月刊ショパン別冊 うたの雑誌『ハンナ』公式ブログ

月刊ショパンに別冊が登場!
声楽・合唱・オペラの雑誌『ハンナ』の公式ブログです。発売情報やうたに関するフレッシュな情報をお届けします。
twitter:@uta_Hanna  公式サイト:http://www.chopin.co.jp/


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7月9日、新国立劇場オペラパレス ホワイエにてオペラ『ミカド』のプレトーク・マチネが開催されました。8月の本公演を間近に控え、演出家と指揮者のおふたりが作品を分かりやすく解説するとともに、歌手の皆さんによる演奏も交え、聴きどころや見どころを紹介しました。

 

『ミカド』は、イギリスの劇作家ウィリアム・S・ギルバートと作曲家アーサー・サリヴァンによるコミック・オペラとして1885年に誕生。当時のイギリスでは、1851年に開かれたロンドン万国博覧会の日本展などの影響で“ジャポニズム(日本趣味)”が流行し、日本をモチーフとしたこの作品は話題となりました。ロンドンにあるサヴォイ劇場で初演されて以来、オリエンタルでコミカルな世界が人気を集め、19世紀のイギリスでは数多く上演されました。

 

作品の解説役を務めたのは、演出家・中村敬一さんと指揮者・園田隆一郎さん。おふたりとも『ミカド』に取り組むのは初めてで、今回を機にじっくりと紐解いてみたと話します。ここで、物語のあらすじをご紹介しましょう。

 

王子ナンキプーは、父ミカドから命じられた年増の貴婦人カティーシャとの結婚から逃れるため家を出て、身分を隠し辻音楽師として可憐な娘ヤムヤムと恋に落ちます。しかし、彼女には婚約者ココがいると知り、絶望する王子。そのとき、死刑執行人であるココにひと月以内に死刑がなければ失職との勅命が下り、ヤムヤムと結婚できるならば死刑にされてもよいと王子が申し出ます。渡りに船とココが承諾して上奏するも、事実を知って激怒するミカドに、ココがすべてを白状。最後は、王子とヤムヤム、カティーシャとココも結ばれ、大団円を迎えます。

 

この作品は、当時のイギリス上流階級を日本に設定して風刺していますが、登場人物が中国風の名前であることからも分かるように、日本人に対する誤解を含んだ内容になっています。「こうした“海外から見た日本”を客観的に見られるようになったわれわれが、今回はさらに“現代の日本”に置き換えてやってみようと考えています」と語るのは、演出だけでなく訳詞も務める中村さん。日本語上演となる今回は、歌詞の中に「天下り・不正請求・オレオレ詐欺・忖度」など、現代人の私たちがハッとさせられる言葉が巧みに使われています。また、王子ナンキプーはストリートミュージシャンをイメージさせる衣装を身にまとい、彼に恋するヤムヤムは夢見る女子高生を設定し、役人の衣装にはヒョウ柄をあしらうなど、現代の日本を意識した演出が随所に施されます。

 

解説の中には、劇中で使われている日本の軍歌「宮さん宮さん」のメロディを、園田さんのピアノ演奏で紹介する場面もありました。明治元年頃に生まれた「宮さん……」は、日本陸軍の創始者と呼ばれる大村益次郎が作曲したと言われています。『ミカド』では、序曲と第二幕のミカドが登場するシーンで使用されており、英語版でも日本語の歌詞で歌われています。この「宮さん……」はオペラ『蝶々夫人』にも旋律が引用されており、当時ヨーロッパの人びとがいかに東洋に興味を持っていたかが窺い知れます。

 

作品の魅力をたっぷり解説した後は、本公演に出演するびわ湖ホール専属声楽科集団「びわ湖ホール声楽アンサンブル」のメンバーである飯嶋幸子さん、島影聖人さん、迎肇聡さんが舞台に登場し、歌声を披露しました。王子ナンキプーのキャラクター通り、若さ溢れる伸びやかな歌声が魅力的なテノール。婚礼を控えた娘ヤムヤムの高鳴る気持ちを、落ち着きのある発音と美しい声で表現するソプラノ。死刑執行人ココの風刺が効いた歌詞を、軽妙に歌い語るバリトン。最後は、ヤムヤム、ナンキプー、ココによるコミカルな演技をつけての三重唱を披露し、聴衆からは笑い声とともに本公演への期待に満ちた拍手が沸き起こりました。

 

出演者よりひとこと

 

飯嶋さん:今回は女子高生という設定なので、幼なさゆえに好奇心がストレートに出る部分をうまく表現したいと思います。また、海外ではデフォルメされる正座やお辞儀など日本ならではの所作を、日本人である私たちがどう演じたら面白くなるかを模索していきたいと思います。

 

島影さん:学生時代、初めて視聴覚室で見た作品が『ミカド』で、その印象が強烈に残っています。日本を描いているけれど、リアルとは違う。そこに面白味を感じる作品です。冒頭に登場する男性合唱アンサンブルも、インパクトがあります。ぜひ、注目してください。

 

迎さん:『ミカド』は、僕たち関西人の真骨頂。崩れた面白さを出していくことが可能な作品です。日本人のイメージである“勤勉・親切”とは全く違うキャラクターで描かれる主人公ミカドが、とても面白いと思います。この作品を通して、“国”の人格の違いを表現できたらと考えています。

 

園田さん:コミカルなイメージが強い作品ですが、楽譜を見ると実に均整の取れた音楽で、作曲技法も高いことがわかります。この美しい音楽を、キャストの皆さんやオーケストラと一緒に端正に作りたいと考えています。

 

中村さん:この作品には、“なるほど”と思わせる面白いものが散りばめられていて、過去によく上演されていた理由も頷けます。2020年には東京オリンピックが開催され、また日本が注目されるでしょう。我々も、海外から見た日本を意識しながら、日本人が作る新たな『ミカド』をお届けしたいと思います。

 

 

■公演日程

2017年8月26日(土)16:00

2017年8月27日(日)14:00

 

■会場

新国立劇場 中劇場

 

■チケット料金

S席 10,800円

A席 8,640円

B席 6,480円

C席 5,400円

 

■キャスト・スタッフ

指揮:園田隆一郎

演出・訳詞:中村敬一

管弦楽:日本センチュリー交響楽団

 

ミカド:松森 治

ナンキプー:二塚直紀

ココ:迎 肇聡

プーバー:竹内直紀

ピシュタッシュ:五島真澄

ヤムヤム:飯嶋幸子

ピッティシング:山際きみ佳

ピープボー:藤村江李奈

カティーシャ:吉川秋穂

 

公演ホームページ:http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/9_009646.html

 

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ハンナ2017年9月号発売中です。
表紙はテノールの岡田尚之さんです。

 

 

「HANNA SPECIAL TALK」では岡田尚之さんと加藤康之さんにお話を伺いました。

おふたりはそれぞれイタリアで研さんを積み、9月にリサイタルを開催します。海外での経験やチャレンジについて興味深いお話をいろいろとお聞きしました。今後の活躍も大変楽しみなおふたりです。


今号の特集1は「フィンランドの音楽~独立100年に寄せて」。

近年、デザイン性の高い雑貨や、ムーミンやサンタクロースといった人気のキャラクターで馴染みの深い国、フィンランド。2017年はフィンランドが独立を果たして100年という大きな年です。フィンランドの音楽をさまざまな角度からご紹介します。

 

特集2は「合唱と家族のカタチ」と題しまして、合唱人100人の方にご協力いただいたアンケート結果を掲載。また子どもと一緒に楽しむ合唱団や、家族コーラスなどを取り上げています。


そしてハンナは6月号よりカラーページが増えました! さらにお値段もいままでよりお求めやすい760円(税込)に!

さらに充実した内容を皆さまにお届けできるよう努めてまいります。

それでは9月号のラインアップをご紹介します。
 
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HANNA SPECIAL TALK29 岡田尚之(テノール)&加藤康之(テノール)

 

特集1 フィンランドの音楽~独立100年に寄せて

フィンランドの音楽史 ■谷口ひろゆき

フィンランドのオペラ黄金時代 ■岡部千栄子

ポリテク男声合唱団による『クッレルヴォ』 ■佐藤 拓

声楽家に聞く ■岡部千栄子 ■谷口艶子 ■井上雅人 ■Yoko Maria

指揮者に聞く ■新田ユリ ■堅田優衣

フィンランドの歌 オススメ7選

映画『ムーミン谷とウィンターワンダーランド』

 

特集2 合唱と家族のカタチ

合唱人100人の家庭と合唱

子どもと一緒に練習に行こう♪

家族コーラス「左座家」インタビュー

協力合唱団演奏会・団員募集情報

 

 

SERIES

世界の街でうたをうたおう♪19 ■竹多倫子 ■竹之内淳子

フレンチバロック・オペラとバレエ 5 ■錦織 舞

第5回 舞台美術展

フィギュアスケートの歌声 7 ■野口美惠

オペラの観かた 29『オルフェオとエウリディーチェ』 ■青島広志

新譜CD紹介

声楽家たちはいま

オペラよりオペラな人びと 29 ■歌劇ラララ

悪女VS聖女 オペラの迷宮 第23話「ブリュンヒルデ」 ■萩谷由喜子

アイテムから読み解くオペラの深い話 17「磁石」 ■中村敬一

僕の人生賛歌備忘録 29 ■松下 耕

名曲で味わう季節 5 ■北中正和

私と童謡 21 ■大庭照子

あなたの合唱団ズバッと辛口お悩み相談室17 ■下司愉宇起

ジャミン・ゼブのしまうま珍道中21 ■jammin’Zeb

聞く目見る耳 11 ■ミック・イタヤ

はじめてのオペラ 6

 

REVIEW

藤原歌劇団共同制作公演『ノルマ』

二期会創立65周年・財団40周年記念公演シリーズ『ばらの騎士』

波多野睦美 朝のコンサートVOL.11 日本語を歌う

戦没学生のメッセージ~戦時下の東京音楽学校・東京美術学校

 

TOPICS

夏目漱石生誕150年記念企画 オペラ『Four Nights of Dream』日本初演

バイエルン国立歌劇場の魅力 ■中 東生

日生劇場で始まり川崎・びわ湖公演へ『ノルマ』 ■河野典子

日本オペラ振興会『ミスター・シンデレラ』沢崎恵美&中井亮一インタビュー

アメリカの歌姫 エンジェル・ブルー 来日 ■松本 學

東京二期会2018/19シーズンラインアップ発表

ひろしまオペラルネッサンス モーツァルトシリーズの幕開け

第11回世界合唱シンポジウム inバルセロナ レポート ■柳嶋耕太

Intermezzo―間奏曲―

 

巻末

 

ハンナ作曲賞 作品募集

読者のホワイエ・4コマ漫画 ■るまゆづみ

バックナンバー

編集部のつぶやき

付録 楽譜 「Finlandia-hynmni」混声・女声・男声

 

 

読者プレゼント 

1.

映画「ソフィア・コッポラの椿姫」試写会招待

5組10名様

 

2.

デビュー10周年Yoko Mariaソプラノチャリティーリサイタル フィンランド独立100周年を祝う ペアチケット&CD「アヴェ・マリア~永遠の愛」

3名様

 

3.

「Choeur Chêne×Combinir di Corista Joint Concert in EAST」CD

1名様

 

2017年9月30日(当日消印有効)

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ハンナはお近くの楽器店や書店、Amazonでもお買い求めいただけます。(店頭にない場合は、お取り寄せもできます)
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ハンナ2017年8月号発売中です。
表紙は作曲家・合唱指揮者の松下耕さんです。

 

 

「HANNA SPECIAL TALK」では4月に「東京国際合唱機構」を立ち上げた松下耕さんにお話を伺いました。

ハンナ創刊時から続く連載でもおなじみの松下さん。8月に毎年開催している「軽井沢国際合唱フェスティバル」、来年からはじまる「東京国際合唱コンクール」などについて楽しいお話をたくさん聞かせていただきました。


今号の特集1は「日本の民謡・盆踊唄」。古くから受け継がれてきた我が国の民謡と盆踊唄について、見つめなおしてみましょう!

 

特集2は「歌手とピアニストの熱いつながり」と題しまして、第一線で活躍するピアニストの方々からたくさんお話を伺いました。


そしてハンナは6月号よりカラーページが増えました! さらにお値段もいままでよりお求めやすい760円(税込)に!

さらに充実した内容を皆さまにお届けできるよう努めてまいります。

それでは8月号のラインアップをご紹介します。
 
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HANNA SPECIAL TALK28 松下 耕(作曲家・合唱指揮者)

 

特集1 日本の民謡・盆踊唄

民謡・盆踊唄全国マップ

橋幸夫インタビュー

日本民謡の合唱編曲 ■佐藤 拓

私と民俗音楽 ■松下 耕

民謡研究会合唱団の取り組み

 

特集2 歌手とピアニストの熱いつながり

佐藤しのぶ&森島英子インタビュー

浅野菜生子インタビュー

前田勝則インタビュー

伴奏ピアニストのための講習会・セミナー

伴奏ピアニストへのお薦めBooks

 

 

SERIES

フレンチバロック・オペラとバレエ 4 ■錦織 舞

マエストロの海外修行2 ■谷 郁 ■柳嶋耕太

フィギュアスケートの歌声 6 ■野口美惠

第4回 舞台美術展

オペラの観かた 28『ポッペアの戴冠』 ■青島広志

新譜CD紹介

声楽家たちはいま

アイテムから読み解くオペラの深い話 16「マント」 ■中村敬一

悪女VS聖女 オペラの迷宮 第22話「ジークリンデ」 ■萩谷由喜子

オペラよりオペラな人びと 28 ■歌劇ラララ

歌い手のためのかんたんセルフケア 6 ■北條加奈

僕の人生賛歌備忘録 28 ■松下 耕

コダーイシステムを紐解く コダーイの考えた音楽教育とは? 6〈最終回〉 ■伊藤直美

名曲で味わう季節 4 ■北中正和

私と童謡 21 ■大庭照子

新・うたのものがたり 7 ■下司愉宇起

聞く目見る耳 10 ■ミック・イタヤ

はじめてのオペラ 5

 

 

REVIEW

新国立劇場『ジークフリート』

NISSAY OPERA 2017『ラ・ボエーム』

ミュンヘン・オペラ・フェスティバル『椿姫』

東京室内歌劇場 スペイン歌曲コンサートVol.3

CARLOS MARIN from IL DIVO IN CONCERT

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第307回定期演奏会

 

TOPICS

アンドレア・バッティストーニ インタビュー

新国立劇場 地域招聘オペラ公演『ミカド』 ■中村敬一

OPERAMANIA2 5人の歌手が語るその魅力

神戸市混声合唱団 秋の定期演奏会

アントネッロ『ポッペアの戴冠』

オペラ『スマイル―いつの日か、ひまわりのように』について ■萩 京子

Intermezzo―間奏曲―

 

巻末

 

ハンナ作曲賞 作品募集

読者のホワイエ・4コマ漫画 ■るまゆづみ

バックナンバー

編集部のつぶやき

付録 楽譜 「おてもやん」女声3部合唱(作曲:十時一夫)

 

 

読者プレゼント 

1.

METライブビューイングアンコール上映 東劇限定ペアチケット

5組10名様

 

2.

幸夫サイン&お茶

2名様

 

3.

楽譜 小山清茂『六つの民謡』

1名様

 

4.

楽譜 間宮芳生『12のインベンション』

1名様

 

5.

楽譜 信長貴富『東北地方の三つの盆唄(混声)』

1名様

 

6.

楽譜 松下 耕『日本の民謡第1集』

1名様

 

7.

書籍「合唱エクササイズ ピアニスト編」

3名様

 

8.

書籍「平原綾香と開く クラシックの扉」

2名様

 

 2017年8月31日(当日消印有効)

 

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