2008年10月19日(日)

みなさん本当に本当にありがとう。

テーマ:保護観察

 23時過ぎに、保護司の家に行きました。

 大晦日でもあるまいし、老人に夜更けまで起きていてもらうのは気が引けたのですが、私がそう希望したのです。

 

 よもやま話に花が咲きました。

 2週間に1回保護司と面接しなくてもよくなる「仮解除」が、結局私の場合なかったというと、「成年の場合はまずない」という話でした。

 少年刑務所から出てきた少年の場合には、3ヶ月くらいで解除になるということでしたが…。

 

 途中で、ご亭主がトイレに起きてきました。

 「ご挨拶したい」と言うと、保護司が「お父さん」と呼び止めてくれて、ご亭主は私の正面にパジャマ姿で座りました。

 いろいろお世話になりました、と頭を下げると、「まぁ本人の力だと思うよ」と言ってくださいました。

 「1人ではここまで来られなかったと思います。いろいろと先生(私は保護司をそう呼びます)に、事あるごとに話を聞いていただけたから…」と言うと、「あなたは真面目だからきっとこの先はだいじょうぶだと思う。強く生きていって」と、静かに言われました。

 はい、と返事をすると、「じゃあ」と77歳のご亭主は、寝に戻って行かれました。

 

 23時55分になり、NHKテレビをつけました。

 時報を見るためです。

 

 2人とも黙りがちになり、所在なくテレビを見つめていました。

 手元の電波時計に目を落とすと、2分前。

 

 4年前、勾留されていた警察署を釈放されて挨拶に戻ったとき、再任用されて留置場係をしていたオッサンに、「4年もつかぁ?」と笑いながら言われたことを思い出して、もったよオッサン、と毒づきました。

 

 やがて番組が静かにフェードアウトして、画面が切り替わり、ニュースが始まり……。

 アナウンサー。

 「日付が変わり、○日になりました。ニュースをお伝えします」

 

 私は1つ、静かなため息をつきました。

 保護司は一言、「おめでとう」と言いました。

 

 少しだけ話をして、すぐに席を立ちました。

 翌日の仕事に障るからです。

 

 ガラガラと玄関の引き戸を開け、保護司に向き直り、「ありがとうございました」と頭を下げました。

 保護司は、いつもと違う一言を言いました。


 「もう、自由なのよ」と。

 

 静まり返った夜道に自転車をこぎながら、「自由」の意味について、考えました。

 俺にとっての自由とは、何だろう?

 

 「2週間に1度」の面接を、受けなくてよくなったこと。

 「遵守事項」を守らなくてよくなったこと。すなわち善行を保持しなくてよくなったこと、いやこれは違うな。

 1ヶ月以上家を空けるときに、保護観察所の長に届けなくてもよくなったこと。

 「心理的な引け目」が、いくぶん緩和されたかもしれない。

 

 そんなことを考えながら家に着いたときには、4年前には分かっていなかったことを、深く実感できていました。

 自由と責任は常にセットである、ということです。

 

 家に帰って寝るときにも、翌朝起きて仕事に行くときにも、帰ってきてからも、数日が過ぎてからも。

 取り立てて、私の心境に変化はありません。

 過去からの道を、引き続きゆっくりと、未来へと歩いていくだけで。

 ただこの4年間、逮捕勾留期間を含めれば、5年近い時間で学んだことを、少しでも生かせたらいいなと思いました。

 

 これで「監獄☆日記」は、やっと終結です。

 読んでくれた皆さん、あたたかいコメントを寄せてくださった方々、

 本当に本当に、ありがとうございました。

 

 心残りは……。

 ビッグダディの評論ができなくなることかな(笑)

 

 私は、がんばって生きていきます。

 皆様にも、よきことが雪崩のごとく押し寄せますように。

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コメント

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1 ■おめでとうございます

4年もの長い間、本当にお疲れ様でした。まずはおめでとうございます。
前科をもった状態でこの世の中を生きていくことは、とても大変なことなのだと思います。しかし真面目にきちんと生活している大勢の人たちがいるからこそ、世の中は成り立っているのですよね。

名もなき人の平凡な(ように見える)人生にも、数多くのドラマがあり、それぞれの歴史があるのだということを、最近深く思うようになりました。歴史を作っているのは、何も教科書にでてくる有名人だけではない。わたしたちのような一介の市民が寄り集まって、歴史の大きな流れを作っているのだ・・・と。

私は、とりあえず今はまだ逮捕されたことはありません。でも、この先人生で何が起こるかはわかりませんから、もしかしたら留置場に入る日がくるのかもしれません。そうならないように努力しますが、もし、もしものことがあったら、ここのサイトに書いてある日記を参考にして生活します。

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