米粒

テーマ:
あたしの頭ん中
ほんと悲しいくらいにすっからかんで
他人とすれ違いざまに甘ったれ、なんて言われても仕方がない
寝ることと食べることと歌うことと人並みの性欲
好きな人に好かれ、撫でられること
あとは家族が何も不自由なく幸せに暮らしてたらいいなって思うくらい
犬猫畜生と同じレベルだ
しょうもない
どこにもやり場のない苛立ちとか無性に愛おしくて仕方ない気持ちとか淋しさとか
そういう人間くさい感情の一切を言葉にできずに余計に苛立って虚しくなって
どんどん何も言えなくなって
気がつけばどうしようもなくって一人で小さく歌を歌っているだけだった
誰も聞いていないのに
誰も
聞いてくれる人が誰かいるのか
しょうもない人間の歌を

何もかも夢の中みたい
目が覚めたら中学校の保健室で寝ていた、なんてことも有り得るかも知れない
けれど何度目が覚めても今現在流れている時間が現実で
やっぱり気がつけば歌っている
当たり障りのない毎日
確かに自分が選んだ運命
いつでも生きることに夢中で
あるいはそれを
時に情熱と呼んだりするのか
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歌姫について

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星と星を繋いで 一本の波を紡ぐ

泣きたくなるような事ばかりの毎日を
もう一度夢で描き直す泣き虫のうた

まばたきの度に変わる瞳の色で
泣かない代わりに音をちょうだい

伝えたくて言葉をつづれば
こぼれてくるのは弱音ばかりだから
もう何も言わないでただ歌って

言葉はいらない
確かなものなんて何もない
声さえあれば涙は流れる
歌姫 貴女はずるい生き方を選ぶのね
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花落つること知りぬ多少ぞ

テーマ:
四月のある日降った冷たい雨の後で
桜の花びらはもうほとんど散ってしまって
アスファルトの端を桜色に染めた
汚れを知らないというようなまさに純白の上に
ほんのわずかで消えそうなピンク色
かすかに残った花の香
水溜まりに映るはかない色を
しっかりと踏んでそれでも前に進もうとする
季節は変わり、人も歳を取るから
茶色く変色して泥だらけになった後は
どうやって土に還るのだろうか
混沌とした季節と季節のあいだに私は立っていて
花びらの色と同じ
萎びていく
泥の中でさえ美しくて
悲しくてもいいから求められたかった
どうしようもなく見上げた先に揺れる若葉
反転し抜けるように青い空に
歌いたくて切ない気持ちのまま
また雨が来るまで
若葉の君に手を振ろう

ライヴがしたいな。

テーマ:
真っ赤な色した大きな花を長い髪に飾って
真っ白なライトを真っ直ぐに見つめる
まだ少し乾かない睫毛がきらり瞬いて
今にも崩れ落ちそうなバランスで
ちぎれそうな手を伸ばす
泣き伏せてうずくまる
生きるちからがそこにはある

音の渦中で
光を聞かせて
見上げれば終わりを見たこともない…
延々と繰り返す朝と夜に途方に暮れては小さく歌う
それくらいどうしようもない生き死になど
いつも空があるから私は歌っていられた

上空千フィートの蓮華畑で奏でるシューベルト
おたまじゃくしをすくったり、本を開いたりそれを絵の具で塗り潰したり
けれど嘆くような声で
咎められるの、私は黙って聞いている

誰かが吹く風にも色をつけたんだ
引っ張れば長い一本の糸のように

本当は私はと口を開く前に
掲げられている事実
誰だっていつも強くいられない
それでも強くならなくちゃ

本当は私はと口をついて出た
ただこれは周知の事実で
本当は私はくだらない馬鹿な人間
本当は私は救いようのないくらい弱くてだめな人間

知っているのと
空を見上げ、呟いた
そして小さく歌う
陽気で明るい旋律の、その意味も知らずに
あたしは何もわからず、ただ捨て去られるのが悲しくてニャーニャー鳴いてるだけの捨て猫。
少年がどんな気持ちでもう一度猫が捨てられていた場所に戻ってきたのか
母親がどんな事情で、どんな気持ちで飼えないから捨ててきなさいと少年に言ったのか
あたしは多分わかってない。わかりたくない。
ただ悲しいだけで鳴いて、その場に立ち尽くすだけ。
そして生まれてきたことを後悔するか、あるいは少年と出会えたことに感謝しながら死んでいくか。
どっちにしろ惨めに死んでいくんだな。
少年が母親に隠れてベットの下で猫を飼ったとしてもいずれ破綻する。幸せになれない。
あたしは少年に詫びなければ。
全ては、あの日道端で猫を見つけなければ…。
いつか少年がその猫を忘れ、大人になるとしても。
伝えたいことがある。
ありがとう。愛してくれて。

恋愛麻痺

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わかってもらいたいって思えば思うほど傷つけてしまったり傷ついたりするから、もう何も言いたくない。
ただ一緒にいてるだけで幸せなのに、言葉を交わそうものなら噛み合わないことばっかりで、疲れるね。
なら、別れた方がいいのかもね。冷静になって考えるとそれが確かなんだけど、気持ちがいうこと聞かない。
君の髪とか腕とか首筋とかの輪郭や匂いがどうしても忘れられる気がしなくて、あたしは君の声を聞くだけで幸せだった。
君の傍にいて夏を乗り越えて秋を過ごして、冬を見て、もう一度春に触れてみたかった。
言葉にすると月並みに聞こえるかも知れないけど、理屈とか関係なしに好き過ぎてどうしようもないの。
あたしは君が傍にいないときは傍に行きたいと思うし、君が傍にいるときは離れたくないって思うけど。
君はそうじゃないんだよね。それなら仕方がない。
その仕方がないことこそどうしようもなく淋しい。
もうあたしの機嫌取る為なんかに笑わなくていいよ。あたしのこと見て、純粋に愛しいって気持ちだけで笑っていてくれたらあたしはそれで幸せ。
理屈とか意地とか全部忘れて子供みたいにもう一回傍で笑っていたい。
だけど実際今は純粋に愛しいって気持ちだけで泣いてる。
どうしようもないしわけわかんないしとにかく疲れた。
本当はこんなことが言いたいんじゃなかった。
でもあたしは今まで一緒にいて幸せだったからこれからも一緒にいたいんだと思う。
疲れた。君のこと考え過ぎて。
考えても考えても答えなんて出てこないし。

疲れた、なんて

こんな夜に口をついて出る言葉にいちいちうんざりする

言葉にするのも面倒くさい気持ち

けれどいつも残された最後の手段はやっぱり、言葉なのか

心や身体を限界ぎりぎりまで引きずって何とかやりくりする生活に

何か意味なんかあったっけ

いいじゃないか

したいようにして生きれば

社会生活の型にはまってクソ真面目に生きた結果

何もかもに嫌気が差して人を7人も殺してしまった奴だっているんだ

大抵の奴が、あんな奴と自分とは違うって考えてる

いいじゃないか

どうせ壊れるなら

最後まで自分を大事にしてやれば

手首を切ってもいいことなんか何も無いって気付いた後も

無感情に、そっとその部分を撫でてみる

ほら、もう綺麗に消えたから、笑って、お願いだから

疲れた、なんて

呟くのは意識の下

伸びきって弛んだような自律神経で

本当はぷつり、糸が切れるように人生が終わってしまえばいい、なんて

とにかく肌を包む温もり、柔らかさで

自分を甘やかし眠りに落ちる

目覚めた朝は蒼白い窓辺から

夜に終わりはあるのに、なんで朝には終わりがないんだろう、なんてぼんやり思った

つい24時間前までは一緒にいたのに

離れれば会いたいと思ってる

あたしはどうせバカな女

愛と恋

テーマ:
真夜中、一人うずくまって
恋の唄をうたいながら
あなたを忘れる準備をする
心をこめて、今
空気を吸う
あなたではない空気を
あたしはあなた無しで生きられないわけじゃなく
けれど単純にあなたの匂いや温度や声が手放せなかった
あなたの無い空気を吸い、あなたの無い眠りを
あなたの知らない恋の唄をうたう私を
今夜静かに降り注ぐ
記憶の雨は
もうすぐ夏が来る
匂い
あなたの知らないあなたの匂い