フラクタル

テーマ:
空が堪え切れずにこぼしてしまった
たくさんの悲しみのせいで
街は白く煙って
まるで朝など二度と来ないかのように

それでもまた月曜日が来て
やるせ無さを抱えたまま

だけど今日は出かけなくていいから
淋しいはずなのになんだか優しいよ
ちょっとだけ意地の悪い優越感
“明日を塗り潰すフラクタル”
AD

雪と汗

テーマ:
雪が降り積もるだけで
街中から静けさが聞こえてくるのはどうして

昨日通り過ぎた雨が
夜明け前にはすっかり凍りついて
ただ触れている胸の中心だけが溶けて
そこに雫を落とした

ふやけた皮膚が剥がれてしまう
言葉にして表せない
居心地の悪さを覚えて
切り落とした断面がどうしようもなく寒い

今夜も噛み締めるように
何度でもなぞるあなたとの思い出
止め処なく流れ出す体温が
首筋の汗が鬱陶しかった

次の朝目覚めた時には何もない
閉じた目蓋を縁取る睫毛もあの温もりも
雪が溶けて水になるように
すべて幻に思えるだろう

身体の中を流れる雫に
この冬に決着をつける時が来た
この雨が上がる頃には
春が目覚めるのだから




AD

明日も仕事。

テーマ:
働いた日の方が家事とか生活のことちゃんと出来る気がする
働いた日の方が飯が美味い
働いた日の方がよく眠れる
肩や首筋にがっしりとのしかかる疲労感がベッドに沈み込み
なんだかんだ言って仕事が好きなのかな
だけど友達もあんまりいないし
歳も取っていくから
このままじゃいられないよね
だったら生活を変えるのは今なのかな
なんだか時々無性に悲しくなるんだよ
彼に電話したくなるんだよ
それで一通り話を聞いてもらった後にいつも突き放すようなこと言っちゃう
好きだと、心から言ったわけだけど、キスやセックスはする気にはなれない
誰とも一緒に生活したくない
一人の暮らしがあって、猫がいて、ある程度お金があって、他に何もいらない
映画と音楽と本だけが今の愉しみ
それを例えば、淋しいとか言っちゃう?
また、もう、春が来るのになぁ
早く、はやく、って思うけど、大した意味はないんだよな…
もう一本、煙草を吸って寝るよ。明日も仕事。
AD

大人だもん。

テーマ:
生きることを与えられる
そんな生き方はもうしない

ここにはもう誰一人だっていないさ
恋に恋したりなんかしないさ

前に進もうと思えば
ゴミだってたくさん出してしまうだろう

ホメオスタシス

テーマ:


例えば明日すべてが始まるのなら
一向に動き出さない今日この日だって
少なからず惜しいと思ったりするのだろう

毎日同じことを繰り返す
少しだけ抵抗もしてみる
だけど毎日同じことを繰り返す
今を変えようとする力で
バランスを保とうとする

叶わない望みを言ってみたりもする
だけど叶うかも知れないと考えたりもする
そして今日が終わる頃に
気付いたりするんだ

これからも毎日同じ身体を使って生きていく
だけど変わらないものはない
今を変えようとする力で
バランスを保とうとする、その中で

思い出

テーマ:
衣擦れの音
骨の軋む音
闇を切る
横たわる川の光

あなたが生きている街

やっとの思いで絞り出した
「痛い」という私の言葉は
眠りの渦の中へ
落ちる

私から目をそらした
あなたの瞳の奥に問う

もう二度と

それでも愛した
思い出にした
何故に触れた
伝わらなかった

やっとの思いで絞り出した
また会えると思っていたのに

大人

テーマ:
良い意味で、悪い意味で、大人になったと感じる
一人住まいの家に帰ってきては、最低限の家事をしばく
一人でいるのがごく当たり前だ
そんな私でもいつか、何の疑問もなく一緒に生きられる誰かと出会う日が来るだろうか
いつか、煙草をやめたいと思う日が来るだろうか

限りなく自由な音楽の世界
生きにくい世の中
会いたい人
切ない表情をして、いくね
一緒にって、嘘ついて
温かい気遣いを交わし合う
でもふと見下ろせば、結局いつも一人じゃないか
いつからか、それが当たり前になったんだ
何も気しないと、決めたんだ
すれ違うだけで、簡単に傷ついてしまうんだからさ