闘うかぁさん、3年日記

闘うかぁさん、3年日記

今年中学生になるアスペ(書字障害あり)の愛息を、二次障碍から守る為、今日もかぁさん走ります。

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息子には寝る時に耳を触る癖があります。
耳は自分の耳でも他人の耳でもいいんですが、
引っ張ったり抓ったり、とにかく痛いので、誰も触らせてくれなくなり
結果、常に自分の耳を触り眠っています。
眠る時以外にも、集中する時、例えば読書する時や、
逆にぼーっとする時など、色々な場面で耳をイジっています。
その為なのか何なのか、いつの頃からか耳が異様に柔らかくなりました。
柔らかくなって何が出来るか?
耳を耳の穴の中にスッポリ入れる事が出来る様になりました。
クルクルっと指に耳を巻き付け、そのままスポッと入れられます。
ある日、息子が大喜びで見せて来ました。
「ママ、見てて!自動に耳が飛び出すよ」
ジッと見ていると、何やら眉や口を必死に動かしています。
そのうちにスポンと耳が耳の穴から飛び出しました。
「自動で耳が飛び出します!」
自動ではないだろう…と心の中でつぶやきながら「すごいね」と話を合わせていると、
「これでギネスに載ろうと思うんだけど」
いや、載らないだろう…それは。
「それだけじゃムリかもしれないよ」
「どうすれば載るかな?」
「手を使わずに耳を耳の穴に入れられたら、きっと載ると思うよ」
「本当?」
目をキラキラさせて、息子の挑戦が始まりました。
ジッと耳に意識を集中したり、表情を変えたり。
「なかなか難しいな」
がんばれ!息子。それが出来たら本当にギネスに載る…かも。
昨日、やっぱりギリギリに帰って来た息子に食事させ、
シャワーを浴びさせてお友達の家へ送って行きました。
翌日も1日遊ぶとの事で、自電車も車に乗せて行ったんですが、
息子の持つヘルメットに唖然。
ヘルメットの下がお花の様に花開いていたんです。
「ね、ね、ね、何それ?」
「ヘルメット」
いや、それはわかる。分かるけど…。
よく見ると、プラスチックが劣化してひび割れ、捲れあがっている。
「いつからこんな?」
「結構前」
確かにこのヘルメットは、息子が3年生の頃から使っているもの。
ちゃんと確認していなかったこっちが悪い、こっちが悪いが。
「何で言わなかったの?」
「大丈夫、問題ない。」
「問題しかないじゃん」
「まだ使えるし」
…ヘルメットとしての機能を完全に失っているのに、まだ使えるって。
「使えない、ぶつかったら直ぐに粉々になる」
「そお?気に入ってるのに…」
納得はしてない様でしたが、中学校で使うヘルメットに無理やり交換させました。
物を大切にするのは良い事ですが、こだわり過ぎは困ります。
そんな息子の特性は理解しているつもりでしたが、詰めが甘かった。
まだまだかあさん、修行が必要です。
私は仕事を持っています。
その仕事は子供の頃からの夢を叶えた、大切な物です。
以前も書きましたが、障害を持った姉と過ごすうちに、自然と憧れた仕事でした。
小さな頃から、ただひたすらに夢を追って掴んだものでした。
その夢だった仕事を、1度だけ手放そうとした時がありました。
息子がアスペルガーの診断を受け、学校でも問題を繰り返していた時です。
毎日の様に呼び出しの電話を受けました。
「暴れています」「いなくなりました」
時差や不定休のある仕事のため、土日休みの方よりは対応できる時間も多くありましたが、
電話に出られなかったり、直ぐに駆けつけられなかったり…。
また、せっかく次の予約が取れそうな病院も、仕事の関係で1ヶ月擦れてしまったり。
すぐに対応が必要な学校からの呼び出しには、実家の両親に頼んだ事も数知れずです。
仕事中の主人に連絡し、駆け付けてもらう事もしょっ中でした。
誰も私を責めず、「無理をするな」と逆に励まされる中で、
私が仕事を辞めれば、全てが丸く収まるのに…と思いました。
子供や周りを犠牲にして働く事は、単なる私の我儘ではないかと考えました。
悩んだ末、主人に相談すると、こんな言葉を掛けられました。
「辞めたければ辞めればいいし、続けたければ続ければいい。どっちにしても、全力でサポートするよ。
でも、辞める理由が⭕️⭕️(息子)にあるなら、もう1度考えて。
いつか、辞めた事を、夢を諦めた事を⭕️⭕️のせいにしてしまう時は来ないか。
⭕️⭕️の所為だと一瞬でも思って、その事でも自分を責める時は来ないか。
両立は大変だけど、楽しいよ。夢を同時に何個も追えるなんて、幸せな事だよ」
本当にそうだな、って素直に思いました。
私は自分の人生の中の最高に大きな夢、希望をたくさん両手に抱えて走っているんだって。
それってすごく幸せな事で、今を最高に楽しまなくちゃいけないなと思いました。
あれもこれもと欲張ると全部が中途半端になってしまう時もあるけど、
私は今に感謝して、目一杯欲張ってやろうと決めました。
今でも忙しさについついへこたれそうになってしまいますが、
今私は最高に幸せなんだと思い直して、がむしゃらに走っています。