• 24 Mar
    • Can I kiss you ? #26

      「ココアチョコじゃ響きませんね」「そうだな」小さな会議室で二宮といろんな種類のチョコとココアパウダーを置いた。「ホワイトチョコも良いですよね」そう言いながらもぐもぐチョコを食べている。「おい、そんなに食ったらなくなるだろ?」「えー、アイデル社さんですから、たくさんチョコのストックあると思って食べちゃいましたよ」「なんだよ、それ。いいよ、たくさん食え」「ふふ」二宮は笑ってチョコを食べた。「率直に聞くけど、二宮はアイデルとレーガン、どっちが好きなんだ?」「うーん、悩みますね。どっちも好きですけど、アイデル社さんの方が極甘ですよね。甘いもの好きにはたまらないと思います」「そうだな」「岡田さんも甘い方が好きなんですか?」「いや、苦手だ」そう言って、ビターチョコを食べた。「なら、何故レーガンに行かなかったんですか?聞きました、噂ですけど」「君ならレーガンに行ったのか?」「行きましたよ。未練なんてないですし」二宮は「ふぅ」っと息を吐いた。「レーガンに行くのをやめたのは、三宅さんの存在ですか?」「……………………」「チョコレートを知ってる人ならどんな事があってもレーガンに行きたいと思うのに。良いんですか?それで。今がチャンスなんじゃないんですか?」図星だ。二宮の発言は全部図星。俺も本来ならレーガンに就職したかった。でも出来なかった。勉強不足だったからだ。まだまだ自分の上はたくさんいて。やっとアイデルに入れるぐらいだった。それが今は、違う。レーガンは俺が欲しいと、言ってる。「三宅さんの存在で、あなたの夢は終わりを迎えて良いんですか?」二宮が俺に近寄ってきた。「わたしは貴方にレーガンへ行って欲しいと思ってます。ここにいるのは勿体ないと」そう言って、綺麗な瞳と目が合ったまま顔が近づいた。薄く閉じられる綺麗な瞳。甘いチョコの味。それを感じて体を離した。「お前───」「岡田さん、考え直してください。これからの事、ちゃんと」そう言った、二宮と目が合った。

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    • Can I kiss you ? #25

      「企画部のだろ?」と、受け取った書類には何故か血痕。胸騒ぎがして、医務室に走った。そこには三宅が座っていて、手に包帯を巻いていた。「三宅」名前を呼んでも返事がなくて、彼の目の前まで行ってしゃがみこんだ。「三宅」「あ、岡田さん」「手、どうしたんだ?」「ぶつけちゃって。心配させてしまって、すいません」「いや、気にするな」俺は怪我した手を取った。「森田に何かされたのか?」「いえ、本当にただ手をぶつけてしまって」そう言って、三宅は笑った。「あんまり、無理するな」俺は三宅の髪を撫でた。

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  • 23 Mar
    • Can I kiss you ? #24

      「デザインが出来上がりました」書類を受け取って廊下を走る。曲がり角で何かにドンっとぶつかって しりもちをついた。「いてて。あっ、」床に舞い散った書類を慌てて回収する。「あわてんぼうのサンタクロースかよ」その声に顔をあげた。「やっと話せるね、健」そう言って、ぎゅっと手首をつかまれた。「は、離してください!い、忙しい事知ってるじゃないですか!」「知ってるよ?だから、癒しが欲しいんだろ?」「な、何言って」「離婚したんだよ、オレ」そう言った、森田と目が合う。「やっぱりオレには健だけだ」「な、何言って、と、とにかく離してよ!」手を後ろに思いっきり振ると何かにぶつかった。「痛っ、」 どくどくと手から血が流れてきて。思い出した、あの日の事。───「" 痛い、痛い、もう嫌だ "」「あ、嫌だ、やだ、触んないで!近寄らないで!」床が赤く染まる。「落ち着け!健!健!」抱きしめられた。瞬間に、懐かしい、香り。初めての日はいつもの匂いじゃなかった。じゃ、何の香りだった?きっと女物の香水だったのかも。「落ち着け、な?」 体が離れて、森田を見た。 「剛、どうして裏切ったの?僕は、剛だけだったのに」「話はあとだ!医務室行くぞ!」 「剛だけだったんだよ!」「健!」剛に両肩をつかまれた。 「ごめん、オレが悪かったから。ちゃんと話すから、今は言うこと聞いてくれよ」森田は三宅の手をつかんで医務室に向かった。

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    • Can I kiss you ? #23

      「き、緊張するな」初めて家に誰かをあげた。櫻井と飲む事になっても櫻井の家の中にバーカウンターのようなものがあるからいつも飲む時は櫻井の家に行くし。「綺麗じゃん」真っ白な部屋で、時折水色。「海が好きなんです」「へぇ、女子みたいだな」そう言って、岡田さんに笑われた。「むっ、ご飯いらないんですか?」「食べます」岡田さんは腕捲りをして、手を洗った。 「手伝う」「いいですよ!岡田さんはくつろいでて下さい」「お前だって疲れてるだろ?2人でやった方が早いしな」僕は岡田の顔をじっと見て。「な、なんだよ///」ぎゅっと抱きついた。「優しいですね、岡田さんは。モテるのわかりますよ」「なんだよ、それ」岡田は笑って、三宅を見た。「………キス、しませんか?」「していいの?」「は────」返事をする前に岡田さんの唇が僕を包み込んだ。「んっ、」腰に手を回されて、髪を撫でられる。「岡田、さ、」そのまま体が浮いて近くのソファーに置かれた。岡田さんは着ていたスーツを放り投げてシャツのボタンを外し始めた。「…………する、の?」「するよ?」前のボタンだけ開けたまま僕に口づけてきた。─────────────「ん、」お腹すいた。ぐるぐる鳴ってるし。起きるとベッドの上で、隣には岡田さんが寝ていた。───「寝室、何処?」耳元で囁かれたのを思い出した。「ん?」岡田さんの手がひらひらと動いて僕の手をつかむと握ってきた。「ふふ。可愛いな」手を握り返して、髪に唇を落とした。ぱちっと開かれた目と目が合う。「お、おはようございます///」「お、はよ」掠れた声で、色気が凄い。「んー」と、言いながら寝返りをうって僕の腰に腕を巻きつけてきた。「もう少し寝かせて」「うん」岡田さんの髪を優しく撫でた。

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  • 22 Mar
    • Can I kiss you ? #22

      「ほら、食え」口に突っ込まれた。「お前、レインボーチョコいつになったら飽きるんだよ」「飽きませんよ。だっていろんな味食べれるんですもん!」今日も残業。永森社との仕事があるからと言って普通の業務もある。「腹減ったな」「そうですね」「終わったら飯でも行くか?」「………つ、作りましょうか?ご飯///」「え?」岡田さんと目が合った。「あ、い、嫌なら」「食う。食うから早く終わらせよう」「は、はい」さっきよりもパソコンのキーを叩くペースが早まった。

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    • Can I kiss you ? #21

      「色は何色にしますか?永森さんの赤とアイデルの白で強調しますか?」会議室はバタバタしていた。でも僕の隣にはいつも岡田さんがいて。森田に隙を与えないようにしてくれていた。「逆に使わないで、赤と白を混ぜた色のピンクにしませんか?」「それいいですね!ピンクとか可愛いし!」「和也、はしゃぎすぎ」「は、はしゃぎますよ!そりゃ。だって、アイデルさんとのコラボですし、それに有名な岡田さんと仕事できるんですから!」そう言って和也と呼ばれた子は岡田を見た。「あ、二宮です」そう言って、笑って、握手を求めてきた。「あ、岡田です」 手を握る。瞳の色素が薄いのか茶色でキラキラしていた。「で、ピンクでいきますか?」僕はふんっと言いながら岡田を見た。「ピンクで行こう!」そう言って、デザインを書き始めた。─────────────「岡田さん」誰かに呼ばれて振り向くと瞳が綺麗な子だった。名前はたしか。「二宮くんか。どうしたの?」「あ、いえ。わたし、凄く岡田さんに憧れてまして、お話ししてみたかったんです」 「そうなんだ、ありがとう」「チョコフェスタ大賞おめでとうございました」「あー、ありがとう。永森社の方も知ってるもんなんだね」「知ってますよ!岡田さんがいるから今回の企画、アイデル社さんとのコラボになったんです」「そうなんだ」岡田は「ふーん」と、言いながら、時計を見た。「あ、俺さ会議なんだ。また後で」そう言って、走ろうとしたら、手をつかまれた。「二宮く────」「ネクタイずれてますよ?」きゅっと直されて、「失礼します」と言い、歩いていった。

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  • 21 Mar
    • Can I kiss you ? #20

      「もぐもぐ」レインボーチョコうま/// 「本当に食うとは、な」 「うわっ///」カーテンが開いて、岡田さんが急に入ってきた。「な、なっ///」「大丈夫か?」そう言って、僕の髪を優しく撫でる。「はい、すいませんでした」「気にするな、あいつから話聞いたから」「え?」「あいつが例の元なんだろ?お前に会いたいが為に企画条件に入れたそうだ」「…………………………」「三宅」僕の手を握って、岡田さんは指を絡ませた。「お前がどう思ってるか知らないけど、今日から俺の恋人役やれ」「え?」「森田に俺とお前が付き合ってると言った」驚いて言葉がでない。恋人、役。「で、でも、岡田さんに迷惑──」「気にするな、この企画の最中だけだ」この時、だけ。手をぎゅっと握った。「悪いな、勝手に決めて」また髪を撫でられる。温かくて、優しい手つき。「いえ、すいません」僕の髪を撫でてる、岡田さんの手に自分の手を重ねた。

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    • Can I kiss you ? #19

      「ん、」目を開けると真っ白な天井。白いカーテンに包まれていて。「あれ?」何でここにいるんだろ。会社の医務室だった。サッとカーテンが開いて先生が僕の顔を覗き込んだ。「大丈夫ですか?三宅さん」「あ、はい。あの、どうしてここに?」「三宅さん倒れたのよ。岡田さんて方が運んできてビックリしちゃったわ」「そうですか、すいません」あのトイレから全く記憶がない。「ん?」顔の横にレインボーチョコの箱が置いてあった。" 起きたら食え "乱暴にかかれてる字に少し笑えた。─────────────「森田さん、少しお話よろしいですか?」岡田は永森社の森田を呼んだ。「お話ってなんでしょうか」「うちの社の三宅とはどういう関係なのでしょうか」そう言って、森田を睨むように見た。「どういう関係って何もありませんよ」「三宅はそういう風に見えませんでしたけど」「よく見てるんですね、三宅さんの事」「同僚ですから」「……………同僚ね」「おかしいと思ってたんですよ。この企画に三宅を参加させるなんて」岡田は睨んだまま森田を見続ける。「わかってましたか」そう言って、森田は笑った。「そうですね、私がただ単に彼に会いたくて参加させたのは事実です」「………………」「私は彼の元恋人です。もう1度やり直したいと思って、彼と話せる時間が欲しいと思って参加させました」森田は睨むように岡田を見て、それから笑みを浮かべた。「岡田さん、協力してくれませんか?わたしと三宅が寄り戻せるように」そう言って、岡田の腕をつかんだ。

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    • ストックのおはなし

      ◎Can I kiss you ? season 1◎※UP中◎Can I kiss you ? season 2◎※4月1日~UP開始◎世界には、愛しかない◎※5月1日~UP開始

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  • 20 Mar
    • Can I kiss you ? #18

      想像以上な展開が待っていた。目の前には………森田がいた。「永森社の森田と申します。今年1番の商品をアイデル社の皆さんと作っていきたいと思いますので、よろしくお願いします」頭が痛い。この声を聞くだけで。手が震える。 彼と目が合うだけで。挨拶が終わり、企画の説明が終わると会議室を出てトイレに向かった。「はぁ、はあっ」椅子に座って呼吸を整える。わかってしまった。永森社が条件で僕を入れてきた事。ただ、森田が僕と会うために参加させたんだ、きっと。苦しくて、ムカつく。 ───トントントン。トイレのドアをノックされた。「……………………」息ができない。誰、誰、誰、誰、誰、誰、誰。「三宅」ドアの鍵を開けて目が合う。「どうし─────」岡田さんに抱きついてぎゅっと力を込めた。「降りたい、この企画やりたくない」「どうした?」岡田さんの手が僕の背中をさする。「嫌だ、いやっ、やだっ」涙が出てきて、何も聞こえない。ただ、森田の顔を思い出したくなかった。

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    • アメンバー募集のお知らせ。

      みなさん、こんにちは。アメンバー募集についてのお知らせです。次回、アメンバー募集は4月16日のみを予定しております。もし、申請する予定の方とかいらっしゃいましたら準備を先にお願いします。①プロフィール画像設定。※ブログ優先。わからない場合は調べてください。②初期に設定した時の誕生日、性別をこちらが側が見れるように公開設定。※18歳以上、女性限定のため。手書きの誕生日、性別は認めません。③ブログやプロフィールでV6 or 嵐の事が書いてなければどんな理由であろうと承認できません。※本当にファンかわからない為。『ファンだという事が恥ずかしいから』は、完璧論外です。スムーズにいくように願ってます。ちょっと腹立たしい事とか起きた場合予告なく閉めます。(毎回募集の際、ルール守らない方々がいて嫌な思いしてるので)今回から「年齢忘れてますよー」のメッセージとか一切送りません。時間過ぎての申請も認めません。※不公平になるので。では、よろしくお願いします(°▽°)

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    • Can I kiss you ? #17

      「永森社とコラボか」社長室に呼ばれた。何かと思えば有名な永森社とのコラボ商品開発話だった。ココアチョコって。凄く美味しそう(*´ω`*)ふふ「そこでだが、この企画に岡田と三宅、2人が参加してほしい」「三宅とですか?」「なっ、」何でそんなあからさまに嫌そうな顔してんだよ!僕だってすごーーーく嫌だし!むーかーつーくー(`□´)「永森社からの条件なんだ」「条件?」「君たち2人を今回の企画に参加させてくれと」「……………そうですか」岡田さんに参加してほしい会社はたくさんいるけど、何で僕?何で永森社は、僕の事知ってるの?「という事だから、明日から作業に入る。永森社の方が明日からうちに来てくれるそうだ。くれぐれも失礼のないよう頼んだよ」社長室のドアが閉まった。「お、岡田さん」「ん?どうした」「おかしくないですか?」「何がだ」「だって、岡田さんが企画に参加するのはわかります。でも、名の知られてない僕が何故永森社から………」「さぁな」岡田は欠伸をした。「まぁ、何があってもお前なら大丈夫だろ?」「………………………」僕は下を向いた。気になって仕方がない。「はぁ」岡田さんのため息が聞こえて。顔をあげると手を引かれて、ゆっくり抱きしめられた。「俺がいるだろ?大丈夫だから」「…………はい」 岡田さんのスーツの裾をぎゅっと握った。

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  • 19 Mar
    • Can I kiss you ? #16

      「おばちゃん、Wからあげ定食」岡田さんにからあげを取られる毎日を過ごしていたのを見ていたおばちゃんがWからあげというのをあみだしてくれた。「くれ」「ん」2倍の唐揚げは結構な量だけど2人で食べれば普通だった。「三宅さんと岡田さん、付き合うと思ってたけど、何か悔しいです」櫻井はそう言って、うどんに七味をかけた。「大丈夫だよ、櫻井。俺、三宅と付き合ってないから」「え?」「こんな男と付き合えるわけないじゃん。櫻井も絶対やめた方がいいよ?」「な、何かあったんですか?」「なんにも!」「なんにも!」なんだよ、嘘つくなよ!朝からずーっと ケ ツ 撫 で 回 してムカつくんだよ、岡田の野郎。なんだよ、嘘つくなよ!ケ ツ 撫 で 回 されて 感 じ た くせになんともないとか言いやがって。からあげに箸をぶっさして僕はもぐもぐ食べる。「岡田さん、レーガン断ったみたいですけど、レーガンも諦め悪いですね」レーガンはあれからもちょくちょくアイデルに来て、岡田さんを引き抜こうとしてる。「チョコフェスタで大賞とりましたもんね、岡田さん」「ふふ、ありがとう」岡田さんは笑みを浮かべて櫻井を見た。 「三宅はまだまだだよなー。櫻井に抜かされたりして」くっくっく、と、笑って、目が合う。「む、む、」むーかーつーくー(`□´)───────────────「ここが、アイデル社」綺麗な髪をなびかせながら男は足を1歩踏み入れた。「永森社の森田と申します。今回の企画を受け入れて下さってありがとうございます」そう言って、頭を下げた。「いやいや、こちらこそこのような素晴らしい企画を提案して下さって嬉しい限りです」「1つ聞いておきたいんですが、社長。例の条件は飲み込んでくださったと解釈しても宜しいですか?」「はい、よろしくお願いします」森田は、ニヤっと笑った。

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    • Can I kiss you ? #15

      「う、嘘つき!だーいっきらい」そう言って、僕は枕を岡田さんに投げた。「誰もレーガンに行ったなんて行ってないだろ?勝手な解釈やめろよ」「ば、ばかっ!!!」岡田さんはレーガンからの誘いを断っていた。会社に来なかったのはレーガンに行ったからではなく、ただの有給消化だった。僕以外、みーんな知っていた。さーくーらーいー(`□´)「ばかばかばかーっ!もう知らないんだからっ!」「暴れんなよ、 " あばれるくん " って呼ぶぞ?」「………それはやだ」ピタッと動きが止まって、岡田さんは笑うとそのままキスをしてきた。「初めて、どうだった?」「な、なっ///」『何聞いてんだよ!この野郎!』って言いたかったけど、言わない。だって、溶けちゃうくらい気持ちよかったから。「もう1回する?」「やだ」絶対やだ。このでれでれした顔がまたむーかーつーくー(`□´)「触るな」「何で?触らせてよ」「やだ、触んな」岡田さんの手をペシッと叩いた。「もう、それ以上無理だから///」「お、おう///」 何だか恥ずかしくなってお互い下を向いた。

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  • 18 Mar
    • Can I kiss you ? #14

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    • Can I kiss you ? #13

      「健くん、大丈夫?」「え?あ、うん」岡田さんはパッケージを知らない間に完成させて部長に渡してからレーガンに行った。僕の手元には岡田さんが作った仮パッケージ。「岡田さん、元気ですかね」「どうだろ」連絡先は知らないし、知っててもするつもりはない。彼はライバル会社の一員だから。「お昼、買いに行ってくるね」会社を出て、会社の近くにある公園のベンチに座った。「はぁ、」こんなに買ったけど、食欲なんて全くない。岡田さんがいないだけでこんなになっちゃうなんて。バカみたいだ。本当に。「バカみたいだ」「バカみたいじゃなくてバカだろ?」隣にどかっと座って、僕が手に持っていたおにぎりを取られた。「うま」「どうして、」「え?お休みです」初めて見た、岡田さんの私服。スーツもかっこいいけど、私服も凄くかっこよかった。「お休みって───」岡田さんは両手を上に伸ばした。「ここで、何してんの?社員食堂好きだろ?」「たまには外もいいかなって」「ふーん。あ、櫻井元気か?」「うん。相変わらずです」「そっか」岡田はもぐもぐ食べてながら僕を見た。「食わないのか?」「え?あ、うん」「痩せたな」そう言って、岡田さんの指が頬に触れてきた。「いや、変わってませんよ」「嘘つくな」「………………すいません」嘘ついても、バレる事わかってたのに。「あ、パッケージ。ありがとうございました。あれ、もう仮が製作されて」バックの中から岡田と作った仮パッケージを取り出した。「これ、あげます」「お前が持っとけよ。記念品だ」「…………はい」記念品、か。「み、みんな、岡田さんがいなくて悲しんでましたよ」「嘘だろ、せーせーしたはずだ」「そ、そんな事!寂しがってました!」「お前は?」「え?」「お前は寂しがってないの?」「岡田さんて、意地悪なんですね」「何処がだよ、教えないお前の方が意地悪だろ」そう言われて、目が合った。「言ったら、早く戻ってきてくれますか?」「さあな」三宅は息を飲んだ。

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  • 17 Mar
    • Can I kiss you ? #12

      噂はすぐ広がった。「岡田さん、絶対レーガンに行くよね。寂しすぎるー」女性社員たちが本当に悲しそうにしている。でもそんな事は僕には全く関係なくて。「誰がこの企画、引き継ぐんですか?」それで頭がいっぱいだった。「まだ岡田くんの返事は聞いてない。岡田くんはここに残ってくれると私は信じているよ」部長はそう言って、遠くを見た。残るわけない。あの岡田さんだよ?と、言うよりもチョコレートの会社に勤めていてレーガンの誘いを断る奴なんて絶対何処探してもいないだろう。「あ、」岡田さんがエレベーターを待っていた。ピンっと張った広い背中ですぐにわかった。隣に並んでエレベーターを待つ。「レーガン社に行くんですね」岡田さんの顔を見ないまま話しかけた。「知ってたのか。まだ迷ってる途中だ」 「社内何処行っても、その噂ですから。………アイデルに残る理由があるんですか?僕なら、有名で給料の3倍出してくれるレーガンに迷う事なく行きますけど」「そうか」「はい」エレベーターのドアが開いて中に入った。「残る理由教えてください」「なら、お前の好きな人を作らない理由教えろ」まだ言ってるのか、この人は。「昨日バレンタインでしたよね?櫻井と付き合い始めたんじゃないんですか?なら、僕の話しなくても良いじゃないですか」「お前は本当に性格ひん曲がってんな」「岡田さんだってレーガンに行かないなんて、頭おかしいんじゃないですか?」「………俺に、俺にそんなにレーガンに行って欲しいのか?」岡田さんは急に僕の手を引いて、抱きしめてきた。「俺は、お前と離れたくないのに」 心臓に凄い衝撃を食らったような感覚。ドキドキが止まらない。「理由、教えろ。教えてくれたら、俺はレーガンに行くから」言えない。だから行かないで、なんて言ってもいいのだろうか。「甘い香りだ」岡田さんの声が耳に響いて、くすぐったい。「チョコ、食べてましたから」「レインボーチョコ、か?」「はい」抱きしめられてる体が揺れる。そして、笑ってる声も聞こえた。「どんだけ好きなんだよ、レインボーチョコ」岡田さんの体が少し離れて、目が合う。「戦場に行くのに、チカラくれ」そう言って、柔らかい感触が唇に触れた。僕の嫌いな珈琲の苦い味。エレベーターの止まる音がして。唇が離れていって抱きしめられた手も離れていった。「じゃ」そう言って、岡田さんは社長室の階に足を踏み出した。「………………………」いいの?これで。岡田さんがレーガンに行ったらもう会えないかもしれないのに。「お、おか─────」重たい扉が閉まって僕の声は岡田さんには届かなかった。

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    • Can I kiss you ? #11

      「何故、レーガン社と会議なんて」「私もわからんのだよ。だけど、君を交えて話をしたいとレーガン社から連絡があったんだ」俺は足早に廊下を歩いた。ドアをノックし、開けるとそこにはレーガン社の社長と秘書らしき人がいた。「遅くなり大変申し訳ございませんでした。わたくし、アイデル社の岡田と申します」そう言って、頭を下げた。「レーガン社、社長の坂本と申します」そう言って、頭を下げられた。「岡田さん、単刀直入で申し訳ないが、君をうちのレーガン社で雇いたい」「え?」岡田は何を言われてるのか頭に入ってこなかったが、だんだん説明をされて何を言ってるか鮮明になった。「レーガン社ですか?」自分のいる、アイデル社も勿論凄いが実際世間からすればココアは " やっぱり永森 " のようにチョコレートは " レーガン " なのだ。そのレーガンから引き抜きだなんて。「君の噂はずいぶん前から聞いていたのだが、諦めきれなくてね」そう言って、坂本社長は笑みを浮かべる。「アイデル社の給料の3倍は出す」「!!!」有名なレーガンにアイデルの3倍の給料だなんて。「お、岡田くん!君にはアイデル社に残ってもらわないと困る!」社長と部長の焦った声が両隣から俺の耳へと響き渡った。

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  • 16 Mar
    • Can I kiss you ? #10

      バレンタインまであとわずか。「健くん、岡田さんにチョコの好み聞いて!」そう言って、顔を前で手を合わされて何だか断れなかった。「岡田さん」「ん?なんだ?」珈琲を飲む岡田さんと目が合った。「岡田さんは甘いのと苦いのどっちが好きなんですか?」「俺は苦い方だな」「そうなんですね、想像通りで安心しました」そう言って、笑ってレインボーチョコに手をつける。「お前は甘い方だろ?」「はい」パッケージデザインに軽く色を塗っていく。「今日午後からは企画部で作業をしてほしい。ここに1人じゃ寂しいだろ?」「え、岡田さんは?」「会議だ」「そうなんですね、じゃ、企画部で作業をします」寂しい。一緒にいられると思ったのに。………あれ?今、僕は何を?「企画部に戻ったら食えないからな。たくさん食べとけ」目の前のレインボーチョコを指差していた。「岡田さんは食べないんですか?」「甘過ぎだろ」そう言って、珈琲を飲む。「お前が、好きな人を作らない理由、いつになったら教えてくれるんだ?」あれから、毎日のように聞かれたけど黙ったままでいた。言えないだろ?好きな人に初めてをあげて結婚するって言って消えたなんて。「俺に言いにくいことなのか?」「何度も言ってますが、言いたくないんです」そう言って、止まっていた手を動かし始めた。「なら、俺、櫻井と付き合うぞ?」「え?」何、言ってんの?意味わからない。話が見えない。「昨日、櫻井に聞かれたんだ。14日仕事終わった後、話があるから、時間もらえませんか?って」そう言いながら、岡田さんも作業を進め始めた。「櫻井が?」櫻井が岡田さんの事好きなんてずっと前から知ってたけど。行動に移してくるなんて思わなくて。「お前の話聞かせてくれたら、櫻井とは付き合わない」そう言われて、視線を感じて顔をあげると岡田さんは僕を見ていて。「言えよ、三宅」僕の言葉を待ってるようだった。

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    • Can I kiss you ? #9

      「食わないのか?」目の前に大量のレインボーチョコ。「バレンタインてなんなんでしょうね」「バレンタインデーは2月14日に祝われ、世界各地で男女の愛の誓いの日とされる。もともと、269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した聖ウァレンティヌス(テルニのバレンタイン)に由来する記念日だと、主に西方教会の広がる地域において伝えられていた。……らしいよ」「何で調べたんですか?」「おかぺでぃあ」「…………僕が言ってるのはそういう事じゃないんです」「おい、スルーすんなよ」岡田さんはため息をついて、椅子に座った。「好きな人がいない、好きな人を作らないと決めた人には必要のない行事なのに」「でも、好きな人や恋人がいるなら良い行事じゃないか。いないからって必要ないなんて自分勝手だぞ?なら、お前も好きな人作れば良いじゃないか」「………作らないって決めたんです」 「決めた?」「はい。あ、もうこの話やめましょ?仕事しましょ!仕事!」「決めたってなんだよ」「え?」「お前まだ27だろ?決めたって、早すぎんだろ」心臓がドキドキする。そんな怖い目で見つめないでよ。「もう忘れてくださいよ。仕事しましょうって言ってるじゃないですか」 「これ、好きか?」岡田さんはレインボーチョコを持った。「え?あ、好きです」「これは?」近くにあったチョコの入ってるかごを指差した。「好きです」「俺は?」「え?」「俺の事は?好きじゃないの?」そう言って、岡田さんは自分を指差した。「…………………」言葉が出ない。息が、声が、つまる。「好きじゃないの?俺の事」髪を撫でられて、岡田さんの手が僕の頬に触れた。「き、嫌いです。岡田さんの事」顔が見れない。嫌いだよ、岡田さんなんて。 僕の固い決心を簡単に打ち砕いてしまう岡田さんなんて。「大嫌いです」「そうか、なら助かる」「え?」「この企画は俺とお前だけだから。荒れたら抹消になるからな」そう言って、岡田さんは立ち上がってボードに書かれていた字を消し始めた。「……………っ」もう、苦しさしか残らなかった。

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