二日ほど故郷の鹿児島に帰省していました。

僕が帰省する度に必ずと言っていいほど行くラーメン屋さんが「こむらさき」です。

(最近ラーメンネタばっかりだな・・・)


先ずはメニューを見ていただきましょう。

komurasakimenu
潔いです。ギョーザもチャーハンもありません。立派ですw
焼酎がキリンレモンと同額の200円です。

これを頼むと当然の事ながら

何も言わずに「芋焼酎のお湯割り」が出てきます。


そして

ラーメン 九〇〇円

普通のラーメンとしては考えられない高価格です。

しかもここでは「大盛り」を注文する人が相当数にのぼります。

なので一二〇〇円が寧ろ基準と言えるかもしれません。


そもそも全般的に鹿児島のラーメンは高いのですが、

その中でもここは最高価格帯と言えるでしょう。

ちなみに「のぼる屋」という鹿児島で戦後最初にできた老舗のラーメン屋では

並が1000円です。

鹿児島におけるラーメンの位置づけは

「手っ取り早い小腹ふさぎ」や「酒を飲んだ後のシメ」ではなく

しっかりとした食事としての「ちょっとしたご馳走」なんですね。

だから例えば

「鰻にする?寿司?それともラーメン?」

という選択肢の中にさえ入ってしまうのです。

ちゃんとしたレストランや料理屋に行くほどじゃないけど

今日は外でちょっと美味しい物でも食べようよ、みたいな

シチュエーションで選ばれる食べ物なんですね。

このあたりの感覚は名古屋の「味噌煮込みうどん」にも近い気がします。


さてその1200円のラーメンがどういうものかと言うと

komurasaki こんな感じ。

簡単に説明すると

____________________________________________________

「ごくごくあっさりした塩トンコツのスープに

コシのまったくない細ストレート麺、

具はゆでキャベツとこまぎれチャーシュー

そしてなぜかいつも若干ぬる目の温度」

____________________________________________________

という事になります。

これだけ聞いて「おいしそう」と思うには

アーサーCクラーク並みの超人的な想像力を必要とするでしょうが、

しかしこれがものすごくおいしいわけですよ。




先ほど鹿児島のラーメンは高い、という話をしましたが

これには一応理由があるとされています。

鹿児島で使われるトンコツは、骨の周りにたっぷり肉が付いた状態で

スープに煮込まれるそうです。

しかも博多ラーメンのように長時間かけてとことんまでスープを煮出すということをせずに

いわばそれを一番ダシのようにあっさり仕上げるため、

必要な量もハンパじゃないとか。


これが全ての鹿児島ラーメンにあてはまるわけではないでしょうが

少なくとも「こむらさき」に関してはその説明がたいへん納得いきます。

とにかく、骨・髄・脂の味というより肉の味なんですね。

ドイツ料理でアイスバインという、塩豚の骨付き肉の煮込み料理があるんですが

僕はこれを初めて食べたとき

これはまさしく「こむらさき」のスープの味だ、と確信した経験があります。


このスープの中で、主役を食うくらいに自己主張しているのが

干し椎茸のダシです。これがなんとも絶妙なバランスなのです。

そしてトンコツラーメンにありがちな、香味野菜の風味や甘みは

全くと言っていいほど感じられません。


さて、麺についても書いておきたいのですが

その前に僕は一言声を大にして言っておきたい事がある。

最近の日本人はコシ、コシ言い過ぎ!

うどんでもパスタでもなんでも、コシがあるのが美味しい麺の絶対条件と言わんばかりの

昨今の風潮はいかがなものかと。

こむらさきの麺はコシがないが故においしい。

ソーメンみたいという人もいますが、

ソーメンのようにむちむちしてるわけではなく

少しぼそぼそした儚い食感(むしろビーフンに似てるかも)。

無かんすい、卵つなぎも入らない純白の麺。

このあまりに独特な麺のために

まあ確かに好き嫌いはわかれるわけですが。

特に「ラーメンマニア」の評価は概して低いようで・・・。


具は、ゆでキャベツと細切れのチャーシュー、

ダシに使ったものとおもわれる椎茸の細切れ、ネギ少々です。

出される時に

「底のほうから全部よーくまぜてお召し上がり下さい」

と言われる。必ず言われる。

で、確かにそうした方が確実においしいのです。

最初からややぬるいラーメンはますますぬるくなり、

柔麺はあたかも麩のようにスープを吸い込みます。

フウフウ言いながらしみじみ食べるものではなく、

モリモリほおばる感じ。

そこで初めて

すっきり塩味のスープにきっちり醤油の染みたチャーシュー、

極柔の麺に歯ごたえのあるキャベツ、

その絶妙なバランスが堪能できるというわけです。


書いてたらまた食べたくなってきましたが

次に食べられるのはいったいいつになることでしょう。

いちおう地方発送用のラーメンもあり

取り寄せる事ももちろん可能なのですが、

それは僕の中でなぜか

決してやってはならないこと

になっているのです。


いつかお金持ちになったら

飛行機代5万円かけてラーメンだけ食べに行ってやろうじゃないか。






















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