『成長の実感』は遅行指標

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先日、若手の事業責任者と面談していて

「成長スピードの鈍化を感じるんですが知識以外に

何が必要なのでしょうか?」と質問を受けた。






本人には成長意欲もあり、実際に事業の成功を

もとめて悪戦苦闘している最中である彼が、です。






彼に伝えたのは、

経験や知識がそのまま成長につながるわけじゃない。

成長するためにはプロセスが絶対に必要であり、

そしてそのプロセスを経た後、ふとした時に

気づくのが成長。

だから成長してもすぐにその成長を実感できるわけじゃないんだよ、と。







経験値が黒い線だとすると、成長(の実感)は赤い線。

成長(の実感)は経験と違って階段のように実感する

ものだと思う。


















だから成長するためには、経験が必要で経験なくして成長はない。

(ちなみに短期的な結果を追い求めるだけだったら経験は必要ない

こともありますが。。。でもそれって再現性がない。)





重要なのはいかに濃い経験をある特定領域で集中的にやるか。

それによって経験の角度を上げることが出来るし、

成長を実感するまでの期間を短くすることが出来る。






そして事業を立ち上げていく、というプロセスそのものが

実はというか、とっても濃い経験のはず。

そこにどういう問題意識を自分自身もって取り組むかによって

成長スピードは大きく変わります。






若くして事業責任者になるとなかなか自分の課題を

指摘しれくれる人が回りにいなくなりがちで、

自分の課題に気づかないことが多い。

そういう人は謙虚に自分自身を振り返り、歴史や書物、

そして先輩経営者の人の話を聞くということをしてみた

ほうがいいと思う。






事業責任者には自分自身の課題に気づく力があって

初めて自分自身の成長スピードを上げられるのであり、

それがあって事業の成長スピードもあげられるのだから。
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コミットメント

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昨日のECナビの総会の冒頭で「ECナビコミットメント2010」に

ついての話をしました。






というのも2年ほど前の2008年の7月に

「2010年に売上100億円を目指す。」という

コミットメントを発表し、この2年間ずっとこれを掲げて

走ってきました。







その当時、年間売上は37億円程度で、その前期が28億円。

普通に2年後の目標を定めたらせいぜい2年後に50億とか

60億だったかもしれません。

どう実現するか、なんて正直全然見えていませんでしたが、

それでも絶対にいけるはず、という根拠の無い自信があった。

出来ると思ったからこそ、その結果に対して責任を取るとまで

言ってコミットメントとして全社に宣言をしました。








しかし、前期の結果は売上73億円。。。

100億というコミットメントに対して大きくビハインド

する着地となりました。







最後の最後まで何とか達成できないかといろんな方法を

模索してきたけれどやはり難しかった。

これはひとえに本当に僕自身の至らさだと思っています。

いろいろな事業に手を出している中で、自分自身に対して

「それなりにやっているよね」という甘えがあったと思う。

例えばソーシャルゲーム。この流れをもっと早く嗅ぎ取り、

ちゃんと取り組んでいれば十分狙えたし、他にもチャンスは

たくさんあったのにそれらのチャンスに対して適切な

タイミングで適切なボリュームでの投資の意思決定が

出来なかった。

やっている時は十分アクセルを踏んでいると思ったけれど

今振り返ってみるとやはりもっと早くもっと強くアクセルを

踏むべきだったと思うタイミングが何度かあったのに

それが出来なかった。







トップが達成できなかったら責任を取ると言った以上、

この言葉の重さは十分わかっているつもりだったし、

コミットメントとはみんなとの約束でもあると同時に自分との約束。

そして約束には、「責任」がついてまわるもの。

そういう意味でこのコミットメントという言葉を使うにあたっては

僕自身の強い意志と覚悟をもって使ったつもりです。

この言葉を軽くしてしまったら、これは会社の今後にとって

絶対に良くない。

だから今回のコミットメントの未達に対してどう責任を取るか、

ということを責任を取って代表を降りることも含めて真剣に、

本当に真剣に考えてきました。







そうこうするうちに7月に全社を揺るがすような大きな状況の

変化があり、そこへの緊急対応を進めていくなかで

「責任」をとって代表を降りるのは、本来の果たすべき「責任」を

放棄していることなんじゃないか。

「責任」とはうまくいかなくなって「責任を取る」ものではなく、

「責任とは果たす」ものじゃないか。

かっこ悪くても結果に対して真摯に向き合い、結果を受け止め

自らを変えていくことでしかこの責任は果たせないのではと

思うようになりました。









武士に二言はないといいたいし、自分勝手な都合の良い話だし、

本当にかっこ悪いことなんだけど、

今回のコミットメントの結果に対しては批判は覚悟の上で

自らの責任として真摯に受け止め

ECナビを『360°スゴイ』会社にしていくことで

責任を果たしていくことにしたい。







改めて気を引き締め、頑張りたいと思います。
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求心力と遠心力

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事業が成長し、結果として組織が大きくなっていく上で

経営トップとして気にしなければいけないのが全体としての

求心力と遠心力のバランスだと思う。

特に事業部制のように各事業部に権限を委譲していく場合には

ほうっておくと遠心力によりどんどん離れていってしまう。







だからこそ意識しているのはいかにグループ全体としての

意識をもてるようにするか、という求心力となるコア部分を

創ることとそれを維持していくこと。

会社の経営理念の見直しを全社を通じて行うことで共通の価値観、

共通言語を創り出したり、全社イベントやサークル活動支援などを

通じてナナメのコミュニケーションを増やしたり、新卒採用は

一括してコーポレートで行ったりといったことは

全てこういったところに繋がっています。







でも時に悩ましいのは、遠心力と求心力の間に挟まるようなとき。

最近でも子会社で新しくリリースするサービスがあったんだけど

それをどこを主語にしてリリースするか、というところで

ちょっとひと悶着あったみたい。






事業に直接携わっているメンバーからするとその会社の名前で

リリースを出したいし、メディアにも掲載されたい。

一方でコーポレート全体から見ると子会社の名前がまだまだ

認知がされていない中で、親会社であるECナビの名前で

出したほうが記事に載る可能性や大きく掲載される可能性が高い。







こういったときは僕は事業サイドとしては、知名度を上げることより

事業をいかにうまくいかせるか、という視点で考えて欲しい。

利用できるものは何でもうまく活用してやる、ぐらいで。

それに事業が軌道にのっていけば自然と知名度もあがっていくもの。








僕としては求心力を自分という個に依存させることなく、

会社や組織、仲間、カルチャーといったところを

よりどころにしたものにしていきたいと思います。
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そういえばこのところすっかりブログ更新が

滞っていてなかなか近況報告が出来ていませんでした。






CAグループ内においては、サムザップ、サイバーX、

ジークレスト、CAモバイルなどそれぞれのグループ会社で

ソーシャルゲームには取り組んでいますが、改めて

ECナビとしてもここに本気で取り組みたいなと考え

7月にソーシャルゲームを開発する

株式会社unigameを設立しました。







もともと社内の事業プランコンテストで出たペット型の

アバター事業をやろうということで始まったピクミー

社内でやっていたのですが、社内の1事業部でやっていると

なかなかピクミー以外のコンテンツに取り組んだり、

最近のソーシャルゲームの動きについていけていないという

こともあり、他社と比較するとずいぶん遅くなってしまったのですが

7月に別会社として切り出しました。







まだPCでのピクミー以外だとモバゲー版のピクミーしか

リリースできていませんが、10月にいくつか新しいのを

出せるはず。いや、出して欲しい。。。







楽しみです。

自分の原点

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先週、学生団体EDGEさん企画による高校生による

インタビュー企画がECナビでありました。

http://edgeweb.jpn.org/






高校を卒業して気づくともう20年近く経つけれど

実際のところ正直、そんなに高校生のころの意識と

変わってない(はず)。

見た目はだいぶ変わったけど。。。






当日の様子はこちらのustreamから見ていただければと

思うのですが、

http://www.ustream.tv/recorded/9783015






僕としてはもし僕が高校生のころにこういった

大人が周りにいたら自分の人生が変わったかもしれない、

そういう大人になりたいし、そういうきっかけを少しでも

提供できればと考えてインタビューを引き受けました。





でもなんか逆で実は僕のほうが彼らと話をすることで

得られたものが多かったように思います。

特に彼らの初々しさ、真剣なまなざしに触れることで改めて

自らの立ち位置というか、原点を思いだした。






レールの上を走るのは居心地が良いけれど

それでもそれは自分の人生をコントロールしているとはいえない。

そういった気づいていない居心地の良いところから

抜け出してみてはじめて見えるものがある。





現実を直視する。

居心地の良いところから抜け出す。

自分を信じる。

そして前に一歩踏み出す。





うん、これが自分にとっての原点。

忘れないようにしたい。


ネーミングにこだわる

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このところ新制度をたて続けにリリースしました。




・スマートフォンの半額を会社が負担する『三田割り

・新サービスを皆で応援する『山分けs-tanno




これらの名前を決めるときには、そんなことに

そこまでこだわるのか!?ってぐらい

実はネーミングには無茶苦茶こだわっています。

どんなに良い制度であっても社内に浸透して

利用されなければ意味がないわけで。





そして最近、増えてきたのがこういった制度や

仕組みに社内で活躍しているメンバーや

期待しているメンバーの名前を入れるということ。





ちなみに「三田割り」とは、5月に新しく設立した

ジェネシックスの社長である三田さんの名前からとったもの。

スマートフォンを自らがアーリーアダプターとなって

使いこなしていかないと肌感覚ではわからない。

そういう人を社内に増やすことで新会社のスタートアップを

応援していこうというもの。








もひとつの「山分けs-tannno」とは、

ポイント交換のPeX の社長である丹野さんの社内での

愛称が由来です。

こちらも同じく7月に新しく始める予定のサービスの

粗利を全スタッフで山分けしちゃおう!というもの。

うまく広まって売上も伸びればみんながハッピーに

なるというもの。





他にも社内には、ゼットシステムとか、

開発に携わった人の名前がついているシステムが

いくつかあります。





たぶんこれはこの本の影響かもしれない。

Hot Pepperミラクル・ストーリー―リクルート式「楽しい事業」のつくり方/平尾 勇司
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リクルートの秘密がこれでもか!ってぐらい出ている。

噂によるとさすがにこれは出しすぎじゃないかと

リクルート社内でも問題になったというくらいの本。





この中にも社内の仕組みやノウハウなどにそれを

思いついたメンバーの名前をつける、という事例が

のっていた。






会社を創っていく、事業を創っていく、というのは

こういうプロセスに自らがどれだけ関わっているかと

実感できるかどうかってことなんだと思う。





時にはハズすこともあるかもしれないけれど(笑)、

ネーミングにはこれからもこだわっていきたい。
企業にとってどんな事業をやるか、ということも重要だけれど

それらの事業を支えるスタッフ部門をどう位置づけて

戦略的に投資するか、ってのは実はすごーく重要

なのに見過ごされていることが多い。






例えば広報機能。

僕らと同じくらいの規模のベンチャーであれば

専任が一名いるか、いないかだと思う。

ECナビの場合、5年前から広報を強化しようと

考え、専任を置き、ゼロから広報を立ち上げてきた。

そして今では広報で二名専任で置くまでになった。






また他にもデザインの持つ力をもっと経営に反映

させようと、2年くらい前からコーポレートデザイン室という

部署を作り、最初は兼務のデザイナーとディレクターしか

いなかったところに昨年から専任で1名おき、今では

部署を管轄する取締役として、Chief Culture Officer まで

おくようになった。





スタッフ部門への投資は、事業投資と違って

効果が見えづらいけれど、だからこそ中長期でみると

ボディブローのようにきいてくる。

筋肉質な組織でありつつも、でもそういった戦略的な

投資を今後も続けていきたいと思う。

スループットの最大化

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コンサル時代に、仕事とはIPOだって言われたことがある。

といっても株式公開じゃなくてInput Process Outputの略ですが。

どれだけのインプットをしてどれだけのアウトプットを出すか。

システムフローと同じだと教えられた。





その当時はなんとなくわかったつもりになっていたんだけど

ハラ落ちしてなかったんだと思う。

その後、エリヤフ・ゴールドラットの「ザ・ゴール」を読んで

企業の目的はスループットの最大化だ、ということを物語風に

読んで、これまた判った気になっていた。




ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か/エリヤフ ゴールドラット
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ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス/エリヤフ ゴールドラット
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その後、これまたどこで読んだ本か覚えてないんだけど

たぶんラム・チャランのこの本の中にリーダーシップパイプラインの

話があって、これまた判った気になってた。

リーダーを育てる会社 つぶす会社 グロービス選書/ラム・チャラン
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ちなみにこのラム・チャランはこれらを書いた人でもある。

経営は「実行」―明日から結果を出す鉄則/ラリー・ボシディ
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徹底のリーダーシップ/ラム・チャラン
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で、そろそろ本題。

先ほど買い物代行サービスのECナビコンシェルジュ

ミーティングで学生たちと限られた時間をどこに割くか、

それによってどうやって売上を最大化するかという話を

しているときに自然と『パイプライン』という言葉がてきて

ふと気づいた。

こういうのがハラ落ちっていうんだろうな。






改めて自分が気づいたことを自分の言葉にするためにも

twitterにも書いたけれど、やっぱりこういうのはtwitterだけじゃ

まとまりきらない。

やっぱりブログだな。こういう自分の考えをまとめあげるのは。






という訳でまとめ。




事業の目的とはスループットの最大化を図ること。
(社会的な意義とか、そういうのはおいといてね)

スループットの最大化を図るためにはボトルネックを

なくすことが重要。

仕事において自分が担当する領域がどこかはさておき、

事業という観点、顧客という観点で考えた場合にどこが

ボトルネックになっているかを考え、対策をうたないと

結果には結びつかない。






例えばECナビの価格比較サイトのページ。

どんなにSEOで集客してもそのユーザーがちゃんと

購買にまで結びつかないと会社としての結果には結びつかない。

スループットの最大化をするためには、大きな改善をするだけではなく

身近な小さなボトルネックを直していくことが実はすごーく

重要だということ。

これはECナビに限らず、ECサイトや検索エンジンの改善においても

全く同じことが言える。





例えば人材育成。

新規事業を立ち上げられる人材を育てるといっても普通はすぐには

出来ない。だからこそ抜擢を通して一気に事業責任者に引き上げ

業務の中で実際に育成していく。

それがそういうカルチャーを創りだし、次に繋がっていく。






重要なのはまずパイプラインを通すこと。

それがなくして結果は何も出ない。

そしてその後は仕事の中のボトルネックがどこかを

ユーザー視点、顧客視点で見直していくこと。

その上で徐々にパイプラインの穴を大きくしていくことを考える。

一気に開通なんてことは考えない。

焦りたくなるときもあるけれど忘れずに。

備忘録として。

2番手の事業で気をつけること

テーマ:
起業してからいろんな事業をやってきて思うのは

事業として目の前のことをちゃんとやらずに

一足飛びにショートカットして戦略で競合に勝つ

なんてことは出来ない、ということ。






特に2番手につけているような事業では、いかに

1番においつき、追い越すか、ということに目が

むきがち。





でもあまりにそこに囚われると実際に使ってくれる

ユーザーの存在がおざなりになってしまう。

我々はメーカーであり、メーカーとして重要なのは、

まずはちゃんとユーザーにとって価値あるサービスを

作ること。

これが出来ずに、1位のサイトに追いつき、追い越す

なんて絶対に出来ない。







先日、リニューアルを考えている事業部から

次にどういう視点でリニューアルを考えているのか、

というプレゼンがあったんだけど、いかに競合に勝つか、

の視点の前に、いかにユーザーにとって便利なサイトに

するか、という点に絞られていたのはすごく良かった。






しかもリニューアルの際にきちんとユーザーシナリオを

考えて、実際に利用するユーザーがどこでつまづくか、

そういうところまで観察したうえでサイトを作っていた。

そのうえでプレゼンで指摘した部分についても

すぐにデザインの修正にまで手をいれてくる。







まさに僕が求めていたのはそういうサイト。

きちんとユーザーに向き合ってよいものを作るのがまずありき。

これは1月のリニューアルが楽しみです。

もどかしいとき

テーマ:
ECナビの中には子会社も含めて現在、

11の事業があり、それぞれ担当取締役、

事業責任者がいる。






僕としてはCEOとして会社の経営理念に基づき、

中長期の観点からどうやったら会社全体を成長させることが

出来るのか、という全社戦略を考え、それぞれの事業に

ついては出来るだけ口は出さず、任せるようにしています。

とは言え、『任せる』のってほんともどかしくて難しい。







基本的な考えとして、知っている情報が同じで

同じ前提条件に基づけば、ほとんどの課題に

対してのどう解決していくか、という答えは

大きくぶれないはず。







だからこそ今までの暗黙知として認識していた

情報を出来るだけ言語化し、明文化することで

形式知とするようにして、そこに僕との差が

あれば、そこを明らかにしてブレが発生しない

ようにしています。






それでも出てきたやり方や戦略、目標について

ときには、こうしたほうがいいんじゃない?って

思わず言いたくなる。

(というか、時には言っちゃう)






ただ僕として思わず口を出すときというのは、

大概の場合、事業責任者や役員がボトムアップで

ちっちゃな利益を取りにいこうと考えているとき。







事業責任者の限界が事業としての上限になる。

現在、ECナビで取り組んでいる全ての事業には

どれも世界を変えるようなスゴイ可能性を持っていると

僕は本気で思ってます。

それをボトムアップでこじんまりとしたちっちゃな事業で

終わらないよう、事業の可能性を広げて世界を変えるような

スゴイことをやれるよう、僕としてはトップダウンの視点を

事業責任者には求め続けていきたいと思います。