夏の参院選からインターネットを使った選挙運動を解禁することで与野党が合意した。当面は、ホームページとブログだけだが、本格的な「ネット選挙」に向け、一歩を記すことになりそうだ。

ネット上で、ネット選挙のこれからについて議論を戦わせる「動画付きの討論会」が開催されていたので視聴した。

ネットを使った政治活動の専門家に加え、みんなの党の衆院議員、柿沢未途氏も登場して、ネット解禁に至る与野党協議の内容などについて議論していた。

「ネット解禁推進派」の論客たちがやり玉に挙げていたのが、簡易型投稿サイト「ツイッター」の解禁が、今回の与野党合意で見送られたことだ。

「いろいろ理由はあったんです」。攻め込まれて神妙に答弁する柿沢氏。同じ政治家とはいっても、世代や個人差でネットへの親和度が違うことや、なりすまし、誹謗(ひぼう)中傷が問題視されたことを説明した。

そこで、ネット解禁の与野党協議で「座長」を務めた民主党の桜井充参院議員の話題になった。

「結構、大きかったんですよ、桜井さんの発言は」

柿沢氏が指摘したのは、桜井氏が「自分でツイッターをやろうとしたら、すでに、自分になりすましてツイッターをしている人がいた」という逸話だ。

柿沢氏の口ぶりからいって、桜井座長のこの発言が、与野党協議で「ツイッター解禁見送り」の流れを決めたということらしい。

「まだ早い」。そんな空気がツイッターを退けた。解禁に積極的だった民主党も、政権与党になれば変わってしまう例だ。

座談会に出席していた専門家たちからは、「ツイッターがないのは意味がない」と手厳しい意見もでたが、柿沢氏のいうように「100歩のうちの1歩」ということだろう。

実は、このネット上の討論会には、気になる部分があった。

「前座」と称して登場した大学院生たちの笑顔付きの「つぶやき」だ。

ネット選挙解禁に関する討論会に参加する大学院生が、ネット解禁について語るという部分だったが、そこでこんなやりとりがあった。

「1票入れても、意味があるのかと思う」

「確かにそう思う時ありますよね、ぶっちゃけた話」

「じゃあ、ネット選挙が解禁されても、選挙には行かないんです か」

「信念持って(投票には)行かないですね」

「まあ、ネット選挙で魅力的な政治家が見つかれば…」

大学院でメディア論や、ジャーナリズム論を学んでいるという学生だが、マイクを握って「投票には行かない」と公言する姿が、ネットの現状をあぶり出しているように感じた。

出席していたネット専門家の一人も同じ印象だったのだろう。

「選挙では、候補者が、何を考え、何をしてきたか、という情報が少ない。なのに投票にいかなくてはいけないことが続いてきた。せっかく、ネットというツールがあるにもかかわらず、使われてこなかった。今回の参院選は、制約はあるが、候補者が何を考え、何をしようとしているのかを有権者がネットを通じて取ることができる。ただ、今回のネット解禁は、大きな一歩にすべきだと思う。どんなに情報出しても有権者がネットをみないで投票に行けば、ネット解禁には意味がない」

熱くネット解禁の必要性を語った上で、調子を変えて、こう言った。

「僕は選挙に行きませんなんて、マイクを持って大声でいうようなやつは、日本から出ていけ、と言いたい」

延々と小さなパソコン画面でネット動画をみることになり、すっかり辟易(へきえき)していた私も、この一言で目が覚めた。(金子聡)

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