手作り作家makiちゃんが悪魔の塔に紛れ込んだ物語

神さまの化身わんこ、unちゃんの下で
心を整えていたmakiちゃんは、
ある時、悪魔の住む出口のない塔に
紛れ込んで…

元人生哲学風ファンタジー!


テーマ:

染み出すように広がった水分は、

さらに細かくなって水蒸気のように広間を埋め尽くします。

水蒸気は白い煙のようになって、辺りを覆い尽くし、

赤い悪魔が抱きしめているmakiちゃんの姿も

見えなくなるほどでした。

 

(半分になった私。

 記憶を持った私と、記憶を失くした私。

 

 記憶がなくなったら。

  unちゃんのことも妹のことも何もなくなっちゃうんだわ)

 

赤い悪魔の頭の中を、楽しかったこと、

悲しかったこと、たくさんの思い出が走り回りました。

 

(ぜんぶなくしたくない。

 ぜんぶなくしたくない)

 

広間の水分はさらに濃く広がり、悪魔の髪からは

水がしたたり、息をするのも苦しいほどでした。

 

(でももしも、記憶をなくすことで

 ここから出られるなら。

 

 もう一度最初から始めるわ)

 

赤い悪魔はmakiちゃんを抱きしめたまま大きく口を開け、

霧を飲みこみました。

 

霧は雨のように粒を大きくし、

やがて嵐のようになって二人に降り注ぎました。

 

激しい雨にmakiちゃんは目を覚まし、

せき込みながら、悪魔にしがみつきました。

 

「外に、出たい。

 unちゃんに会いたい」

 

強い雨音の中で、makiちゃんがそうつぶやいたのを

赤い悪魔は聞きました。

 

(本当の私はどちらなんだろう。

 私は、私が私だったらいいなって思ってたけど)

 

赤い悪魔はmakiちゃんを座らせ

自分の身体でmakiちゃんを覆うようにかぶさりました。

 

(私だって覚えてるのに。

 私だって、いろんなことを覚えてるのに。

 一緒に行ったところや、

 夜遅くまで話をしたときのことも)

 

赤い悪魔は嗚咽を押し殺しながら、

強く目をつぶりました。

 

(でももういい。

 どちらかが残らないといけないなら。

 身体があるほうを残すわ。

 

 それで・・・)

 

「私の記憶をもっていって!」

 

赤い悪魔は顔を上に向けて雨の中に向かって、

そう叫びました。

 

つづく

============= 

makiちゃんが塔に入ってからのお話第1話はこちらから。
86日め:自分の物語の主人公として生きる

 

また少しあいてしまいましたが、

ロサンゼルスから久しぶりの更新です^^

これからは海外更新が多くなりますが、

引きつづきお付き合いくださいませ。

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