軍師官兵衛:第32回 さらば、父よ! ~若とタヌキ~ | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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山崎城
熊之助吉太夫の前で剣術稽古をしている長政
庭の井戸に食器を運んできて洗おうとしているに、
何をしているのか?尋ねる長政



召使い達が出て行ってしまい、
人手が足りないからだと答える

>妙な噂が広まっております。黒田家では、
>何か不始末をすれば、即座に手討ちにされてしまうと。
>それで皆、恐れをなして・・・。(糸)


>なんだ、それは!(長政)
>ご自分で蒔いた種でございます。(糸)

そこに、官兵衛が帰宅し、
その背後には、善助や太兵衛が控えており、
長政は、恐れていた事態になった事を察した・・・。



※熊之助と吉太夫
今回、このブログでは、糸と光の「反物の一件」のシーンの冒頭、
庭で遊ぶ二人の少年として、すでに紹介済みではあるんですが、
放送中は、この場面で、突然、テロップ紹介された事もあり、
「吉太夫って誰?」と、多くの視聴者が感じたでしょうね。

しかもテロップのみで、ナレーションも無いんですから、
普通に観てたら誰の子供なのかさえ分からない。
明らかに変な編集ですよね。(勿論、再放送を録画してみます。w)



彼は太兵衛の嫡男なんですが、善助と違って、
このドラマでは太兵衛の結婚は描かれてませんし、
当然、相手の女性が誰なのか?も分かりません。

歴史資料では、太兵衛の正室は九州の覇者・大友宗麟の娘となっており、
当然、彼女と結婚するのは九州征伐の後なので、
吉太夫の母親じゃないのは確実でしょう。

この二人、同じ船で溺死する運命なので、
この辺りから「仲良し」にしておきたいのは分かりますが、
それにしても、紹介の仕方が下手すぎましたね。

山崎城・一室
話し合いの最中に刀に手をかけるなど言語道断
厳しくするだけでは領民の心は得られぬと説く官兵衛だが、
甘い態度ばかりでは侮られるばかりと答える長政

>物事には順序がある。心を一つにすることが出来れば、
>厳しき命にも、従ってくれるのだ。
>お前のやり方は、育たぬうちに刈り取りをする様なもの。(官兵衛)

>育たぬうちに、刈り取る・・・。(長政)



先日の職隆の話しが、頭によぎった長政は、
隣にいる善助に、農民を再び集めるように命じる。

>皆に詫びる・・。すべてわしが悪かった。
>直に皆のところへ行き、許しを請わねばならぬ。(長政)




>若・・・。(又兵衛)
>そういう竹を割った様なところ、いかにも若らしいですな。(太兵衛)
>すぐに取り計らいます。(善助)
己の未熟さを悟り、官兵衛に対し素直に謝る長政

※マイッタな。(T_T)
不覚にも、、このシーンで泣いちゃいました。w
常々、テレビ画面相手に余計なツッコミ入れながら、
鼻唄まじりに、割とクールに観ている、おいらなんですが、

織田家への人質を申し出た松寿丸と、
それを必死に止めようとする光のやり取り以来、
かな~り、久々に泣けました。(笑)

四国攻め
>ついに、四国攻めが始まった・・・。
>先鋒となった黒田軍は、破竹の勢いで進撃、
>四国の覇者、長宗我部元親は、ついに降伏。
>わずか二月あまりで、戦いは終わった。(ナレーション)


06a

~1585年(天正13年)七月十一日~
>四国攻めの最中、秀吉は、ついに関白になった。(ナレーション)
(この際、戦闘シーンはどうでもいいや。^^)

岡崎城・徳川家康の居城
四国が平定されたことを知る家康
黒田官兵衛の功が大きいと告げる、井伊直政
何処かで聞いた名だが、思いだせない家康

高松城を水攻めにした男だと教える本多忠勝
中国大返しも全てその男が絵図を描いたと告げる榊原康政



※家康の台詞
幼い頃、今川家の人質として育った家康は、
その後、信長という気難しい同盟者の相手をつとめあげ、
その印象は「律義な御方」という人物像ではなかったかと思います。

それが、秀吉の死後、世に名高い、
「タヌキ親爺」へと豹変していくわけですが、
このドラマの秀吉同様、家康もタヌキ化が加速してるんでしょうか。

このシーンで印象的だったのは、やはり、
官兵衛のことを忘れている家康の台詞でしたね。

寺尾家康初登場、安土城で信長の饗応を受けるシーンでは、
秀吉の書状を受け取る信長と、以下の様な会話を交わしています。

>筑前殿は中国攻めの最中ですな。(家康)
(書状を読みふけっている信長)
>高松城を水攻めだと・・・。(信長)
>水攻め?(家康)
(それまでうつむいていた光秀が視線をあげる)
>川をせき止め、城を水に沈めるとは・・・、
>考えたのは、あの男に相違あるまい。(信長)

>筑前殿の軍師、黒田官兵衛とやらでございますか?(家康)
>知っておったか。もはや毛利もここまで~以下略(信長)



この台詞(前後のシーンも含めて)から読み取れる事は以下の通り。
・他国の重臣(秀吉)の、官位(筑前守)を記憶している。
・信長の軍団長の割り当て部署を熟知していて、
 秀吉は中国地方と、即座に答えている。
・信長は「あの男」としか言ってないのに、
 黒田官兵衛という軍師の存在を知っている。
・これらの事を事前に知りうる何らかの情報網を持っている。
・能を鑑賞中、信長に酒を注がれ、このシーンではワインを飲まされ、
 適度に酔っているかもしれない状況下にあって、
 これらの項目を全て記憶していて、信長との会話を成立させている。

~にも関わらず、この岡崎城のシーンでは、
官兵衛の事なんて忘れちゃってる~という設定なんですが・・、
本当に忘れてるわけ、ないですよね。(*^ー^)ノ

実は秀吉同様、官兵衛の恐ろしさを理解している家康。
しかし、ここで彼の名を聞いた途端、慌てふためく必要もない。
また、家臣達と一緒になって、ビビッてる場合でもない。
そんな事では、徳川の家臣に奴への恐怖が植えつけられてしまう。

逆に「黒田官兵衛?誰だっけそいつ?」と、
ここはドッシリ構え、忘れたふりでもしていれば、
家臣達の目には、官兵衛が切れ者であればあるほど、
わしの方が一枚上、大物に見えるだろうて~と。

そして、ノベライズ版(=当初の台本)には何処にも存在しない、
この岡崎城の場面を、あえて追加したのには、
必ず意味があるはず・・なんですが、

今回の堕ちていく秀吉同様、家康もまた、
家臣でさえ騙すタヌキへと変貌していく・・?
その「予告編」だった様な気がします。(あくまでも推測ね。^^)

▼軍師官兵衛:第32回 さらば、父よ! ~大樹逝く~