人の数だけ“今”がある | 人と組織のよもやま話(クスノセ@コンサルティングアソシエイツ)

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人と組織の成長をお手伝いする㈱コンサルティングアソシエイツの楠瀬(クスノセ)啓介が、人と組織についてよもやま話をいたします。

「人の数だけ“今”がある」―今まさに同じ時間と場所を共有していても、そこで感じていること、考えていることは、個人によって全く違うことがある―そういう意味です。

私がこのことを思い知らされた体験をお話しします。

以前、私の会社に研修を発注してくださったお客様の研修所にお邪魔した時の出来事です。お客様のご担当者が朝8時に研修所の門を開けて待っていて下さるとおっしゃったので、私と同僚講師、担当の営業マンは7時45分には門の前に行くことにしました。


その日の朝、私たちは740分には研修所に着きました。ところが、お客様の担当者の方は、もう、門の前に立って待っていらっしゃったのです。風の冷たい、冬の朝でした。


私の頭は、お客様をお待たせしたことへの申し訳なさで一杯でした。しどろもどろになりながら、ひたすらお待たせしたことをお詫びしていたことを覚えています。

ところがです。担当の営業マンは、のんきに研修所が大きくて立派なことなんか話して、お客様もにこやかに応じていらっしゃるではないですか。同僚講師もニコニコしてその会話を聞いています。この営業マンと同僚講師の頭の中は一体どうなっているんだ?!


昼休みに、私は、二人に今朝は何を考えていたんだと尋ねました。すると、営業マンの答えは、「研修所でも本社でも、お客様の所にうかがったら、必ず、何かほめるタネはないか探している。今朝は研修所がとても立派だったので、それをほめていた」というものでした。同僚講師は、「もう研修モードに入っていたので、受講者の皆さんに接する時と同じ笑顔になっていたのだろう」という答えでした。


この時です。私が「人の数だけ“今”がある」ということを思い知ったのは。


私は、「人の数だけ“今”がある」という認識は色々な場面でとても役に立つものだと考えています。そこで、この認識の応用編について、続けて書いていきたいと思います。回数は未定です。