軍師官兵衛:第28回 本能寺の変 ~生か、死か~ | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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自問
お濃に最後のトドメを刺した後、
信長は、その足でさらに奥へと進んで行く。

※補足
一般的に、光秀の謀叛を知った際の信長の代表的な台詞は、
「是非もなし」というもので、
兵力の空白地帯をポッカリと作ってしまった状況下にあって、
ここで光秀に攻められたら何をどう論じても始まらない~と、
信長らしい潔い言葉ではあるのですが、



今回の江口信長は、お濃の発した最後の言葉を胸に刻み、
最後の最後まで生きてやろうと心に決め、
一つ一つの襖の先に何が待ちうけているのか?
「生か、、死か、、」と自問しながら奥へと歩いていきます。

ここに登場する幾つもの襖(ふすま)は、
「へぇ~、本能寺の奥って、こんな風だったんだ~」という、
物理的な状況を示している訳ではなく、w



古い世を作り替える為と称して、様々な権威に挑戦してきた信長。
この襖一つが、彼が、これまでやって来た事を意味し、
「新しい世への扉を開けてきた」ことを表現している訳ですね。

神に会う時
ついに最後の扉(襖)の奥で、彼が見たモノは、
普段、この寺に滞在する際に使っていた見慣れた部屋が、
轟々と燃え盛る火に包まれている姿だった。



『これが、天が下した答えか!?』と、(=台詞なし)
改めて自分の歩いてきた「道」を振り返る信長。
その彼の問いかけに対し「灼熱の業火」が答えを下す。

この炎は、地獄からの使者
それを悟った信長は、燃え盛る部屋に向き直る。



織田木瓜(おだもっこう)の家紋の下に、
赤い敷物の上に座る人物が一人。

安土城「謁見の間」にたたずむ自身を描いた肖像画が、
これまで殺してきた人々の怨念の火に焼かれる姿を見つめながら、
部屋の中央へと足を運んで行く信長

※補足
背後から吹き込んできた炎を見た後の江口さんの表情、
その顔つきが微妙に変化するのが興味深かったですね。
ここで何かを悟った、何かを決心した様に見える、
彼の細かい演技が光ってました。

何を思うか、光秀
焼け落ちていく寺を見守る光秀
「信長・・」と、彼の名を、ひと言、口にする。



敦盛
炎に包まれる肖像画を背にし、手にした刀を床に突き刺すと、
その場に座した信長は、そっと目を閉じ、
最後の「敦盛」を唱え始める。
>人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢、幻の如くなり。



再び剣を手にした信長は、桶狭間の戦いから、
今日までの戦いの日々を思い浮かべ、剣の舞いを演じ始める。
>ひとたび生をうけ、滅せぬもののあるべきか。(信長)

彼の身に降りかかる怨念の炎に斬りかかる信長。
今、自分の一生を振り返っても、
自分が手にかけた亡霊たちへ懺悔などしない。

それは、たとえ神の逆鱗にふれたとしても、
最後の時まで~悔いなく生きた証~を舞う姿だった。



>生きるも死ぬも一度限り。
>存分に生きたぞ!(信長)




太刀の刃先を首にあてがい、一息に引く信長
燃え落ちる寺と共に、彼の姿はこの世から消失した。
(参考資料:軍師官兵衛~美術の世界10

※感想
いや~、やってくれましたね、美術班!(*^ー^)ノ
ほとんど台詞無しの、このシーンを、
役者の演技と美術のみで見せる演出は見ごたえがありました。

今回の放送前、信長を演じた江口さんのインタビューに、
「これまでに無い本能寺を演じます」っていう一説があり、
そんなこと言ったって、相場は大体決まってるだろうに~と、
あんまり期待せずに見てたんですが、

この「軍師 官兵衛」の底辺に流れるテーマを、
信長のラストシーンに、かぶせてくるとは・・・、

是非も無し~の後、お濃の言葉で心変わりする信長とか、
最後まで生き抜こうとする信長の姿なんて、
これっぽっちも想像もしてなかったので、かなり驚かされました。

定番の「敦盛」も、またぞろヘタな節回しで踊りだしたら、
大爆笑と同時に、我が家のテレビモニターは、
投げつけた灰皿で破壊されてたわけですが、w
この朗読調の敦盛で安心して見ることができました。(*v.v)。

本編は、この後、後半に続きますが、
この放送回だけで、DVD買いたくなりましたね。
あとは、、お財布との相談ってことで。V(^0^)

▼軍師官兵衛:第28回 本能寺の変 ~旧主との再会~