□お店 グラン・エフ・チャイナ(大阪市中央区)

■心も潤う多彩な食感

フカヒレもピンチを迎えるかもしれない-。すしの高級ネタとして人気のクロマグロ(本マグロ)(大西洋産)が3月のワシントン条約締約国会議でかろうじて国際取引禁止を免れたことは記憶に新しい。しかし、フカヒレが取れるサメ8種も輸出入規制の対象にあげられたことはあまり知られていない。幸い今回、規制は免れたが、中国の経済成長に伴って近年、フカヒレ目当ての乱獲が進み、絶滅の恐れが出ているサメ保護に向けた国際圧力が高まり、水産業界は「次はサメか」と気をもんでいる。

「フカヒレがピンチ?」と聞いて、訪れたのが、フカヒレ専門の中華料理店、大阪市中央区東心斎橋の「グラン・エフ・チャイナ」。モノトーンが基調でスタイリッシュな店は、ホテルニューオータニ大阪の広東料理店で修業中にフカヒレの魅力に取りつかれたというオーナーシェフ、藤本秀之さん(42)が5年前に開いた。

「高いもの(フカヒレ)を高く出してもおもろない。ある程度の値段にして食べていただきたい」

そのフカヒレはサメのヒレの部分を切り落とし、約20日間天日干しにして乾燥させ、加工した半透明の食材だ。カロリーがほとんどなく、美容健康の酵素として注目されるコラーゲンとコンドロイチンが多く含まれている。古来、不老長寿、百薬の源と称され、楊貴妃も美貌(びぼう)を保つために最も好んで食べたそうだ。

サメのヒレには、「尾ビレ」、「背ビレ」、「胸ビレ」、「腹ビレ」があり、ヨシキリザメのものが一般的だ。

清の時代に、乾燥させた海参(ナマコ)、鮑(アワビ)、翅(フカヒレ)を俵詰めにした「俵物三品」として、日本から広州(中国)へ輸出された。

日本は世界有数の生産国だが、マグロはえ縄漁業が盛んな気仙沼の水揚げが最も多い。中国の高級中華料理店で使用されるフカヒレのほとんどが気仙沼産だ。世界一といわれるのは、冬季の晴天率が非常に高く、北西の季節風が吹き、寒冷で非常に乾燥して、干し物の水分を飛ばすには最適だからだ。

藤本さんが扱うのもすべて気仙沼産でヨシキリザメの尾ビレ部分。中でも上質な肉厚のものを使用していて毎日、20~30枚調理する。上海料理のため、水に戻さず、ナマから味を入れているが、レシピはない。藤本さんの経験に裏打ちされたカンが味を決める。「姿煮」が定番だが、最も人気があるのが土鍋で煮込んだ「フカヒレ姿煮あんかけ炒飯」。子供の手のひらサイズのフカヒレはまろやかでこくがあってプリプリ感が楽しめる。はしで簡単にちぎれるほど柔らかく濃いめのあんかけがよくあう。炒飯にからみあって、一口食べると、思わず笑みがこぼれる。コラーゲンだけでなく、心も潤してくれるからだ。

「フカヒレステーキ」は、両面を軽く焼いた後、あんをかけて姿煮にしている。表面はおこげのようにカリッとして香ばしいが、中はトロリ軟らかい。2つの食感が味わえてリピーターに人気らしい。

長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督が愛する「フカヒレラーメン」も味わえる。塩味のねぎ汁そばにフカヒレの姿煮がぜいたくに乗った逸品だが、モチモチの麺にフカヒレのだしが存分に出た塩味のスープが秀逸だ。

リーズナブルに味わうなら、シェフおまかせフカヒレコース(フカヒレ姿煮もしくはフカヒレあんかけ炒飯など前菜からデザートまで全7品、2人前から)。いずれの料理もあっさりしてはしが進む。調理しながら藤本さんはフカヒレのピンチを一笑に付した。

「仕入れは、当面心配ない。上海万博ブームも一息ついて値段も安定してます。中国で富裕層が増えても、安くておいしいフカヒレを提供したいね」

文・岡部伸



【メモ】グラン・エフ・チャイナ

大阪市中央区東心斎橋1の19の3横山ビル2階▽TEL06・6282・2772▽営業時間17時30分~23時(ラストオーダー22時半)▽月曜日定休(このほか月1回不定休)▽シェフおまかせフカヒレコース(2人から)フカヒレ姿煮入スープ 前菜からデザートまで全6品3800円、フカヒレ姿煮かフカヒレ姿煮あんかけ炒飯どちらかなど全7品5500円、フカヒレステーキ、フカヒレ姿煮、フカヒレ姿煮あんかけ炒飯いずれかなど全7品7800円など。フカヒレ姿煮ラーメン3500円、フカヒレ姿煮あんかけ炒飯3500円、フカヒレステーキ2800円(すべてサービス料別)。

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