【EPOROの特長】
魚は障害物を回避しながら、密集して泳ぐ事ができる。これは最寄りの仲間の位置に応じて衝突回避・並走・接近と云う3つのルールに従って動きを変化させているからである。日産自動車株式会社は魚群の3つのルールをロボットカーに適用し、自由に変形可能な群れを形成し安全で効率の良い走行を実現した。

歴々各々方のブログ
日産HPより拝借

【技術概要】
魚は主に『側線感覚』と『視覚』をセンサーとして周囲の状態を認識している。この『側線感覚』の役割をレーザーの反射光から障害物までの距離を計測する『レーザーレンジファインダー(LRF)』を用いて実現した。また『視覚』の役割を、パルス信号を送信して反射するまでの時間差から対象物の位置を計測する『UWB通信技術』により実現した。これらの2つの周囲環境認識技術と魚群走行の3つのルール(衝突回避・並走・接近)を組み合わせてロボットカーに実装し、魚群のように自由に変形可能な群を形成して走行する事を可能とする。

UWB通信技術=近距離用の無線通信

2009年10日1日『CEATEC JAPAN 2009』へ出展 日産HPより抜粋

この技術も魚群がぶつからず泳ぐ事を模倣したバイオミミクリー。自然界と云うのは、現代科学では到底及ばない程効率的です。
以前のエントリーでも書いたのですが、僕なりに思う宝の山が3つあります。
①官・学に眠る実用化されていない研究結果
②数学を利用した効率化
③自然界

①には、実用化されず眠っている研究結果がたくさんあります。理由は幾つかあるでしょう。現状では実用化は無理であったり、1つの会社だけで開発を完結させようとし行き詰ったり。そして知らなかったり。これだけ情報化社会になり、様々な情報が飛び交っています。僕が勿体ないと思うのは知らない事。マスコミに大して取り上げられない情報もあります。ですので、会社で完結しようとせず官・学との連携を中小企業さんも積極的にアプローチする必要があると思います。

②の数学の利点は、一々試さなくてもある程度の道筋が可能である事。サービス業なんかは、まさに効率化を生き残る道と考えていませんか?しかしサービス業程、道筋を整えるのが非常に困難です。何故なら係わる人間(部署)が多く、其々事情を抱えています。更にサービス業は物質ではない。
ただ中小企業さんがシミュレーションを組めるほど、数学の専門家がいるとは思えません。そこで大学も、サービス業の技術革新をテーマに企業さんへ積極的に係わる事。もうやっていますが…これからでしょう。

③は言わずと知れた生物模倣です。自然界の効率の良さを一つ一つ解明していけば、オンリーワンをもつ企業が割拠すると思います。

あくまで僕の私見です。