◆◆第1場 石川源吾との死闘 ◆◆◆◆◆◆
馬から落ち、ふらふらしながら起き上がろうとしている官兵衛。
そこへ駆け寄って来た二人の敵兵が、刀を振り降ろそうとした瞬間、
彼らの背後から「待ていっ!」という声がかかる。
官兵衛を討ち取るのは自分だと言わんばかりに、
石川源吾は、「去れいっ」と兵を下がらせる。
「石川~っ」(官兵衛)
「おのれぃ、死ねやぁ~!」(石川)
官兵衛のトドメを刺そうとした刹那、盾になるべく駆け寄る影。
石川の突いた槍先をへし折りながら、
周囲から攻撃してきた武者を叩き斬る武兵衛。
彼の身を案じて走り寄る善助と官兵衛。
「おのれっ、石川~!」(官兵衛)
「来いっ、官兵衛!」(石川)
誘い込む石川を追い、刀を振りながら猛追する官兵衛。
戦いは、一対一の一騎討ち勝負へと突入する。
幾度にも及ぶ、つばぜり合いの後、突き飛ばされた官兵衛は、
立ちはだかる石川の隙を突き、彼の足の甲に刀を突き刺す。
ひるんで後ずさりした石川の振る剣をはじき飛ばすと、
たたみかける様に組み伏せ、力任せに刀を首に押し当てると、
腕を突き立て、体の重みを利用しながら強引に首をねじ切る官兵衛。
「赤松が逃げたぞぉ~」
官兵衛が石川を討ち取った直後、味方から声がかかる。
士気を失って陣をはらった赤松軍は、全軍、敗走へむかう。
【感想】
三千対三百の戦いをどう再現するのか?
ロケ地はもとよりエキストラや馬の扱いとか、
それはそれは大変だったと思いますが、
そこは俳優さん達の迫力ある演技で乗り切ったと思います。
当たり前ですが「合戦」ってスポーツじゃないですし、
特に「石川vs官兵衛」の戦いなど、
足の甲に剣を突き刺すとか、もろに反則技ですが、
父を追い落とそうとした策謀から、おたつを殺された恨み、
そして今また、武兵衛も手にかけられた憎悪やらが入り交じり、
「何がなんでも殺す!」という緊張感がよく出ていたと思います。
◆◆第2場 武兵衛、死す!◆◆◆◆◆◆
重傷をおった武兵衛を見つめる官兵衛に、
「行って、、、、行って下さい・・・。」と赤松を追うように伝える武兵衛。
幼い日から行動を共にしてきた二人に、いま、永遠の別れが訪れる。
【感想】
子供時代から描く大河はかったるい~とはいうものの、
逆に、その頃から丁寧に描かれるからこそ、
武兵衛との別れのシーンは、切なさ倍増ですね。
ただ、合戦直前の、お国(ショコたん)とのシーンはどうなんでしょ?
もろ死亡フラグが立ってるので、史実を知らない人にも、
「ああ、この後、武兵衛さん死ぬんだな・・」と分かってしまうのは、
ちと、もったいない気がしました。(*v.v)。
武兵衛にうながされ、馬に乗り込むた官兵衛に、
「続けぇ、官兵衛~」と、休夢や職隆が声をかける。
「姫路をお守り下さい・・・」
騎乗する官兵衛の姿を見守りながら、そう呟く武兵衛。
「善助、頼むぞ。俺に代わって、殿を・・・」
泣きはらす善助の腕の中、武兵衛は静かに息をひきとる。
赤松軍を追い落とし、戦いを終え城へ戻る黒田軍。
しかし、帰還した兵士達の中に武兵衛の姿は無かった。
泣き叫ぶお国を静かに抱きしめる光。
姫路は守られた。それは、まさに「死闘」と呼べる戦いだった。
官兵衛の掛け声のもと、天高く剣を突き刺し勝どきをあげる黒田軍。
▼軍師官兵衛:第5回 死闘の果て 第5幕