軍師官兵衛:第7回 決断のとき 第3幕 | ♪ DEAR MY LIFE ♪

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場所は播磨の御着城。あの小寺の殿様の城ですね。
やって来たのは、櫛橋左京進(くしはし・さきょうのしん)

前回、櫛橋のおっちゃん(左京亮=さきょうのすけ)が死んじまったので、
その家督を継ぎ、小寺家の家老になり、
やや遅れたとはいうものの、これでやっと官兵衛と同格になったわけですね。

~で、何しに来たのか?といえば、

「小寺は毛利につくべき!」と進言しに来た様に見えますが、
そこはほれ、やたら才をひけらかす奴と官兵衛を評する事でも分かるように、
小寺家の将来の事を考えて・・・というよりは、自分自身の為、
とりあえず官兵衛との派閥抗争に負けまいと策を労しにやって来た~と。



ついでに、官兵衛にも根回し。

妹の光、力を、敵味方にしてしまう~そんな無粋な真似はしないよね?っと、
情に訴えるがごとくの言い分ではありますが、
自分の都合で官兵衛を威圧、悪く言えば脅迫とも受け取れます。

思い悩む官兵衛。自分の決断ひとつで、
祖父=重隆の代から気づき上げてきた黒田の礎(いしずえ)が、
すべて水の泡になってしまうかも・・・。

しかも自分のみならず、家臣達の命もかかっているわけですから、
そのプレッシャーたるや、想像を絶するものがありますね。
「失う事を恐れるな」と説く、父=職隆は流石です。
まず、こんな事をサラリと言える人は居ないでしょう・・・。(*v.v)。



御着城の評定の席。大半の家老が毛利へとなびく中、
官兵衛の声が鳴り響くっ!

>それがしは、織田につくのが最善の道と心得ます。
>しばらく、しばらく、お聞き願いたいっ!
>まずは、毛利について申し述べます。

>毛利は確かに大国ではございますが、先君、元就公の遺言に従い、
>自国の領土を守るのみで、天下を取る気概がございません。
>しかも、家督を継いだは、まだ若い輝元殿、、、


(毛利の結束は固いっ!)
(さよう、吉川と小早川が補佐しておるではないかっ!)


>いかにもっ!毛利輝元殿は、叔父の元春殿、隆景殿の助けなくば、
>采配もふれぬ若輩者ということでございます。
>その様な者を大将にいただいて、はたして、あの織田に勝てるとお思いかっ!




>一方、織田信長は、世に堂々と「天下布武」をかかげております。
>『国をおさむる者は、義立てば、すなわち王たり』
>織田は大義をもって兵を進めているからこそ、わずか尾張半国から身を起こし、
>今川義元、浅井、朝倉を滅ぼし、
>ついには武田をも打ち破る事が出来たのでございます。


>その勢いは、大河のごとく、とどまることを知りませぬ。
>さらに、織田の強みは、大義だけではございません。
>何よりも、その政(まつりごと)。


>国を強くするには、民を強くせねばなりませぬ。
>織田は、楽市楽座、関所を廃するなど、新たな試みを次々に取り入れ、
>その領内は繁栄を極めておりまする。
>人々がおのずと集い、財も集まる。




>家中においては、門地門閥によらず取り立てるゆえ、
>才覚ある者が集い、万全の構え。
>武勇知謀ともに備わった、織田信長こそが、
>天下人となるに相違ありません!


(何をたわけたことをっ!=左京進)

>殿っ!小寺家、百年の大計にございます!
>天下の潮流に乗り遅れてはなりませぬ。
>ここを見誤っては、当家は間違いなく滅びます。
>すべては生き残る為、我らが生き残るには、この道しかございませぬ!


(あい分かった!わしは、官兵衛の意見をよしとする!)

早速、殿様の命を受け、信長に会いに行くことになり、
その旅支度を手伝う光に対して、義兄上の面目を潰してしまったこと、
また、力と敵味方になるやもしれぬことを詫びる官兵衛。
それが戦国の世のならい~と慰める光。

【余談:長台詞】
智将として名高い黒田官兵衛は、
およそ常人より頭の回転が速かったと推測されます。
よって、この長台詞は、緊張と緩和をおりまぜながら、
最後までよどみなく進めなければならず、結果、このシーンは、
岡田官兵衛の名場面になったのではないでしょうか。

バラエティ番組を引き合いに出すのもどうかと思いますが、
これまで、法廷闘争劇を題材にしていた、
月曜夜10時からの「スマスマ」の「長台詞コーナー」で、
メンバーと対決する題材にしても面白いかと。w

【余談:小寺の殿様】
殿様(=鶴太郎)に悪意は無いと思いますし、
この時は、本気で官兵衛の言う通りだと感じたんでしょうね。

「理屈」では、確かに官兵衛の言う通りかもしれない。
しかし、殿様も他の重臣達も「心」から納得しているのか?と言えば、
そういう訳ではないでしょう。

信長に会いに行くことになった~とはいえ、
官兵衛は、より危険な道に、一歩、踏み出した~と言えます。

▼軍師官兵衛:第7回 決断のとき 第4幕