画!
ということで、まずは2本あったメキシコ作品から。
この2本に共通して強く感じたことは、メキシコ以外の
人々が「こう思いたい」メキシコが描かれているのでは
ないか、と思ったこと。

テーマは「麻薬」と「移民」

私にとっては、またかよ、な感じです。
もちろん、映像としてほ~っと感心するところも
多々あるのですが、なぜに、このテーマなのだ?と
いうのが監督に一番聞いてみたいことです。

「Heli」Amat Escalante
$ラテン!ラテン!ラテン!-エリ

このタイトルみるとヘリコプター?てな感じに
思ってしまうのですが、これは主人公の名前「エリ」です。
今回、ラテンアメリカ唯一のコンペ作品。

(監督名、スペイン語の発音に合わせて日本語表記を
「アマ」にしていますが、できれば「アマッ」にしたい。
でも、ちょっとお笑いな感じになるかも?)

はいはい、横路にそれましたが、そういうことで、この監督、
初監督作品「サングレ」がカンヌのある視点部門に出品され、
東京国際映画祭にも出たので、覚えている方もいらっしゃると思います。
これが3本目でカンヌのコンペ、というラテンアメリカ生まれは
スペイン、バルセロナ。今はグァナファト在住で、
キューバのアントニオ・デ・ロス・バニョスで映画を学び、
初監督作品の後、カルロス・レイガダスの
「Batalla en el cielo」で助監督をつとめています。

「Heli」の幕開けは、乾いた大地の中の道を走るトラック。
荷台に乗せられている男2人。
そうとう痛めつけられて、生きているかどうか分からないほどの
2人がじっくりと映されます。
その後、トラックが橋のところで止まると…。
このあと、何が起きるか、というのは
メキシコの麻薬組織セタのやり方をみれば想像がつきます。

そして、そこから、この2人は誰なのか、
なぜ、こんなことになったのか、
という物語が展開していきます。

主人公のエリは、妻と自分の父、
そして中学生ぐらいの妹エステラと
貧しい小屋に暮らしながら、
かなり遠くの自動車製造工場まで、自転車で
通いながら働いています。エリが一家の大黒柱で、
自分の家族を守るために黙々と働いています。

その村には軍の駐屯地もあって、エステラは軍隊の
うだつがあがらないヤツとつき合っています。
2人でここを出て結婚しよう、という恋人の言葉に
夢を抱くエステラ。

もう、このあたりから不穏な空気。
ある日、軍が大量の麻薬を摘発して、それを
燃やすのですが…。

と、ここまで書けば何が起こるか予測可能。
でも、この映画の中で一番感じたのは「孤独」です。
彼らは別の土地から仕事を求めてやってきたので、
村からするとよそ者。その村は軍と自動車工場で
何とか住人が生きて行けるようなところなので、
大きな権力にははむかえない。
だから、皆、見て見ぬふりをする。

でも、エリは寡黙で正義感強く、何とか真っ当な道を
歩みながら家族を守ろうとします。その孤独感は、
周りを映す随所にやどっています。
広大な大地の中の小さな車、とかに

共同体の中にいれば、何とか生きながらえることも
それを敵にすると恐ろしい。誰も助けてくれない
状況に陥ることになるのです。

そういう意味では、とても納得がいく作品に
なったのに、カンヌでの上映では、拷問や暴力シーン
ばかりが注目され、エリの孤独には誰も触れない。

この作品が、センセーショナルなものになってしまったところが
残念です。この監督はレイガダス同様、プロの俳優を
使わず、オーディションで選んだ人々と長い時を
すごしながら、映画を作って行きます。なので、
演出に対する監督賞なら、分かる気がします。

余りのショックで拒絶反応を起こす人もいるからか、
批評家の判定は、ほぼ悪く、だからこそ、監督本人も
含めて驚きの受賞、ということになりました。

ああ、長く書き過ぎてしまったので、もう1本の
メキシコ映画は帰国してから書くかなあ。

いつも怠惰ですみません。


ティーザー予告
May 17, 2012

カンヌ国際映画祭2012のスペイン・ラテンアメリカ映画たち(2/2)

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
<監督週間のスペイン・ラテンアメリカ映画>

こちらは、何と、驚くなかれ、3月のリビエラ・マヤ映画祭の
RivieraLabのワークインプログレスに出ていた、メキシコの
女性監督作品「Fogo」が上映決定。
DCPへのポストプロダクション費用を獲得したのだが、もう出来たのか?

「Fogo」(英語)
監督:ユレネ・オライソーラ (メキシコ)

ニューファンドランド島でロケ。厳しい自然環境と
主役の男性(地元の人)の表情で、目がひきつけられる映画。
vimeoは貼付けられないのね~ クリップ映像


「3」
監督:パブロ・ストール(ウルグアイ)

懐かしいですねえ、あのウルグアイ映画「ウイスキー」の監督のひとり。
もうひとりの監督、フアン・パブロ・レベリャが自ら命を絶って、しばらく
映画を撮っていなかった。2009年に前作「Hiroshima」(といっても広島とは関係ないんですが)で、監督復帰。それで吹っ切れたのか、今度はコメディ。娘と母とのターニングポイントに、離婚した父が戻って来る、というお話。


「No 」
監督:パブロ・ラライン(チリ)

みなさま、覚えておいででしょうか?
暗い顔でナイト・フィーバーを踊る「トニー・マネロ」。
パブロ・ララインはデビュー作「Fuga」からファンなのだが、
いかんせん、商業公開難しいと思わせる頑さがある。
でも、今回は、ガエル・ガルシア・ベルナル主演!!
その上、舞台は、1988年のチリ。ピノチェト続投か否かの国民投票の
際に行ったNo!と言おうキャンペーンを作り上げた若き広報担当の
話(だと思う)。これは、ガエルの制作会社も出資しているし、
商業公開もありだよね。

映画を紹介するチリのテレビ局



「Infancia Clandestina」
監督:ベンハミン・アビラ(アルゼンチン)

1979年が舞台。軍事政権のアルゼンチン。
まだまだ、このテーマの映画は作られるのね。
でもなあ、折角「瞳は静かに」で市井の人々が
やっと描かれたのに、また反体制側の物語に逆戻り?の
感はぬぐえず。観てみないと分からないけど。
子どもはアンドレスのほうが断然かわいい…。ヾ(▼ヘ▼;)


「La Sirga」
監督:ウィリアム・ベガ(コロンビア)

武力闘争のトラウマから逃れるためにアリシアがたどり着いたのは、
アンデス高地の湖岸にある民宿、La Sira。そこには、唯一の
血縁であるオスカルが、ひとり静かに住んでいた…。


「Sueño y Silencio」
監督:ハイメ・ロサレス(スペイン)

この監督、キューバは、ハバナ郊外のアントニオ・デ・ロス・バーニョスに
ある国際映画テレビ学校の出身。本人はバルセロナ出身。
これはモノクロなのかもしれないけど、物語は、パリに娘たちと住む女性2人が、スペインで休暇を過ごしている時に、何か事件が起こるようだ。
(と、全く興味がないことがバレる書き方をしちまったぜ)

以上、監督週間が面白い、今年のカンヌ映画祭だした。
May 16, 2012

カンヌ国際映画祭2012のスペイン・ラテンアメリカ映画たち(1/2)

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
今年のオフィシャルセレクションって、全く面白みがない。
なんだか常連さんばっかりで~。

スペイン・ラテンアメリカ圏からは、ウォルター・サレスの「On the road」(英語だし)とカルロス・レイガダス(またか!)の「POST TENEBRAS LUX」ということで、こうなったら、もう、
ヤケっぱちで、ある視点部門のこれ、をご紹介。


「7デイズ・イン・ハバナ」ハバナがHavana だというところに注目!



7人の監督が1日ずつ撮るオムニバス。
監督で、キューバ人はフアン・カルロス・タビオのみ。
あとは、ベニシオ・デル・トロ、パブロ・トラペロ、フリオ・メデム、
ギャスパー・ノエ、エリア・スレイマン、ローラン・カンテ。

クストリッツァが嬉しそうだし、ミルタ・イバラ、ホルヘ・ペルゴリア、ヴラディミル・クルスといった「苺とチョコレート」のキャスト、それに、「低開発の記憶」のデイジー・グラナドス(もちろん現在の)もクレジットにあるので、探すのも楽しいかも。
これは、もちろん日本で公開されますよ。夏に。
キューバだからってことで。

ある視点部門のラテンアメリカ映画
「Después de Lucia」ミチェル・フランコ(メキシコ)
長編デビューである前作の「Daniel&Ana」 が、すでにカンヌの監督週間に出品されたミチェル・フランコ。本当にあった話(メキシコならではの、特急誘拐!)をもとに兄妹(姉弟?)の
衝撃的なドラマを作り上げて、注目された。
でもね、この監督の作品、イケメンと美人が主役なのだ。今回も父と娘で、娘が美しいの。で、いじめられるわけ。コワいもの観たさってあるかもしれないけど、前作は、予告編観ただけで読めちゃったもんで、観てない。こういうテーマは、スキャンダラスだけど、一歩間違うと後味悪いだけで終わっちゃうというのが、これまでの経験。
今回の作品の予告編がみつからないので
「Daniel&Ana」


「Elefante Blanco」パブロ・トラペロ(アルゼンチン)
快調に作品つくっているパブロ。「カランチョ」に続き、リカルド・ダリン主演。ワーキングタイトルがVillaだったことことからも分かるように、スラム地区が舞台。リカルド・ダリンは神父役。

予告編


「La Playa D.C」フアン・アンドレス・アランゴ(コロンビア)

これが長編デビュー作。行方不明になった弟を捜すため首都ボゴタで生きようとするトマスの物語。



個人的には、同部門に参加している若松監督の三島由紀夫映画を応援!!

映画祭と同時期に映画監督協会主催で開催される監督週間のスペイン・ラテンアメリカ映画は、次回に。

うっふっふ、こっちのほうが面白そうなのだ。
May 15, 2012

[DURAZNO]ボリビア&アルゼンチンロードムービー

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
いやいや、またまた、やってしまいました。
この本能の呼び声に勝てない私…。

カンヌ国際映画祭が近いので、毎日、山のように
メールが来る中、ひょいと目についた1本。

「4dias TODO O NADA!」
(あと4日、オール・オア・ナッシング!)

うん?またこれは、「宝くじ当たりました!」みたいな
ジャンクメールなのだろか、と思いつつ、
珍しく開いてみると、ボリビアの若手女性監督に
よる作品のクラウド・ファンディングだった。

そういえば、グアダラハラ映画祭でも聞いたような気が。

でもまあ、今年は、仕事も持って行って
(その成果がこれ→国際交流基金「アルゼンチンの
知られざる劇場事情」)
映画を観るのがやっとだったからなあ、と
思って、サイトを見ると…。

にゃんと!「今夜、列車は走る」で映画デビューし、
その後、数々の作品にでているナウアル君では
ないか。(「今夜、列車は走る」のアベル(息子役)ね)

これは、何かの縁!
う=ん、どうするのか。このままシカトするのか。
と色々、考えた末、若き監督とメールのやりとりすること
2日間。ついに、アソシエート・プロデューサとして
参加することに。

もちろん、日本で公開すること大前提。
次回作のプレスを泣きながら(いつもだわね)書いたいま、
やっとご報告、ということに。

また、彼らが新たなファンドレイズをすると思うので、
その時には、また、お知らせします。1ドルから参加できるので、
映画の制作過程を一緒に楽しみましょう!!

で、今回のゴール達成を喜ぶ監督とプロデューサーの
写真が公開されました。

こちら

これに心動かされたのは、ナウアル君の存在と同時に
監督もプロデューサーも女性だから、ということが
ありました。しっかし、エネルギッシュだぜ、みんな。

根拠ないけど、自分のこと信じてるもんね!!

ということで、ティーザーはこちら。




ブエノスアイレスからコチャバンバまでのロードムービーで、
エゼキエル君の人生(って、まだ26歳なのだが)が
凝縮されている。でも演じるのは、ナウアル君なのだ。

クリエイティブ・ドキュメンタリーと銘打った本作、
はてさて、どんな映画ができることやら。

簡単なストーリー

8歳のときにタンゴ・ダンサーだった父親に捨てられてから、
里親を転々とし、やさぐれた若者だったエゼキエルが、
20歳のときにボリビア人の女性と知り合って、初めて、
「俺って、だれ?何者でもない自分って、なんだろ」と
まずは父を捜す旅に出る。
ザックリいうと(ザックリ言い過ぎか)そういうお話です。

はっきりいって、「自分探し」は余り好きではないし、
ドキュメンタリーとなると、う=んと思うのだけど、
この作品に関する監督の想いを読むと、個人を掘り続けて
普遍性にたどりつくような気がした。だから、別の人物に
演じさせるのね、と。ナウアル君は旅をしながら、
エゼキエル君になる訳で、そのナウアルを見つめながら
エゼキエルは自分自身になっていく…。そんな気がします。

単なる勘ですけど。

スタッフたちが一緒に旅をして(料理も自分たちでしつつ)
コチャバンバまでたどり着く、今回のファンドは、その
旅の経費なのでした。最後は祭りのシーンになる予感なので、
時間と金が許せば、撮影現場にも行ってみたい!なんてな。

このKickstarterは、金額によって色々なお土産が
もらえるので、それも楽しみよ。
次回、新たなものが上がったら、ご紹介しますです。
でも、彼らは英語でも書いているので、お勉強代わりに
読んでみてくださいましね~~~♬
April 27, 2012

ブラジルの岡村淳さんと「あもーる あもれいら」

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
26日(木)、11:00から下高井戸シネマで、記録映像作家、
岡村淳さんの「あもーる あもれいら」
第三部にして完結編を観た。

岡村さんはブラジルに移住し、ひとりでドキュメンタリーを
撮っている。取材も撮影も編集も、ナレーションまで岡村さんだ。

だから私にとっては、監督、というより作家という言葉が
しっくりくる。

岡村さんを紹介してくれたのは、作家の星野智幸さん。

「もう、ほんっとに面白い人だから」

と言われて会ってみたら、いや、チョー面白ろくて
ずっと話を聞いていたかった。

岡村さん自身については、こちらの
日記を読んでいただくとして、

ブラジルに渡ったドキュメンタリー屋さん
岡村淳のオフレコ日記


「あもーる あもれいら」のこと。

この作品は、ブラジル南部のパラナ州にある
小さな町、アモレイラにある保育園の1年を
撮った作品で、3部作になっている。
貧しい家の子どもたちを預かる保育園には、
日本の長崎純心聖母会から派遣されたシスターたちも
保育士として活動している。

今回は、第3部完結編!だが、
独立したドキュメンタリーとして、とても
楽しかった。笑ったり、涙したり、ハラハラ
しながら、こんなにも自然体で観た
ドキュメンタリーは、これまでなかった。

悲しいできごともあるし、貧しい
環境の中で、子どもたちを通して様々な問題が
見えて来る。

だが、子どもたちはもちろん、カメラを構え、
質問している岡村さんを含め、取り繕っている人が
ひとりもいない。

笑いながら、涙しながら、全身で
「生きていこうとする」子どもたち、
余りのやかましさに時にはキレる先生、
ため息をつくシスター。
そこに質問を投げかける岡村さん。

「聖母マリアの観点からすると
どうですかね?」(という感じの質問)

「ふっ」と笑ってしまったのだが、
自分が現場にいたら、
「いや、ここでそんな質問を」と
ドキドキしていただろう。

そしてシスターが答えるまでの
長い間(ま)を、固唾をのんで見守る
緊張感。

まさに、「今、そこ」にいるような
気持ちで、全編を観た。
もっともっと観たいと思った。

保育園に来なくなったルアンはどうしたのだろう、
イカロは小学校に入ってどうなったのだろう、
名前は忘れたけど、あの泣き叫んでいた
女の子は、今、どうしているだろう。

長崎純心聖母会のシスターたちや、そこで
シスターとなった地元の人々、
岡村さんから様々な質問を突きつけられていた
堂園シスターは…。

まるで自分が会った人々のように身近に
思い出されて来る。

音楽を使った格好よいドキュメンタリーは
数々あれど、いつも被写体との間に距離を感じていた。
それはもしかすると、撮っている人との距離かも
しれない。

今回、私は、まるで無防備で「そこ」にいた。
撮る人、撮られる人、それを観る人、皆に
きれいごとを許さない作品だと思った。

子どもたちが寄ってくると「助けて~」という
岡村さんの声とともに、カメラがあちこち向く。

乳児を養子に出された女性から
余りにつらい話を聞き、涙するシスターを映しながら、
その内容については、触れない。

岡村さんの映像作家としての矜持と
ひとりで作る、という気概が生み出した
愛(あもーる)がある、すばらしい作品だった。

以前、シネマ・ジャック&ベティで観た
南回帰線」も続きが楽しみで仕方がない。
植物学者の橋本伍郎先生と岡村さんの対話も
ずっと観ていたい。

このあと「あもーる あもれいら」は、
4月30日に関西5月4日にメイシネマ祭で上映される。

岡村さんが日本に帰国したときにしか
観られないので、まだの方は、ぜひ!!

「『きぬごし豆腐』よりも傷つきやすい」
岡村さんのトークも、めちゃ面白いです。
April 22, 2012

驚愕!チリのストップモーションアニメ2つ

テーマ:スペイン・ラテンアメリカ映画
これはもう映画祭と関係ないのだが、今回参加しなかったら
知らなかったであろう短編2作品。

監督たちが、それぞれ、これまでの作品を紹介する場面が
あったのだが、これを観た時には映画館の中で凍りついた。

こ、こわい。(((゜д゜;)))

「Rey」という企画を出したニレス・アタジャ監督が紹介した作品。
はっきりいって、企画よりも、こっちに興味しんしん。
ごめんね、監督。

暗い中で観たのは「ルシア」
あとで「ルイス」も観てしまった。
これは2作品で1対となっている。

子どもの物語なのに、ささやき声がコワい。
ささやき声といい、音といい、部屋の中の動きといい…。

言葉がわからなくても映像だけでドキドキ/
夜中に観るのはやめたほうがいいかも…。

監督:Cristóbal León, Niles Atallah and Joaquín Cociña

「ルシア」


「ルイス」

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