ハンニバル・ライジング

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ハンニバル




 またも、ハンニバル! トマス・ハリスは『ブラック・マンデー』以外、ハンニバルばかりを書いているな。しかも、10年に1作の上梓だったのが、スパンが短くなっている。
 ミステリー好きには、面白くてたまらない作家だ。そして、作品が少ない。これが5冊目の本。
 だが、前作の『ハンニバル』は酷かった。トマス・ハリスは力尽きたか? と思ってしまった。映画も酷かった。
 今回も当然の事ながら、原作を先に読んでから観た。(当方、ミステリ好きである故)
 う~ん。映画では、これが限界か。
 原作では、孤児院を出て美しい叔母に出会うのはもう少し年齢が下で、だからこそ人格形成に影響が大きかっただろうし、子供ながらに残酷な殺しをして行くのだが。
 映画で子供が殺しをしちゃ、まずいって事よね。悪事は青年期から。それが映画では限界だと言う訳だ。ハンニバルが頭部に怪我をした故に悪魔的な天才頭脳を得た、とか。絵画の腕は、叔父譲りだとか、父親の双眼鏡を手放さない、とか。微妙なところが映画化のときに抜けていて、物足りなさを感じた。
 第一、日本女性の役を、またも、日本人が演じていない! 原作にある「無礼者!」と叔母が叫ぶシーンを映像で見たかったぞ。
 原作では、かなり歴史を感じる。古城や、爵位とか古都とか。多数の言語とか。映画では少しも感じないのは、さすがに中世が存在しないアメリカ製作の映画だな~と、おかしな感慨を覚えた。
(アメリカには中世が存在しないから、判りえない所がある。日本には中世があるので判る。と言ったのは、リュック・ベッソン監督。そんなことまで思い出してしまった)

 物足りなさを感じつつ、まあ、仕方ない。こんなものか、頑張った方だ、と思ってしまった。
 そこそこの映画である、としか言えないのが残念。
 1作でもこれまでのハンニバルシリーズを観たことのある人ならば、それなりに楽しめるだろう。
 しかし、彼が成長して、あのレクター博士になるとは、思えない。やはり、別物。
 
『羊たちの沈黙』が映画化されると聞いたミステリファン達は、「やめて~~」と叫んだものだ。小説があまりにも素晴らしかったので。だが、映画は成功した。それによって、過去映像化された『レッド・ドラゴン』まで、新たに映画化されたりした。売れそうならば、なんでもかんでも映画にしちゃうって所だね。
『羊たちの沈黙』は、小説が出てから映画になるまで数年を要した。今回はなんとまあ、短いことか。なんかねー、即席ー? って感があるんですが。

 読後、3週間後に映画を観てしまったので、原作の印象が強すぎた。素直に映画だけを楽しめなかった。
『羊たち~』の時は数年たっていて、新たな衝撃を受けることが出来たし、『レッド・ドラゴン』にいたっては、読んだのは20年以上前だってば。。



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