無題

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土曜日、仕事が終わったわたしを、彼が車で迎えにきてくれた。

わたしの顔を見るなり、

「腰、ちょっとやっちゃった」と彼は言った。

家事をしているときに少しいためた?らしい。

「ええっ、だいじょうぶ?」

わたしはどきっとする。なんせ彼にはぎっくり腰をやった過去がある。

「痛いってわけじゃないから。違和感みたいな。」

彼は笑った。そのまま一緒にスーパーに行って、食料品の買い出しをした。

その日の夜は、スーパーで買ったするめフライとわたしが前日に作ったこんにゃく炒めをおつまみに飲んでるうちに寝てしまって、まともな晩ごはんを食べず。


日曜日。だらだらと昼まで布団で過ごす。寝たり起きたり。

わたしたちはまだシングルの布団に二人で入って寝ている。

そのうちセミダブルの寝具を新しくそろえるつもりだが、買わなければならないものがほかにいっぱいあって、後回しになっているのだった。

狭いが、寝れないということはない。

「腰どう?」ときくと、「ちょっと痛い」と言っていた、と思う。

衣替えでまた部屋が散らかり気味なので、今日片づけようということになった。

まず、服をかけるポールハンガーが足りないので買いに行くことにした。近くのニトリへ。

彼が車を運転する。少々腰が痛くても、運転するのは別につらくないらしい。

ニトリに行くといろいろ買ってしまう。うろちょろ歩き回るわたし。

彼はカートに寄りかかるようにしてゆっくり歩いていた。しんどそうだった。

腰痛が明らかに悪化していた。

駐車場を歩く彼を後ろから見ると、不自然に体がゆがんでいた。

腰をかばっている感じ。

あ、これはかなりまずいかもしれない、と思う。

この日の晩ごはんは、彼が昨日の昼に作ったチャーハンの残り。あと、玉ねぎと牛肉の炒め物と、大根としいたけの煮物、コンソメスープ。


月曜日。朝から彼は腰が痛くて起き上がれなかった。

午前中に病院に行ってから会社にいきなよ、と言ってやる。

病院に行くついでにわたしを職場まで送ってくれた。

病院に行ったが、痛みはおさまらなかったらしくて、彼は結局会社に行くことができなかった。

今たいへんな仕事をしているから、行きたかったようだが、

腰痛は無理をするともっと治りが遅くなる、といろんな人に言われてあきらめた。

診断結果は、炎症。ぎっくり腰でなくてよかった。炎症をしずめる点滴を打ってもらい、湿布と薬をもらってきた。

家に一人で動けずにいると知り、早く帰ってあげたかったが、

わたしも仕事が忙しくて、残業で遅くなってしまった。

家に帰ると、彼が悲しそうにしていた。動けないのが情けなくて悲しいらしい。

わたしをぎゅっと抱きしめた。

ダイニングテーブルに移動しなくていいように、晩ごはんは小さいテーブルを布団のそばに置いて、腰がつらかったらすぐに横になれるようにして用意した。

雑穀ごはんのおにぎりと、昨日のコンソメスープと、鮭のピカタ。

ピカタを気に入ってくれたようで、いっしょうけんめい骨をとりながらぱくぱく食べてくれてうれしかった。


火曜日。彼はまだあまり動けない。会社には行けず。

でもマシになってはきたようで、この日はわたしが帰る前に洗い物を済ませ、お米をセットしておいてくれた。

何もせずにただ横になっているほうがきっとつらいのだと思う。精神的に。

晩ごはんは大根ステーキのきのこソースがけ、豆腐と豚肉の煮物。大根ステーキの片面焦がしてしまった。でも彼は文句を言わずに食べてくれる。


水曜日、彼は会社に行けるようになった。自転車はしんどいので、駅まではわたしが車で送った。

でも帰りはちゃんとバスに乗り、バス停から歩いて帰ってきた。

体の歪みもだいぶよくなっている。会社帰りに病院に寄って、腰痛対策プログラムを受けてきたそうだ。痛みはだいぶひいたという。

彼の回復がとてもうれしい。月・火はなんだかわたしまで落ち込んだ気分だった。

麺が食べたいと彼が言うので、ごはんはクリームソースのパスタ。大根がまだ残ってたので、ベーコンと一緒に小さく切って入れた。

わたしが作っている間に、彼は結婚式のアルバムを見て、社内報にのせる写真を探していた。

パスタを食べながら、「俺、サキと結婚してよかったって思うよ」と彼が言う。

わたしの友達に離婚話が出ているので、それも受けての言葉だと思うが、うれしくて、「わたしだって、リュウヤと結婚したことを0.001%も後悔したことないよ」とわたしは言った。

そう、すごくすごく簡単な言葉でいうなら、わたしたちはとても「仲が良い」。

体の調子が悪い時も、忙しくて余裕がない時も、

いい感じに助け合えていると思う。

それに何より、ふたりで一緒にごはんを食べておしゃべりしたら、それだけで幸せな気分になれる。

6年以上も一緒にいるけど、二人の間の空気はますます穏やかになっていく。



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無題

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先日、わたしの父方の祖父が亡くなった。

もう長い間入院していたし、わたしたちの結婚式の前くらいから危なかったらしく、

うちの親から「準備をしておいて」と言われていた。

わたしたちは喪服や数珠を揃えた。


わたしも彼も会社を1日半休み、通夜と葬儀に出席した。

彼は生きているうちに祖父に会うことはなかったけど、わたしの夫として、きてくれたのだった。

親戚たちの中に彼が混じっていることがなんだか不思議だったが、

変な話で、「夫婦になったんだな」と実感もした。


あまり詳しくは語れないが、

うちの父方の家系はちょっと複雑で、中には非常識な人もいるので、

お通夜の日にケンカになったりして大変だったのだが、

なんとか初七日法要まで無事に済んだ。

線香を絶やしてはならない通夜の夜はうちの両親も泊り込んだので、

うちの妹と弟はわたしたちの家に連れて行って泊めた。

彼は洋室で、わたしと妹はリビングの布団で一緒に、弟は和室に布団を敷いてやったのに「一人だけ遠い」といやがってリビングのソファで寝た(笑)。


彼はとてもくたびれただろうと思う。

運転してくれたし、知らない人ばっかりだし、気も使うし、目の前でケンカも見てしまったし(笑)。

おつかれさまとありがとうを言いたい。


ここんとこずっとわたしの仕事が忙しくて、休日出勤もあるし帰りも遅い。

彼はごはんを作ってくれたり、洗いものや洗濯物の片づけをしてくれたり、

車で職場まで送り迎えをしてくれたりする。

申し訳ない。でもとてもありがたい。

ご飯を食べながら、お互いの仕事の話(愚痴?)をする。

「しゃべりたい」と彼は言う。話すことでストレスを発散しているのだろう。わたしはじっくりつきあう。

それでも会社での評価は高いらしく、手当てを多めにもらったりしているのですごいと思う。


彼と結婚してよかった。

家族になれてよかった。

心からそう思う。

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