■DNA再生…「祈るのみ」

 強風の影響で倒れた鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)の大銀杏(いちょう)について、関係者らが「保存」と「再生」を目指して、検討を始めた。

 11日、神奈川県は八幡宮側に「倒木を保存してほしい」と要請した。倒木の保存では、一般的に年輪が分かるよう輪切りにするなどの展示方法がとられる。しかし、八幡宮側は「大切な神木で輪切りはありえない」としており、今の形をできる限り残す方法を模索することにしている。

 文化財科学の専門家である鳥取大農学部の古川郁夫教授によると、倒木の保存には巨大なタンクに薬品を入れ、乾燥・防腐処理をする必要がある。だが、古川教授は「高さ30メートルの木が丸ごと入る大きさのタンクは聞いたことがない」と難しさも指摘している。

 再生にむけた動きも出始めた。根の部分から「ひこばえ」と呼ばれる若木が芽生える可能性もあり、八幡宮では乾燥を防ぐためにビニールシートをかけるなどの保護をはじめた。倒木を植え替えて根付かせたり、挿し木をするなど、再生のための手だてを尽くす考えという。

 吉田茂穂宮司は「歴史をずっと見続け、ご苦労であったとの思いだ。打てる手はどんどん打ち、同じDNAを持ったものを再生させたい。期待している。祈るのみだ」と話している。

 神奈川県の松沢成文知事も現場を急遽(きゅうきょ)視察。「クローン苗をつくり、遺伝子的に大銀杏を存続させる方法もある」と八幡宮側に提案した。

 10日未明に倒れた大銀杏は樹齢推定1千年。鎌倉幕府の3代将軍実朝(さねとも)を暗殺した公暁(くぎょう)が、身を隠していたとの言い伝えがあり、県の天然記念物にも指定されていた。11日には大銀杏を心配する参拝客らが朝から神社を訪れていた。

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