お母さんのもとにいたい被虐待児。 | まりも日和

まりも日和

鳥好きライター、鳥類学講師、すずき莉萌の鳥好きブログ。
愛鳥家のみなさんにとって、ほんの少しためになる内容を目指します

研修、無事に終わりました。

その中で長年、児相談所に勤務されていた教授による、被虐待児童の保護事例や、養子縁組の実際について講義がありました。

親から引き離されて施設で暮らす子どもたちの映像もありました。

薬物で親から与えられた苦しみ、親から離された寂しさや怒りや悲しみといった感情をコントロールされる姿が、とてもとても痛々しいものでした。

施設職員はあまりに忙しく、子どもたちが親に代わって特定の深い絆を結べるような状況になく(人手や経費等の問題で)、子どもたちもストレスが限界まできているのでしょう。

ちょっとしたことで爆発し、職員や仲間に暴力をふるったり、殻にとじこもったり。

正直、命からがら保護されたとしても、こんな状況しか用意されていないなら、究極の選択だな、、、と思ってしまいました。

やはり子どもには、自分だけの親という特別な存在が必要なんですよね。。

そんなジレンマを感じつつも、その先生に意見を聞いてみました。

私が担当した親子の話しです。

実母と養父による度重なる虐待に苦しんでいる小学生。

その子は明らかな暴行やネグレクトを受けていて、保護されたこともありますが、今は家にいます。

施設から戻されたものの、何一つ変わらない親からの虐待の事実を隠そうとします。

なぜなら、母親から引き離されることだけは金輪際、絶対に避けたいと思っているからです。

放置や暴力はいやだけど、それを認めてしまったら、また施設に連れ戻されてしまう。。

そのことを極端に恐れているようで、母親のいいなりでした。

母親も面倒をみないわりには子どもと離されるのはツラいようで、話しがそちらに流れそうになると、とたんに口をつぐみ、、、。

ことが虐待の話しに及ぶと、耳が痛くなるのか、引き離されるような気がするのか、面接からも足が遠退いてしまうありさまでした。

以下、先生のコメントです。

「難しいケースですが、とにかく、風穴を開けることです。

たぶん、、、。

そういう家庭ですから児童相談所も常にマークしているはずです。

子どもを守るには通報もひとつの手段です。

そして、今起こっている状況を明らかにして、親族、支援者等、関係者みんなで、どのような形でその子を保護するのがベストか、話し合いの場をもつべきでしょう。

虐待関係にある親子を密室のままにしておいてはいけません。

あなたが言うように、子どもは母親からひき離されることを最も怖れるものです。

どんなになじられ叩かれても、幾晩放置されようと。。

その子にとって、後にも先にも頼れるのは母親だけなのですから。

子どもも母親も望んではいないのに、ムリヤリ引き離すことには抵抗がある気持ちはわかります。

そう考えるとね。
やはり子どもにとって悲惨すぎる現状を、母親自身に気づいてもらうのが一番なんです。

顔色ばかり伺っている、その子どもの口からその子の思いを母親に真っ向から伝えさせたらどうですか。

それにね、子どもは日々成長していますよ。

いつまでも幼いままじゃありません。

今までは、言われっぱなしだったかもしれないけれど、大きくなるにつれ、自分の意見を母親や養父にもしっかり言えるようにならりますから。

そのためにできるサポートについて、あなたの立場でできることを考えてみたらいかがですか。」


先生の、子どもは日々成長している、という言葉に励まされた私。。。


それぞれの立場で限界はあるものの、自分の立場でできることを、諦めず地道に積み上げるようにやっていくしかないんですよね。

ただ焦ってばかりいてもダメなんだな、といろいろ考えさせられるお話しでしたクローバーコスモス








Android携帯からの投稿