竜馬20歳17

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竜馬は立ち上がった。

長州藩の先鋒は、林乙熊であった。両者立ち上がるなり、六間の間合いを取った。

竜馬は右上段、乙熊は中段である。

さすがに乙熊は長州方の先鋒を務めるだけあって一分のすきもない。


乙熊の流儀は神道無念流であった。

長州方のほとんどはこの流儀であり、麹町の斉藤弥九郎道場の門弟である。


理由があった。

数年前、弥九郎の長子新太郎が、江戸の長州屋敷にある道場有備館にやってきて

藩士と試合をしたところ、勝つものがなかった。


さらに新太郎は諸国を修業して回り長州萩の城下に入って家中のものと試合をしたが及ぶものがいない。

そのあと新太郎は藩の重役にあい、

「武技は江戸でござる。御家中の俊才を選んで弊道場に留学させることになされば

いかかでございましょう。元就公以来の御士風は一段と上がるに違いありませぬ」


これらが受け入れられ



第一回の長州藩官費留学生として出府したのが、いまここにいる

河野右衛門、永田健吉、財満新三郎、佐久間卯吉、林乙熊であり、

おなじく私費留学生で入門したのが桂小五郎、高杉晋作である。






引用著書
「竜馬がゆく」
司馬遼太郎


 
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