私としては、今日は、ドナウ川を「遊覧船でクルージング」してヴァッハウ渓谷を楽しんでもらう予定だった。
…ところが、だ。
「船は時間を持て余して退屈する」
「川下りならライン川でもした」
「どうしても団体さんと行程が一緒になるようだから、目的地が混雑するに決まってる」
「混雑は真っ平ゴメンだ」
「それより路線バスはないの? 路線バスが好き!」…との声。
↑ あります!!
「路線バス」が大好きなジジババ様たちに、おあつらえ向きの路線が、1時間に1本走ってます!
↑ メルクの駅前から、デュルンシュタイン(Dürnstein)を経由してドナウ川沿いを走り、クレムスに向かう路線バス。
運転手さんに「デュルンシュタインまで行きたい」と言い、直接切符を買う。
距離によって料金が変わるようで、メルクからは1人 €7.70- とのこと。
遊覧船なら片道 €24.00- だから、素晴らしい節約にもなる!(笑)
↑ ドナウ川沿いを走る路線バスからの眺め。
昨日見学したメルク修道院が高くそびえ、おとぎの国のようだ!
はじめメルクを出発した頃は、車内の乗客は、なんと我々だけで、まるで貸切だった♪
途中からポツポツと地元のお客さんも乗ってきてたけれど^^;
↑ デュルンシュタイン(Dürnstein)の西の端に到着!
町の中心部に向かって、坂道を上る。
どこで写真を撮ろうが絵になる町だ。
↑ 有名な教会の塔。
遊覧船で川から眺めると、その美しさにため息が出た…はずの塔…だ。
船には乗った方が良かったんじゃないの?…と、私はウジウジ思う^^;
↑ 喉が渇いたので、ワインの店に。
ワイン好きのジジ様は、大喜びで地元産のワインを飲んでいたけれど、悲しいことに私はお酒がてんでダメなので、アプリコットのジュースを注文。
デュルンシュタインは、アプリコットの産地としても有名なのだ。
↑ アプリコット・ジュース。
これが、ものすごく美味しかった。
デュルンシュタインに来たなら、必ず飲むべきものかも。
…と、そうこうしているうちに、遊覧船が到着したようで、小さな町はいっきに人で溢れ、飽和状態に。
落ち着いた雰囲気だったワインの店も、騒音を撒き散らすことにかけて東西横綱な「中」と「伊」のグループに占拠されたので、あたふたと逃げ出した。
「ね! だから言ったでしょ! 路線バスで早目に来て正解だったのよ!!」…と、ジジババ様方は大威張りである。
私としては、ヴァッハウ渓谷の町の中ではダントツの見どころだと思っているデュルンシュタインだったけれど、どうしたわけかジジババ御一行には、そこまでフィットせず(←謎)
「別に買いたくもない観光客目当ての土産屋が並んでるだけ」…という手厳しい感想に、ちょっと目眩…である。
「それより、ここに来る途中にあった町に行ってみたい」と、某ババ様よりリクエスト。
ÖBB Scotty のアプリで時間を調べると、丁度良い頃合いのが来そうなので、そそくさとバス停へと向かった。
なんと、わがイチオシの観光地デュルンシュタインでの滞在時間は、たったの2時間。
ここでお昼ご飯も食べる気でいたのに、団体客の喧騒を徹底して嫌うジジババの抵抗に遭い、あらゆる計画が立ち消えに…(涙)
↑ ババ様の来たかった、ヴァイセンキルヒェン(
Weißenkirchen)の中心にある教会。
珍しい木造の屋根囲いが付いた石段がある。
ここに「来たい!来たい!」とリクエストしていたジジババ御一行は、「階段を上るのは疲れてイヤだから、あなた見てきて^^」…とのこと。
私だって階段は歓迎しないけれど、でもこの珍しい佇まいは興味あり!
1人で上ってみると、古い砦に出て、そこからの眺望はなかなかのものだった。(←これについては、また後日のブログで!)
↑ 教会のすぐ傍には、ありがたいことにホテル兼レストランもあった。
↑ この店、めちゃめちゃ美味しかった。
通常、上写真のジャガイモの団子は、まぁそんなに美味しくない…と私は思っているのだけれど、ここのは本当に最高だった。
これが素晴らしいってことは、他は何を食べても間違うはずがない。
なんの計画性もなく飛び込んだ村の、これまた偶然入ったレストランで、大変満足する昼食が楽しめた。
サービスも親切で垢抜けていたし、英語は通じるし、きっと有名な店なんだろう。
ほとんど人気のない村の中で、この店だけは常に満員だった。
「旅行はこうでなくっちゃ!」と、ババ様は更に鼻高々となり、一同全員とっても幸せだった。
…ところで、ヴァッハウ渓谷の路線バスだけども、その時間の正確さは、特筆に値すると思う。
何度も乗り降りして、毎回必ず時刻表通りの運行だった。
しかも運転手さんが、1人の例外もなく親切で笑顔。
すこぶる好印象だ!