今年になって,大学の臨床研究に携わることになりました.必然的に英語論文を読む機会も増えましたし,いずれは自分で論文を書くことになります.日々増え続ける論文のPDF.また同じ文献をダウンロードしてしまった!しかも前に読んだことがあったけど,全然覚えていない( ̄Д ̄;;
 医師に限らず,すべての研究者に共通ですが,論文はうまく管理・活用しないと意味がない!代表的な論文管理ソフトと言えばEndnoteですが,いかんせん高すぎる!何でこんなに高いの!?他に良いものがないものかと,調べた結果,Mendeleyを使うことにしました.以下にMendeleyの自分なりの活用のポイントについてまとめてみたいと思います.

 Mendeleyは無料で使えます(ただし,500MBと保存容量には上限があります).まずはパソコン上でのクライアントソフトであるMendeley desktop を公式サイトからダウンロードして,インストールします.


電脳医師の研究日記

 インストールが終了したら,Mendeley desktopを立ち上げて,手持ちのPDFファイルをウィンドウにドラッグアンドドロップしていきます.これだけで,自動的にPDFが登録されていきます.このソフトが素晴らしいのは,自動的に論文のタイトル,Journal名,年,ページ,アブストラクトなどのcitation情報も整理して登録してくれることです.サクサクサク,と音が聞こえてきます(幻聴).PDFで発行されている論文には元々citation情報が埋め込まれており,それを認識して情報を登録しているらしいのですが,論文によってはそれがうまくいかないことがあります.その場合は,インターネットからcitation情報を自動的に検索してきて,登録することができます.上の画像はいくつかの論文を登録したところです.
 論文を執筆する際には,このcitation情報を様々な形式でoutputすることができるため,論文執筆の中で最もめんどくさいreference作成に威力を発揮します.
 登録した論文には任意のタグを付けることができます.病気の名前,治療法の種類など,自分なりのタグをつけてあげると後で検索しやすいです.このタグ機能はevernoteに似てますね.


 PDFビューワーも内蔵されており,各論文をダブルクリックすると,自動的に内蔵のPDFリーダーが立ち上がります.textにhighlightを付ける機能とnoteを追加する機能はついているのですが,正直このリーダーはあまり使い勝手が良くないです.また,折角highlightなどをつけても,そのPDFを別のPDFリーダーで開いた際には,この書き込みを認識することができません(書き込みがないまっさらな状態で表示されます).論文を読むときに毎回毎回Mendeley desktopを立ち上げるというのも手間です.

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 Mendeley desktopはその辺のことも考えてくれているようです.ファイルを右クリックして,Open File Externallyを選びます.そうすると,選択したPDFをWindows上でデフォルトに設定してあるPDFビューワーでを開くことができます.僕はFoxit Readerを使っていますので,それで論文の閲覧,書き込みなどを行います.Foxit Readerについては以前のエントリでも触れました.→医学書をPDF化してiPhoneで閲覧する

 Mendeleyではクラウド上で,これらの論文のcitation情報とPDFを同期・保存することができます.これにより,万が一パソコンを紛失してもバックアップがとれているので安心ですし,別のPC,マック,さらにはiPad,iPhoneでも同じ情報を閲覧,共有することができます.これは非常に素晴らしいメリットです.ただし,クラウド上でのストレージには500MBまでの上限がありますので,たくさん論文を入れる方はいっぱいになってしまう可能性があります.月に5ドル~のプランに加入するとこの容量を増やすことができます.このプランに誘導することで,このサービスが成り立っているようです.このクラウド上での管理の問題点ですが,Mendeley desktopでは,Foxit Readerなどの外部ソフトでPDFを上書きした場合に上書き更新されたことを認識しないため,上書きされたPDFをオンライン上で最新版に同期するということはやってくれません.つまり,別のパソコンでは最新版の上書きしたPDFを閲覧することができません.

 「基本的には自分のメインマシンで文献管理をやるけれども,たまには他のパソコンでも文献を確認したいし,他の先生と立ち話をしているときに,ふとiPhoneでPDFを確認したくなったりもするんだよなあ...」
 これを解決するために,Dropboxを使うことにしました.まずはMendeley desktopのメインウィンドウの中段のAll Documentsの隣にあるEdit Settingsのボタンを押して下の画面を開きます.Synchronize attached filesのチェックをはずすと,オンライン上で同期されるのはcitationやタグなどの情報だけになり,PDFは同期されなくなります.この方法であれば,Mendeleyの容量の問題でヒヤヒヤしている方も安心です.

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 次に,Tools→Optionsから下記のウィンドウを開きます.File Organizerのタブで,Organize my filesにチェックを入れ,保存先をDropbox内の任意のフォルダに指定します.ここでは,「Mendeley files」というフォルダを作成しました.別のパソコンではcitationやタグなどの情報を閲覧するためだけにMendeleyを使用し,PDFを閲覧したい場合はDropboxのフォルダからアクセスするようにします.Dropboxのフォルダを開くひと手間がありますが,僕の場合は随時Foxit Readerで上書き更新したPDFをどのパソコンでも閲覧できるメリットが勝ります.尚,iPhone版のDropboxに付属しているPDFリーダーではHighlightなどの書き込みを認識できません.その場合は,DropboxのメニューからGoodReaderに送ってやります.GoodReaderであれば,書き込みを認識してくれます.
 余談ですが,このタブ内のRename document filesにチェックを入れておくと,ファイルをドラッグアンドドロップで登録たときに,わかりやすい名前に自動的にリネームしてくれます.そうすれば,Dropboxから論文を探し出すときにも役立ちます.

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 今回は無料で使える文献管理ソフトMendeleyをご紹介しました.非常に使い勝手が良くて,しかも無料.まさに神ソフトです.これからもさらに使いやすくなっていくことを期待しています.

Mendeleyのインストールはこちら から

Dropboxのインストールはこちら
から


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