PTSDの症状:侵入症状って? | トラウマに悩む人生から幸せな人生に生まれ変わる”やさしいPTSDトラウマ克服メソッド”

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PTSDを克服した経験を持つセラピストがトラウマに悩む人生から、幸せな人生に生まれ変わる方法を紹介してます。

PTSDの4つの症状のうち、

 

今日は「侵入症状」についてお話します。


アメリカの米国精神医学会診断統計マニュアル第4版(DSM4)では、

再体験という言葉が使われていました。


再体験
トラウマ体験を思い出す。
似たような状況におかれた時恐怖や不安を感じる。




簡単に書くと、こうなりますが、

みなさんが想像されるものと実質は違うと思います。



現在のDSM5では再体験症状とは言わず、

 

侵入症状となっています。

 

そのほうがわかりやすい気がします。




「侵入」と表現されるように、

何かをきっかけに、本人の意思に関係なく、

勝手に思い出されます。

拒みたくても拒めない状態です。



そして、思い出すのは本人とって嫌な記憶であり、

ただ思い出すのではなく、

今まさに体験しているような

リアルな感覚(不安・恐怖・緊張など)を伴います。

また、そういった体験を夢でみることもあります。

 

それが日常で繰り返し(反復的に)起こります。

 

 

 

 

 

 

 

 


顕著な症状として言われるのが

フラッシュバック


フラッシュバックという言葉も

日常で使われるようになりましたが、

一般的に使われる「一瞬で思い出す」という意味だけでなく、

症状のフラッシュバックは、

本人の中で、出来事の状況が再現され、

恐怖や痛みや匂いまで再体験します。



フラッシュバック現象が起きると、

その人は現実の認識を失い、

出来事当時の心理状態に陥ります。

たとえば、交通事故に遭った人が、

事故時の怪我の痛みを感じたり

犯罪被害に遭った人が、

加害者が近くにいると思って暴れたり・逃げ出したり

地震災害に遭った人が、

身を守ろうとテーブルの下に潜ったり、

そういった症状が起きたりします。


フラッシュバックにおそわれている間、

本人は現実の周囲の状況が分からなくなっている場合もあります。

 

 

 

 

 

 




こういったフラッシュバックは、

出来事に関連するような人やもの、状況・場所などが

引き金となり、起きます。

フラッシュバックが起きる度、苦痛な感覚を再体験することになり

そうなると、当然フラッシュバックが起きないように

トラウマ体験を想起されるような人や物や言葉など、

意識的にも無意識的にも、極力避けようとします。 


そういった行動が、二つ目の症状「回避症状」になります。
(「回避症状」は次回に詳しく書きます)

 

 




侵入症状は、

本人にとってとても辛く苦しい症状である為、

生活に大きな影響を及します。

仕事や家事が出来なくなったり、

学校に通えなくなったりする人が少なくありません。



どんなに過去の出来事だと言い聞かせても

本人にはこの症状をコントロール出来ません。

フラッシュバック起きた時、

周囲の人には言い聞かせるよりも、

本人が少しでも「安心・安全」を感じられるように

配慮して頂けたらと思います。





次回は「回避症状」について書きたいと思います。

では、また。

 

 

(以前書いたのを、最新DSM5基準に合わせて修正しました)