その夜、私が夜通し寝付けなかったのは、寒さのせいでも、始発に乗らなければならない緊張のせいでもなかったのかもしれない。








『soul stirring two ghosts~生魂を揺さぶる二つの霊魂~』


at 二子玉川KIWA 


2012.2.12.sat




三上ちさこ (live music)


神田サオリ (dance painting)






雨あがりの、あさの庭







01 神の樹


02 解放区


03 真昼の秘密


04 プラスチックルームと雨の庭


05 夜とあさのすきまに


06 青白い月


07 crystal life




08 バカで結構


09 daisy chainsow


10 4am


11 Hole


12 月と砂漠




―休憩―




13 悲しくてやりきれない


14 edge of life


15 blind star


16 煌め逝くもの


16 相対形


17 アザミノ(痣身の唄)


18 孤高の空


20 君は笑う、そして静かに眠る。


21 小さなひかり。




―アンコール―




22 澄み渡る空、その向こうに僕が見たもの。


23 walless






約3時間。


いや・・・こうして見ると本当に凄まじい。。。。








雨あがりの、あさの庭-120211_2218~02.jpg


↑終演後、セトリを激写したのだけれど、これを見ると、『小さなひかり』の前に『afterglow』があるように見えるのだが、『afterglow』は演奏されていない。








あんなに一瞬一瞬を凝視していたのに、もうぼんやりとしか思い出せない。


ちさこ嬢の鬼気迫る表情、仕草。


引き裂くような叫び声から、囁くような甘い声。


サオリさんのゆらめき。




鋭い眼光でバンドを牽引するちさこ嬢はまるで、あんなに美しいのに一頭の獣にも見え、


その後ろで可憐に咲く花のように踊りながら全身で色を描くサオリさんは、ちさこ嬢の妹みたいだった。












ステージの上には、大きくて真っ白なキャンバス。


上手側にドラムセットとキーボード、下手側にギターとベースがセットされていて、


中央にマイクがスッと1本、立っていた。


私は上手側の3列目くらいで開演を待っていた。




予定を15分くらいオーバーしてから、私の横をバンドのメンバーが通り過ぎ、三上ちさこ、神田サオリも私の真横を通って、ステージへ登場した。




ちさこ嬢のウエストが細すぎて驚愕した!


ブログで言っていた通り、羽のような衣装を纏った2人の姿は、驚くほどよく似ていた。


すごく細くて、華奢で、しなやかな2人。


ちさこ嬢は、孔雀のようなメイクをしていた。




サオリさんが、キャンバスの前で羽を休める鳥のように、小さな踏み台の上に座る。


その姿も美しい。




いつものSEは流れず、自然と1曲目のイントロが奏でられる。


うずくまるサオリさんに向かって、ちさこ嬢が、呼び覚ますように身体を大きくうねらせる。


あぁ・・・いきなりこの曲だ。








01 神の樹






客席のほうへ向きなおったちさこ嬢の歌声に呼応するように、少しずつ体を揺らせ始めるサオリさん・・・。




そして、最初のサビ?に差し掛かった時、サオリさんが、淡いブルーの絵の具に自らの手を突っ込み、キャンバスに押し付け、絵を描き始めた。




その瞬間だった。


私の頭の中がガーンとして、とめどなく涙があふれ始めたのは!






なんだこれ!!!




想像以上の空間!音!ビジュアル!








絶対、何か、いる・・・・・・!!!!








私は、なんで1曲目からこんなに涙が出てるのかわからなくて、自分でびっくりして、内心動揺していた。






サオリさんは、下から天に向かって這うようにして絵の具を塗りつけていて、まさに、”大樹”を描いていた。












私は、今回のライブは曲ごとにサオリさんが絵を完成させていくのかなぁと想像していたんだけど、違った。


というか、サオリさんは、絵を完成させるために描いているのではなかったのだ。






”踊り絵師”






曲にノッて踊りながら、パフォーマンスしながら、その時々の感情を表現していく。


それは、音楽を奏でるアーティストのそれと同じだと思った。


そのうねりのような音の波が、鮮やかな色彩の軌跡となって積み重なって、美しい模様を紡ぎだしている。




最終的に「完成」されるのは、1回のライブに1枚の絵ということになる。


ただ、そこに到達するまでに、その絵は様々な変貌と遂げる。


まるで映画みたいに。




だから、予想もしないことが起こる。


「え!さっき描いたばかりのところにまた違う色を乗せてる!?」って思うことが何回もあった。






ちさこ嬢は、するどい眼光で客席を見つめたままうたい、一度もサオリさんのほうを見ない。




曲が終わると、サオリさんは絵の前にぺたんと座って、ぼぅっとしながら、次の曲を待つ。




すでにサオリさんの手と足と髪は、青い絵の具にまみれて、人魚のようだった。













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