【著作権 侵害・違反を考える】 by All rights reserved.
2009-06-29 04:16:49

契約書は著作物?

テーマ:著作物性・思想又は感情


著作権 侵害・違反を考える-思想又は感情



タイトルの質問にお答えする前に、まず、著作物の要件の一つである「思想又は感情」についての定義を説明したいと思います。



一般的には以下のように定義されております。


「人間の知的・精神活動をいい、単なる客観的な事実やデータ、事実の伝達にすぎない時事報道は該当しない」



人間の知的・精神活動であることが前提となりますので、以前に取り上げた自動証明写真機により撮影された写真のように、機械が撮影したものは、これに該当しないことが明白ですよね。



また、タイトルの質問を考えるうえで、「単なる客観的な事実」に契約書が該当するのかどうかということを考えなければなりません。









【質問に対する回答】

・契約書は、ほとんどのものが著作物には該当しない

契約書の著作物性について争われた事例として、私が唯一知る裁判例の中の該当箇所のみを以下に取り上げます。ちなみに本例は「土地売買契約書」の原本を返還せよという内容の訴訟です。






【判例】


昭和62年5月14日 東京地裁判決 昭61 (ワ) 8498号


「土地売買契約書の記載内容は、思想又は感情を創作的に表現したものであるとはいえないから、著作物ということはできない」





著作権 侵害・違反を考える-契約書


【判決から考察】


本例は、結果として土地売買契約書は著作物には当たらないとしました。やはり、土地売買契約書は単なる客観的な事実を記載したのみであるとみなしたようです。



本例から考えると、おそらく日本に存在するほとんど全ての契約書が著作物には当たらないとなります。ただ、この日本のどこかにはやたら独創的な契約書があるかもしれませんので、それは著作物に該当するのかもしれません。



まあ、とりあえずビジネスで使用されているような契約書はまず著作物とみなされないと考えてよいでしょう。



もし、ビジネスで作成する契約書が著作権で保護されるとなれば、その契約書の雛型を使用するにも著作権者に許可を得なければならないことになります。



そんなの、とっても面倒ですよね。ビジネスにならなくなってしまいます。



次回も「思想又は感情」についてもう少し掘り下げて考えたいと思います。




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