マイ・ボディガード

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 原作はかなり前に書かれた『燃える男』で、残念ながらまだ未読である。話題の本なのでそのうち、と思っている間に先に映画化されてしまった。
 監督のトニー・スコットは20年あまり、その小説を映画化したがっていたそうだ。
 原作と映画の違いはある。時代も変わったので、舞台がイタリアからメキシコにかわっている。
 
 対テロ部隊での仕事を続けてきて、心と体の傷跡を、大量の酒でごまかしていた、クリーシー(デンゼル・ワシントン)は部隊での先輩の紹介で職に就いた。実業家の9歳の娘ピタのボディ・ガードが仕事だ。無愛想なクリーシーを心の底から気に入ったのはピタ。クリーシーも徐々に心を開いて行き、笑える生活を取り戻した。ピタによって新しい命を得たのだ。
 ピタが誘拐された。身代金の受け渡しは失敗した。
 自らも銃弾を受けたが、ピタの死を知らされて、クリーシーは復讐するために立ち上がる。

 力の入った映画だった。さすが、トニー・スコットが暖めていただけある、入魂の一作だ。
 出だしからショッキングな映像と音楽で、ぐいぐいと画面に引き寄せて行く。キレた映像と激しい音楽。観客を現実から引き離した所で、主役達の登場になる。
 デンゼル・ワシントンは、今回も奥の深い演技を見せてくれた。役柄で雰囲気が変わるのは見事。
 しかし、欠かせないのはピタ役のダコタ・ファニングだ。くもりのない少女の美しい瞳とひたむきな演技の前には、どんな名優もかすんでしまう。
 クリーシーとピタが並ぶ映像の美しさは、監督の腕の見せ所か。
 大切なモノを知り、それを奪われた悲しみ。そして怒り。。泣きました。切ないぞー。
 久々に良い映画を観た。ハードボイルドであった。
 
 あ、ミッキー・ロークが出ているので、探しましょう。変わった顔も覚えましたか?
 クリストファー・ウォーケンが、渋い演技で良かった。

 歳の暮れに来て、傑作に出会った。

 宣伝に「レオン」からどうのってある。何故に他の作品を引き合いに出すのだろうか。大いに不満だ。
 タイトルも、原題のままで良かっただろうに。宣伝の切り口と言い、タイトルの付け方といい、イマイチ映画の内容と合っていない。最近こういう映画が多くって、悲しい。本来の映画の良さを消してしまっている。考えて欲しいものだ。
 昔を言っても切ないが、昔の映画の邦題の付け方、上手いのが多かったね。

 

タイトル: マイ・ボディガード プレミアム・エディション


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 ピーター・ウィアー監督は『ザ・ラスト・ウェーブ』の頃から注目している好きな監督。大ヒットした映画も多いけれど、一風変わったこだわりのある作品を作り続けている。

 この映画は、日本では一部で酷評されている。そういう人は原作や歴史物に興味がないのではないかと思う。映画の楽しみ方そのものも、違うのだろう。
 私は充分楽しめた。ピター・ウィアーらしい光の使い方で、絵画のように映像を美しく見せている。迫力のある戦闘シーン。男たちの格好良さ、荒れる大海原、ガラパゴスの大自然、素晴らしい映像だった。昔の気品ある凛々しい軍人たちの姿もすごい。少年であっても、軍人。片腕を切り落とされ、更に雄々しく戦うのだ。あの時代のすさまじい戦いを見事に再現してみせている。感動した。
 大胆であり、繊細な処もある、監督らしい映画だった。

 最後なんだか、泣けましたぞ。



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