【ニューヨーク加藤小夜】ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、日本など42カ国は11日(現地時間)、「核兵器のない世界を実現するため、軍縮・不拡散教育が欠かせない」とする共同声明を出した。核兵器使用による悲惨な結果について子どもたちの認識を高めることなど、核軍縮教育の充実をうたっている。核保有国ではロシアが賛同した。

 声明は、日本が各国に呼び掛けた。賛同国はオーストラリア、エジプト、スウェーデンなど。日本の須田明夫軍縮大使は、この日開かれた核軍縮を議論する委員会で、「核なき世界に向け、最終文書に教育が実効的な手段であることが盛り込まれるよう加盟国に働きかける」と訴えた。

 賛同したインドネシアの外交官、ルディアド氏は声明発表後、「核のない世界に向け、被爆がどれほど苦しくひどいものか、子どもたちに伝えることは意味がある」と話した。ロシアの外務官僚も「安全保障問題を理解するのに教育はとても重要だ」と述べた。

 米国が賛同しなかったことについて、須田大使は「米国には(原爆被害を訴えることについて)微妙な問題もあるだろう。ただ、日本のイニシアチブを基本的に評価していると思う」と話した。

 一方、再検討会議に合わせて渡米している長崎の被爆者で日本被団協事務局次長の木戸季市さん(70)は「ロシアが賛同したことは評価できる。ただ、唯一の被爆国として、日本政府には核の傘や核抑止の問題にもっと切り込んでほしい」と注文をつけた。

 会議に先立ち、日本政府は国連大学と共同で、市民社会と協力して軍縮・不拡散教育を促進することや、高齢化する被爆者の証言をデジタル技術を使って次世代に伝えることなどを提案する作業文書を提出している。

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