豆腐就活

テーマ:
考えても考えても答えが出ない
けれど考えなければ何にもならない
まさに闇雲の中に手を突っ込んでいるような
理想と現実の間で窒息してしまいそうな

失敗続きの20代
自信も何もなくて、突っつかれただけで崩れてしまう
私の心は形すら保てないグズグズの豆腐みたい

言葉で自分を見直したら、何もなかった
振り返れば私の過去はゴミ屑同然くだらなかった
こんな話を聞いてくれそうな友人もいなかった
だから今は、前だけ見ていないと、歩けない

人生のバカンスは
いつか来る終わりの時を待つように
時間も金も贅沢に使ってなんぼ、そういうものだろ?
意地とかプライドとか脱ぎ捨てたら、本当に何もなかったんだ
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HANABI

テーマ:
好きを持て余して
今このうたをきいています
思い描けば思い描くほどに
あなたは知らない人になってゆく

さくらのきれいに咲く季節です
車がとおりすぎたそばを
はらりと舞い上がって
どこにゆくのでしょうかね

電車に乗って遠くに出かけましょう
きいてほしい話がたくさんあるから

色とりどりに咲いては散る
花火のように泣く
春が過ぎゆく中、あなた
あなた、と書き残して
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散文

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雨が涙を少し残して去った後
生温い風のにおい
また春を積み重ねて
いつの間にか大人になんかなって

“新しい今の暮らしは愛おしいものです”
誰にどう説明すればいいのかも分からず
切なげな歌にひたすら同調して
今日もこの坂道を上って帰ってきたよ

星と星を繋ぐ距離は変わらないまま
問いかけるように
煙草に火をつけるたびにあなたのことを考えて
オレンジ色に揺れる炎みたいに

空気がひとつ形作り
眠りに就く前に
胸元にキスをくれる
温かな理想を抱いたまま

晴れますように
次に会えたときはもっと笑顔でいれますように
それまでいい子で待っていられたら
晴れますように
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拝啓、青空

テーマ:


四月のよく晴れた日
教室の窓際の席で頬杖をつきながら
虚ろなその目にさす光は
誰かが悪戯に映した空

悲しい影を落とした睫毛を縁取る萌黄
かたく結ばれた唇に新しい桜色
そのバックグラウンドに
切り取って貼付けるよ、空色

電車に乗って、遠くの街まで
あなたの知らない街まで
もう一人になる準備はできたかな
顔をあげれば、窓の向こう側は

拝啓、あの青空
あなたも見ていますか
もう確かめる術はないけれど
きっと笑っていられるように

やわらかな風が
まぶたを優しく撫でて
奪った熱をあなたに届けて
元気にやってるよと、この手紙を

情けない

テーマ:


記憶の中でのあたしは
いつも彼の服の裾を掴んで
行かないで、って涙ぐんで見つめていた
彼は少し困ったような表情で
でも最後には微笑んで
あたしの頭を撫でてくれていたよね
そうやって小さくて情けないあたしを
笑って許してくれていた
しょうがない奴だなって言いながら
抱きしめてくれていた

だけど今はもう思い出せないよ
彼が誰だったのかすら

ただ今も、何度でも求めてしまう
抱きしめてくれた強い腕の温度を思い出そうとする

だけどわかってしまうんだ
どうせ離れていっちゃうんでしょう
あなたは優しいから
あたしの泣き顔が苦手なんだね

また思わず手を伸ばそうとするけど
さすがに躊躇ってしまうよ

ねぇだから、どうか気付いて
あたしの淋しさに
振り向いてくれることを期待しながら
もう何も言えないよ

本当は躊躇いがちなこの手を取って
笑って応えて欲しいよ、もう一度だけ

こんなあたしを笑って
好きだと言って欲しいよ

不知火

テーマ:
最初から最後まで中途半端なくせに
来年のクリスマスの話なんかしてしまったから
たったそれだけのことで切なくなるのをどうせ知らないから
今、どうしているのかな、なんて、考えたり伝えようとしたりするのは
君がするべきことじゃないんだ

覚えの日常

テーマ:
急にコーラが飲みたくなったと君が言うから
雨の中、傘もささずに
近所のコインパーキングにある自販機まで
一緒に走った

それだけでただなんか笑えてたんだ

湿った煙草の先

久しぶりの強い口当たり
朝まで残った、気の抜けたコーラ

僕はまだ傘のひとつすら持たずに
この部屋で一人生活を続けてるよ

君の靴下はベランダにほったらかされて今も雨に濡れている
君のピンクの歯ブラシは水気を失って黄ばんできている

せめていなくなるのなら
思い出も一緒に引き取ってはくれないか
好きだよ、という言葉も過去形にするなりして撤回してくれないか
何も言わずにいなくなるなんて、君はいつもずるい

雨に濡らされた黒いアスファルトを辿り
風が生まれる場所にやがて続く
今日もここで呼ぶのを躊躇って
バイクのエンジン音なんかに、いちいち振り向くよ

君がいつ帰ってきてもいいように
郵便ポストに鍵を隠したままで

僕は今も


だけど雨がまた上がれば
容赦なく春が近づいてくるみたいで

それなのに、僕は今も

恋人ごっこ。

テーマ:
会いにきて。そう言ってねだるのはもうやめよう。
連絡がくるのを待っているのにも疲れたら
きっとそのうち、忘れられるはず。
でも、今夜この淋しさを抱えたまま一人で眠れない。

たとえ私にとってあなたがかけがえのない存在だとしても
あなたにとって私はたくさんあるうちのたったひとつだから。

もうどうしたらいいのかわからないよ。
後には退けないし、前にも進めない。

頭の中を駆け巡る、遠い過去の悲しいことも
つい昨日あった悲しいことも
かつて信じていた幸せも、期待も
何が嘘で何が本当か、わからない。わかりたくない。

あなたの傍で、たくさん笑った私
たくさん泣いた私
怒った私、すねたり甘えたりした私
もう全部ただの夢か何かだと思って

大好きだったんだよ、本当に
そう言って去ってくれれば、いいよ。

春の嵐

テーマ:
春の息づき
雨の混じった強い風がさっと吹いて
熱も涙も消し去ってくれる
喉元と胸を行き来する
この声ももう忘れられたんだ
張り裂けるように泣くんだね、春は
そうして待ち人との記憶を霞ませているのでしょ
薄桃色の靄が晴れた頃には
笑っているのかな、二人、それぞれ別の日常で
そんな悲しい話すら、思い出すことなく

スイーツと乙女

テーマ:
宝石みたいにきらきら輝く赤い果実
刻一刻ととろけていくチョコレート
香ばしい香りのバターもカラメルも
今だけはあたしを置いてきぼりにして
なだれ落ちる髪がどうしようもなく悲しくさせるんだ

色とりどりの光の反射
眩しい水色、紫、赤、みどり
そして透明の見えない涙の通り道に
白い頬を人知れず帰っていく
こんなところでは泣くわけにはいかないから
ウォータープルーフで塗りたくったドールアイ
憂鬱そうなまばたきのたびに零れそうになる
誰にも聞かせられないこの弱音が本音だよ

窓のないここから空は見えない
今、雨が降っているのか、陽射しはあるのか
もう夜はすぐそこまで来ているのか
星空はどこに、真昼の次は東に西に

全て愛おしさの中で眠れない夜に見る記憶のように
粉々に砕けてもなお光り、その存在を主張する

どこまでも透明な瞳の奥
甘くささやく記憶と憂鬱な光
もうすぐ春がやってくるなんて
まるでお伽話みたいに、現実味がないよ