空木マイカのブログ
監督:ロン・ハワード

出演:マイケル・シーン、フランク・ランジェラ、ケヴィン・ベーコン


ウォーターゲート事件で辞任したニクソン大統領の口から真実と謝罪の言葉を

引き出そうとイギリス人の人気司会者がインタビューで立ち向かうというお話。

実話です。


インタビューは「ルール無用の決闘」・・そんな言葉がよく表していたとおり、

このときのインタビューはまるで言葉を使ったボクシングのようだった。


1年半毎日45分のロングインタビューをしてきて、

正直わたしはインタビューというものにやればやるほど難しさを感じていた。

時にそれはインタビュイーとの共同作業であったり、時にそれは決闘だったり。


この映画にもよく表れているのだけれど、

インタビューというのは下準備にものすごく時間がかかる。

それが手ごわい相手であればあるほど。


わたしの場合だと雑誌やネット、ブログあらゆるモノを読み尽くして

一度その人の人生や哲学を全部自分の中に引き受ける。

(映画の場合はそこになかなか手に入れられない資料まで

探して読むのだから相当なもの)


そして、限られた時間の中でどういう質問をすれば、

全体像をできるだけ多く伝えられるのか、

まだ誰も聞いていなかった答えを導けるのか、

ものすごく考える。


それこそ産みの苦しみというか、

自分の中で消化しきれないときは本当に辛いけれど、

その分、「これだー!」という流れが見えたときの快感といったらたまらない。


そんな、インタビューアーにしか味わえない苦しさと興奮が劇中には溢れていた。


見ているこっちまで緊張してしまう。

息を呑む。


男と男の人生を賭けた真剣勝負。

何のために戦うのか。

戦った先には何があるのか。

どんな仕事にも共通してあること。


女のわたしはそれを見ていて少しうらやましさも感じた。