かなり前のことになりますが、2009年11月15日(日)に放送された標記のNHKスペシャル。非常に素晴らしいと感じました(番組に引き込まれました)。多くの人にとっては理解し難い数学の話題を、CGや合成映像を駆使して分かり易く(それでも理解できない部分が多々ありましたが・・・)紹介されていました。
話題の中心は「素数」、そして「リーマン予想(数学上の未解決問題の1つ)」。「素数は知っているがリーマン予想は知らない。」という人が多いと思います。私もその一人でした。本番組を通して、リーマン予想がどういうものであるか?、表面的にですが理解できました。
この手の番組は、高い視聴率は望めないと思います。でも、視聴率が低くてもいい番組はいい番組。今後とも同様のもの(数理科学を分かり易く紹介した番組)も制作して行って欲しいです。
尚、本番組の最後で制作スタッフの名前がテロップで紹介されましたが、その中に、高校の同窓生の名前がありました。彼(N.K.氏)は、現在東工大の数学の教授で、整数論やゼータ関数関連の研究では日本のトップになっているようです。高校時代、私は数学部、彼は帰宅部。同学年で数学が得意だった彼と音楽部のM.K.氏(現在作編曲家&ピアニスト)より数学の新作問題(自作の問題)を提供頂き、私の作った問題と合わせて校内冊子にて発表したことを憶えています。彼は、当時から「整数論の研究をやりたい。」と言っていたから、凄い!!
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13日の金曜日

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一昨日は13日の金曜日。オバマ大統領は、その日を選んで来日しました。(笑)
さて、その13日の金曜日、毎年1日以上あるのは万人の知るところ。確率的には、年に7分の12日(約1.7日)あります。それでは、13日の金曜日が3日ある年はあるでしょうか? 4日ある年は・・・?
この疑問に対する答えは、閏年と閏年でない年の各月13日(本当は1~28日のどの日でも良いのですが・・・)の曜日分布を調べれば得られます。
閏年であった昨年(西暦2008年)の各月13日の曜日分布は、
  日曜=3日,月曜=1日,火曜=1日,水曜=2日,
  木曜=2日,金曜=1日,土曜=2日
でした。また、閏年でない今年(西暦2009年)の各月13日の曜日分布は、
  日曜=2日,月曜=2日,火曜=2日,水曜=1日,
  木曜=1日,金曜=3日,土曜=1日
です。即ち、13日の金曜日が年に1日だけの年は3/7、年に2日ある年は3/7、年に3日ある年は1/7の確率で存在します。。。。
と断定するのは、まだ早いですね。各年の曜日パターン、例えば1月1日の曜日がバラけている(1/7の確率で存在する)かどうかを確認しておかなければなりません。例えば、1年が7の倍数日になっていると仮定すると、毎年同じ曜日パターンとなり、年当たりの13日の金曜日の日数は決まってきます。
そこで、
  1年=365日 ・・・・ 7の倍数日でない
  4年=(365×4+1)日
    =1461日 ・・・・ 7の倍数日でない
  100年=(1461×25-1)日
      =36524日 ・・・・ 7の倍数日でない
  400年=(36524×4+1)日
      =146097日 ・・・・ 7の倍数日
と、400年レベルでは曜日パターンに偏りが生じます。まあ、400年は人の一生の時間を遥かに越えていますので、「13日の金曜日が年に1日だけの年は3/7、年に2日ある年は3/7、年に3日ある年は1/7の確率で存在する。」と言って問題ないでしょう。
尚、13日の金曜日が4日以上ある年は存在しません。
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日食(4)・・・いよいよ

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1年前にも書き込みましたが、この7月22日に日食があります。

今回の日食は、NHK朝の連続テレビ小説「まんてん」(宮地真緒主演)の中で取り上げられたもので、日本のほとんどの場所で部分日食が見られ、小笠原諸島や屋久島付近からは皆既日食が見られます。晴れていれば!ですが・・・。今回のものは、地球が太陽から最も遠ざかる時期且つ月が地球に最も近付く時期に発生するので、地球上の広い範囲で日食を観測でき継続時間も長いです。

当日晴れれば、仕事を中断して見る一手ですね。^^;

人工衛星『光明星2号』

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朝鮮中央通信が伝えたところによると、衛星は地球から最も近い地点で490 km、最も遠い地点で1426 kmの楕円軌道を回っており、周期は104分12秒とのこと。この近地点高度と遠地点高度より二体問題で軌道長半径,軌道離心率,軌道周期を計算すると、
 軌道長半径=7336 km
 軌道離心率=0.06379
 軌道周期 =104.2 分
となります。即ち、北朝鮮が報じた数値はつじつまが合っています。しかし、数値のつじつまが合っているからと言って、人工衛星が打上げられたと断定はできません。数値のつじつまを合わせるくらいは、軌道力学を少しかじったことのある人であれば簡単なこと。。。

一方、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍司令部は、北朝鮮が発射したミサイルについて「第1段階は日本海に落下し、残りの部分は先端部も含めて太平洋に落ちた。」と発表しました。即ち、北朝鮮から打上げられた飛翔体が人工衛星にならなかったことを明らかにしました。まず、こちらの情報が正しいでしょう。

太陽同期準回帰軌道の原理

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馬打竜王的空間-軌道要素

1.太陽同期性の原理
軌道面と太陽方向のなす角が常に(ほぼ)一定と言うことは、地球は太陽の回りを1年間に1回転(公転)しているので、軌道面も1年間に(東回りに)1回転します。
人工衛星に働く力が地球の重心方向の引力(万有引力)だけであれば、人工衛星の軌道面は回転しません。結論を言うと、高度数百kmを飛行する人工衛星の軌道面の変化は、主に地球の赤道付近が極付近より膨らんでいることによる地球重力場の歪(ゆが)みによって生じます。何か少し難しい表現になってしまいましたが、、、具体的には、地球の赤道付近の膨らみによって、北半球の上空では地球の重心方向よりやや南向きに引力が働きます。逆に、南半球の上空では地球の重心方向よりやや北向きに引力が働きます。軌道の相(あい)対する側で逆向きの軌道面外の力が働くと、軌道面は変化します。それらの力が(平均的に)最北点と最南点で働く場合、軌道面は地軸(地球の自転軸)を回転軸として回転します。
人工衛星高度が500km~1000kmの略円軌道では、太陽同期性を満足させる軌道傾斜角は97.4度~99.5度となります。因みに、人工衛星高度が低い程、また、軌道傾斜角が大きい程、軌道面の東回りの回転は速くなります。
尚、上記の地球重力場の歪みによって軌道傾斜角が変化することはありません。

2.準回帰性の原理
地球上の同一地点の上空を一定の周期(通常、数日~数十日)で通過させるため、地球の自転周期と人工衛星の軌道周期(地球の回りを1回転する時間)が簡単な自然数の比になるようにしています。ただし、厳密には、太陽同期性による軌道面の回転分を考慮する必要があり、
  地球の自転周期 → 軌道面に対する地球の自転周期(=T)
      (およそ1日間で、本来の地球の自転周期より約4分長くなる。)
  人工衛星の軌道周期 →

      昇交点通過から次の昇交点通過までの時間(=P)
    注1)地球の自転周期は、約23時間56分04秒
    注2)昇交点とは、人工衛星が南から北へ赤道面を通過する地点
です。
今回打上げられたGOSATの場合、地球が3回転(自転)する間に人工衛星は44回転(公転)します。即ち、
  T:P=44:3
となっています。
ところで、人工衛星の軌道周期は軌道長半径の(3/2)乗に比例するという性質(ケプラーの第3法則)があります。高度が約670kmの略円軌道の概略周期Pgを計算すると、
  Pg=2π√{ (6378+670)^3/398600 }
    =5889 秒
    注3)6378は、地球の赤道半径(km)
    注4)398600は、地球の重力定数(km^3/秒^2)
となります。これは、1日間(=86400秒)のほぼ(3/44)倍になっています。

人工衛星打上げ、成功!

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ニュース等でご存知と思いますが、昨日1月23日(金)12時54分、「いぶき」など8つの人工衛星を搭載したH-IIAロケット15号機が種子島宇宙センターから打上げられました。現在、1つの衛星を除いて、衛星からの信号をキャッチできたと聞いています。勿論、いぶきも、ほぼ計画通りの軌道に投入されました。ただし、目標とする太陽同期準回帰軌道にするには数回の軌道変更制御を行わなければならず、2月中旬頃まで掛かります。

そんなこんなで、本日仕事をやって参りました。

明日、人工衛星打上げ

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明日1月23日(金)の12時54分~13時16分(日本標準時)の間に、日本国内で人工衛星の打上げが予定されています。人工衛星の名前は、
 ・英名:GOSAT(Greenhouse Gases Observing Satellite)
 ・和名:いぶき(温室効果ガス観測技術衛星)
打上げロケットは、
 ・H-IIAロケット15号機
です。元々は、昨日打上げる予定でしたが、天候の関係で2日延期されました。
軌道は、高度が約670kmの略円形で、軌道傾斜角(赤道面とのなす角)は約98度(人工衛星が赤道面を南から北へ横切るとき、真北よりやや西向きに飛行)。専門的には、『太陽同期準回帰軌道』と呼ばれている軌道です。その軌道は、軌道面と太陽方向のなす角が常に(ほぼ)一定[太陽同期性]で、人工衛星は地球上の同一地点の上空を一定の周期(通常、数日~数十日)で通過します[準回帰性]。それは、地球を観測するのに適した軌道と言えます。
私の仕事は、人工衛星の軌道決定や軌道制御計画立案に関わるものです。仕事が無くならないためにも、打上げが成功裏に終わることを祈っています。皆さんも祈ってくださいね。^^