【バンコク西尾英之】バンコクで10日発生した軍とタクシン首相派組織「反独裁民主戦線」(UDD)との衝突で、ロイター通信の日本人カメラマン、村本博之さん(43)の死因は、左胸から入った実弾が心臓の冠動脈と肺を傷つけたことによる失血死であることが12日、バンコクの警察病院関係者の話でわかった。比較的遠距離から銃撃されたとみられる。またタイ選管は12日、アピシット首相率いる与党・民主党に違法献金が行われたと認定、検察に同党解党を求める告発を行うことを決めた。

 警察病院は同日、衝突で死亡した21人のうち村本さんを含む民間人11人の遺体の司法解剖を実施した。

 病院関係者によると、11人のうち村本さんを含む10人が、自動小銃などから発射される威力の大きい「高速弾」と呼ばれる実弾を受け死亡した。うち1人は1メートルほどの至近距離からの銃撃だったが、他は比較的遠距離からの銃撃という。村本さんを撃ったのが軍兵士かUDD側かは不明という。

 民主党の解党告発については、UDDの強制排除が失敗に終わり、アピシット政権が苦境に陥ったのを受け、選管が急きょタクシン派にすり寄り、反タクシンの民主党に厳しい決定を下したとの見方が出ている。

 民主党の不正献金疑惑は05年の総選挙時、民間企業から約2億6000万バーツ(約7億8000万円)の違法な選挙資金提供を受けたというもの。UDDが選管に調査を申し立てた。

 UDDは今月「調査が不当に引き延ばされている」として選管の建物に押しかけ、早期の処分決定を要求。選管側は「20日までに決める」と答えたとされるが、12日、その期限よりも1週間も早く、解党処分を求めて告発することを決めた。

 民主党に対する解党処分は今後、検察当局の判断を経て憲法裁で審理されるため、処分の最終決定には長期間かかる見通し。現時点で民主党の解党が決まったわけではないが、UDD幹部は12日、占拠中のバンコク繁華街の演壇で「我々の勝利だ」と気勢を上げた。

 アピシット首相は12日、UDDに提案した「年内下院解散」のスケジュールを、「6カ月以内の解散、年内総選挙実施」に繰り上げる検討に入った。しかし勢いづくUDDはあくまで即時解散、総選挙実施を求めて繁華街占拠を継続する構えで、混乱収拾のめどは立っていない。

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