うつ病予防の為に~一銀クリニックブログ「心の処方箋」

平成25年、沖縄タイムスにて好評連載後、書籍化されたメディカルエッセー『心の処方箋』。
その著者、一銀クリニック院長の城間功旬が、うつ病予防の提案として“言葉の力”をお届けします。
皆様の心の悩みを軽くする読むクスリになれば幸いです。


テーマ:
「色メガネ」を調整し、思い込みを書き変えよう

第五話で「心の三層構造」について話しました。
意識が「無意識にある思い込み」に執着しているために、意識はその思い込みの指針に沿って動いている事。
それは操り人形師(思い込み)が人形(意識)を操っている関係であると話しました。
操り人形師が良い人形師なら、何も問題がないのですが、悪い人形師なら、生きづらさを感じたり、心の病になったり、人生までも大きく影響を受ける事もあります。
ですから、悪い操り人形師なら、お役御免にして、良い操り人形師に変えてしまいましょう。

それにはどうすればよいのか、まず「気づく」と言う事が大切です。
気づかなければ何も変える事は出来ません。そのままです。
「第三話」で話しましたが、まず心が揺れ動いた時に、どうして揺れ動いたのかを、自分の心を客観的に観る訓練をする事です。
そして、その時に以下の色メガネが動いていないかチェックしてみてください。
もしありましたら、その「色メガネ」を調整して、以下を参考に「思い込み」を書き換えてみてはいかがでしょうか。

1.人の思惑を気にする色メガネ
「人がどう思うのかの色メガネ」「白黒メガネ」「和メガネ」は、「人がどう思うのか」との判断に価値の基準を置き、それに添って判断するため、大切な「自分がどう思うのか」「正しいか、間違っているか」の判断は抜けてしまう事があるのです。
それを「価値観の外在化」と言います。
自分の外に判断の基準を置いているのです。

例えば、相手がミスをしていると気づいていても、指摘して相手の機嫌を損ねるのが嫌・怖い等で、指摘せずに黙ってそのまま相手のミスを放置し、そこから色々な問題・被害が発生する事もあります。
価値観は、自分の外でなく、自分の中に持ってきて「自分がどう思うのか」と「正しいか・間違っているか」と、価値観を自分の中心にシフトさせましょう。
これを「価値観の内在化」と言います。

そして、正しいと思ったら、自分の思った事を言う練習・自己主張の訓練をしましょう。
「思った事を言えていたら自分は病気にはならなかった」と言う言葉を、これまで数多くの患者さんが言っていました。
その言葉の重さに、こちらも胸が重く感じる事があります。

2.頑張り過ぎる「色メガネ」
「人からほめられたい・人を喜ばせたい」「人のために役に立ちたい」との思いから頑張り過ぎる色メガネは、「百点メガネ」と「一番メガネ」「指導者(リーダー)メガネ」です。
頑張り過ぎて、エネルギーを使いきってしまい、健康に害を及ぼすまでやり過ぎる事もあります。
「自己犠牲」をいとわない事は、人として美徳でありますが、やはりやり過ぎが良くないのです。
「職場の人」からの「有難う」の言葉よりも、「家族、配偶者、子供」からの「有難う」の言葉の方がずーっと大切であると考え方をシフトしましょう。
職場のためにだけでなく、家族のために(自分のために)まずは自分を大切にする事に大前提をシフトさせ、「自己犠牲」にならない仕事の仕方をしましょう。
この色メガネをかけていた人がうつ病から回復した後で言う言葉の多くは「やり過ぎた!」です。

自己犠牲にならないように調整するためには、自分自身の「ストレスの症状への気づき」と「エネルギー残量を管理する事」が大切です。
この事については後々の話で詳述します。

3.自他を批判する「色メガネ」
他者を批判する「他者への粗メガネ」の人は、無意識に「自分はOKである。他者はOKでない(I‘am OK.You are not OK)」があります。
自分を批判する「自分への粗メガネ」は「自分はOKでない。他者はOKである(I‘am not OK.You are OK)」
さらに、自他ともに批判する「自他への粗メガネ」の人は、「自分も他者もOKでない(I‘am not OK.You are not OK)」があります。
いずれも、ストレスが強くなります。
自他共に肯定して、「I‘am OK.You are OK」に書き変えましょう。


このように無意識にある「思い込み」を書き変える事で、操り人形師の色メガネが取れ、世界が変わり、生き易くなる事と思います。

不安の色メガネ、うつ状態の色メガネの書き換えについては、後々の話でお話します。

心の処方箋


イラスト:ウエズタカシ

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