April 26, 2005

キネマの哀愁

テーマ:映画評想
人は一生の内に4つ、大きな過ちを犯す。

という大意があるように私には感じられた。

雄大な森と、湖と静寂に包まれた山寺で

老僧と暮らす一人の少年。

幼年期に業を知らず、

思春期には欲望と執着を覚え、

青年期には人を傷つけ、

壮年期に業を知る(不可逆的な意味では過ちとも言えるとおもう)

しかしどんな傷も苦悩も煩悶も、人間のものである限り、

やり直すことは出来ないからこそ美しいのだ。

ひとの一生の、

青春 朱夏 白秋 玄冬

「春夏秋冬そして春」

色鮮やかな東洋画のように澄んだ景色。

その中で四季の移ろいを人の人生と重ね合わせていく。

その旅路はとても非現実だけれど、かみひとえに現実的だ。

これは三軒茶屋の古い小さな映画館で見た。

「天国への手紙」と続けて観たのだけど、

少し前の映画を2本立てで流すような

古い映画館であるがゆえにシートは硬く、

見終わったころはすっかりお尻が痛かったけれどそれすらも

醍醐味みたいに思えた。

映画館にも一生、というものがあるなら

こちらはもう玄冬だろうか?

ロビーにあるレトロともなんとも言えないような灰皿や

壊れかけた券売機、日が入らないせいかすこしかび臭い雰囲気も、

それでいて高い天井も居心地がいい。

こういう所がすごく賑わっていた時代もあったんだろうな、と想像する。

そんな時代の名残だけ残した映画館で、現代の映画を見るのは、

言いようのない不思議な気分だ。

アクオスで昭和の漫才番組とかを観ているような感じだろうか。

いやいや

デジタルハイビジョンの横長フラット大画面から

のいる・こいるの掛け合いなんかが流れてきたら

ノスタルジーもなにもあったものじゃないだろうな。

融合すればいいってわけでもないようだ。

「春夏秋冬そして春」も「天国への手紙」も、この映画館で流されることに

旨く溶けていた。

おとうちゃん、知ってた?

三茶にもあるんだよ!

(しかも向かいにもう一軒)


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April 19, 2005

コーヒーと煙草の必然性

テーマ:映画評想

fugyjg

 

 COFFEE&CIGARETTSを観た。

カフェを舞台に繰り広げられる、11本のショート・フィルムから成るリラックスムービー。

そのどれにも、コーヒーと煙草が必然的に登場する。

 

カメラが固定されているのかと思うくらい、

被写体との距離(何ていうんだろう?わからないけど)

が終始一定なので、まるで同じカフェの少し離れた席から

その登場人物たちのさまざまなやりとりを眺めているような気分になれる。

 

                                                   ware                   

 

今もコーヒーを飲み煙草を吸いつつこれを書いてます。

コーヒーと煙草の取り持つ人と人との間。

どんな場面にもコーヒーと煙草を添えるだけで、

少しだけ詩的に、あるいはコミカルに、はたまたドラマティックになる

というジャームッシュの視点に共感。

どうということのない風景だからこそ、噛めば噛むほど、的な味わいのある11本。

 

 

 

 

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March 07, 2005

ふたりが老いても

テーマ:映画評想
「君に読む物語」

アメリカ南部のある療養施設に、
初老の女性がひとり暮らしている。
彼女は痴呆により、過去の想い出を全て
なくしてしまっている。

そんな彼女のもとに、
デュークと名乗る男が
物語を読み聞かせに来るようになる。
昔アメリカ南部の小さな町で、
ある夏に出会った若い男性と女性の恋の物語だ。


そして物語はその2人が出逢った過去へと遡る。
ノアは町の材木置き場で働く、いわば下級層。
アリーはひと夏の休暇を過ごすためその町を訪れた、良家の子女。
ともすればどこにでもありそうな、
身分という壁に隔てられた恋の話だけれど
何年もの歳月を凝縮し、その中の局面が切り取られ描かれているからか
既視感はなく、新鮮な感覚でその展開を見守れる。
そしてそれを聴く初老の女性と、デュークとの物語。
2つがリンクしていく。

古き良きアメリカ南部の匂いだとか、
方や移ろい、方やもがきながらも貫かれる気持ち。
父と息子、母と娘、
年老いた夫婦の際限のない愛
(自分が老いても夫をあんなふうに愛せるだろうか?)
そこに隠れる苦悶、
水面も空も見渡す限り赤く染まった、雄大な湖畔から望む夕日の情景。
(これを見られただけでも劇場に行った価値があった)

善も哀も純も、きれいなものがちゃんときれいに描かれていて、
素直に涙させられる。







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January 31, 2005

sleepless night

テーマ:映画評想


「東京タワー」を観てきました。

江國香織さん原作で、
東京を舞台に
二人の少年「透」(岡田准一)と「耕二」(松本潤)と、
彼らの年上の恋人を描いた物語です。



描かれている「純愛」の本質は変らないですが、
原作を読んでしまった人がもし観るなら、
これはまったくべつの物語だと思って観ることを強く勧めます。
原作のあるものにおいては、
これはしょうがない事なのかもしれませんが(それにしても・・・)


でもそう思って観ると、少なくとも悪い映画ではない、と思います。
まず映像が綺麗!魅せられる。
そして音楽がいい!溝口肇さんが奏でる、
その美しい映像に溶けて吸い込まれてくような甘くて柔らかい音楽。
キャラクターやストーリーは原作とは全く別物になっているけれど、
そういう画や音楽が作り出す雰囲気には、
江國さんの描いた空気の残り香が漂っていたような気がします。

青い東京タワーにはちょっとやられました。キレイ。


「人は空気で惹かれあう。
 その人が周りに放っている空気。
 そういう動物的なものを、私は信じているの。」


もし観るのなら、六本木ヒルズで観ない手は無いですよ。
どんなにベタ過ぎると言われようと。


久々の一枚。
ここもベタに。

「Feels like home」/NORAH JONES
日本版のボーナストラックに入っている
「sleepless night」が提供されています。
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