うつ病予防の為に~一銀クリニックブログ「心の処方箋」

平成25年、沖縄タイムスにて好評連載後、書籍化されたメディカルエッセー『心の処方箋』。
その著者、一銀クリニック院長の城間功旬が、うつ病予防の提案として“言葉の力”をお届けします。
皆様の心の悩みを軽くする読むクスリになれば幸いです。


テーマ:
執着をコントロールして、考えの切り替え上手になる魔法の言葉「ナンクルナイサ」

皆さんは「考える事」と「気を病む事」の違いにお気づきだろうか。
その違いは、答えがある事とない事の違いです。
「答えがある」のが「考える事」で、学校の試験の問題を考えたり、晩御飯何食べようかと考える事である。
これらは答えがあるのでそう疲れません(もちろん考え過ぎると疲れますが)。
それに対して、「答えがない」事に捕われている状態を「気を病む」と言います。
「過去の嫌な事」を思い出したり、「先の取り越し苦労」をすることです。
「言った事が悪く思われなかった」とか「先々悪い結果になりはしないか」とかです。
これらは答えがないために、ずっと堂々巡りの思考をしてエネルギーを大量にロスすると同時に、そのマイナス思考が感情を刺激して、「不安」「緊張」「恐怖」「怒り」等でさらにエネルギーをロスするため、うつ病になり易いのです。
ですから、エネルギーをロスしないために自分の頭に今あるのが「考えている事なのか」「気を病んでいる事なのか」どちらなのか、二つを区別する訓練をしましょう。
そして気を病んでいたらすぐに跳ね除けて切り替える事です。
考え事も五分で終えるようにしましょう(五分ルールと言います)。
過ぎ去った嫌な事は、「過去(過ぎ去ったと読みます)は変えられない。これは過去なのだから」とシャッターを降ろしましょう。
先の取り越し苦労は「未来(未だ来ずと読みます)は誰にも解らない。その時になって考えればよい。」と切り替えましょう。
明日の天気すら誰にも解らないのですから。
そして「今に集中」して生活してください。
患者さんから「『気を病む事』と『考える事』の区別をし、切り替えが出来るようになり、生活する事が楽になりました」とよく言われます。

しかし、中には「気を病んでいると解っても切り替えが難しい」と言う方も多くいます。
では、どうしたら、「気を病む事」の切り替えが出来るようになるでしょうか。
私達には「執着」と言うのがあり、これが磁石の磁力のように気になる対象と心を強く結びつけ、深く思いこんで頭から離れない状態を作っているのです。
それは自分にとって大切な事ですから至極当然なことです。
「執着」は決して悪い事ではありませんが、強過ぎると、切り替えがきかずに、エネルギーをロスして、うつ病になりかねないのです。
うつ病にならないためには、やはり「執着」を弱めて適度にコントロールする技術を身につける必要があるのです。

執着を弱めるためには、「考え方」を、一旦大きく傾いた方向から、その反対側に振り戻す必要があるのです。
右側に大きく振れた針を、全く反対の左側に極端に振り戻すのと同じです。
「絶対こうあって欲しくない」というふうに振れた心を、反対側の「なるようにしかならない。考えても仕方のない事(解決しない事)は考えない。出来るだけの努力をすればしぜんとどうにかなって行くだろう!」と全く反対側に振ってしまいましょう。
これを沖縄では「ナンクルナイサ」と言います。
沖縄の知恵を少し使ってみてください。
「ナンクルナイサ」です。

心が「過去」や「未来」に捕われると、今日に生きる事が出来ません。
私達には今日しかなく、今日の事しか出来ないのですから、今日に生きる事が大切なのです。
ちなみに「掟上(おきてがみ)今日子の備忘録」というドラマが好きなのですが、その主人公は記憶が今日しかなくとも生きられるのです。
いや、今日に生きる事以上に大切な事は無いと思います。

頭の中に降り注ぐ流星群のような雑念・妄想は、「執着」により、自分で生み出し、それに自分で悩み苦しんでいる自作自演である事に気づき、執着から離れる事で、流星群が去り、穏やかな心を得られんことを願っています。
「ナンクルナイサ」で、執着による雑念「気を病む」から脱出して、「今に集中」出来る事で、皆様の日々が「日日是好日」となられます事を心から願っています。

心の処方箋

イラスト:ウエズタカシ

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