胆汁とメタボ? コンニャクも役に立つ | 両国キッズクリニック (墨田区) のブログ

両国キッズクリニック (墨田区) のブログ

両国キッズクリニックは小児科全般の診療ならびに予防接種・乳児検診を受け付けています.予約も取れます(ホームページからどうぞ).皆さんのよきかかりつけ医になれるようにがんばっています.診療時間の短縮に心がけています.

メタボは metabolicで「代謝」の意味だから、本来すべての代謝に関してメタボっていうのでしょうが、ついつい肥満や脂質代謝が頭に浮かびますよね。メタボ=おなかが出ている って感じですね。糖尿病もメタボの一種です。最近は子どものころからメタボに気をつけましょうといわれています。

ところで、食べた脂肪分はどうやって消化・吸収されているのでしょう。食べた脂肪は、多くは中性脂肪(グリセロールに3本の脂肪酸がくっついている)の形をしています。中性脂肪は十二指腸で胆汁により乳化(脂肪にも水にも溶ける感じ)され、膵臓からでるリパーゼという消化酵素で、モノグリセリド(脂肪酸が1本だけになったもの)と脂肪酸、グリセロールなどに分解されます。グリセロールは水に溶けやすいので、そのまま小腸から吸収されます。モノグリセリドと脂肪酸は、胆汁に含まれる胆汁酸でミセルという水に溶けやすい小さい分子にしてから吸収されます。胆汁やそれに含まれる胆汁酸が脂肪の吸収には大切な役割をしているのがわかりますね。

そこで、胆汁酸をどんどん体から出して、肥満や糖尿病が改善するという報告がありました。コレステロールを下げる治療はいろいろ行われていますが、そのひとつに胆汁酸を吸着するレジン(樹脂)があります。再吸収させないで胆汁酸を体から排出させてしまおうという方法です。この詳しいメカニズムが慶應義塾大学の渡辺光博先生らの研究で明らかになったそうです。渡辺先生らは、マウスを使った実験で胆汁酸吸着レジンで古い胆汁酸を排出させることで、新しい胆汁酸の合成が促され、エネルギー代謝が高まって脂肪燃焼・血糖値低下によって、糖尿病が改善したそうです。

日本古来の食物繊維を多く含むモズクやコンニャクなどにも胆汁酸吸着作用があることから、「これらにもメタボリック症候群発症の予防効果があると考えられる」だそうですよ。おでんの中のコンニャクはおいしいですが、健康にも役立っていたかもしれませんね。


130-0021 東京都墨田区緑1-14-4 両国TYビル3F
小児一般、予防接種、乳児検診の
両国キッズクリニック
TEL
03-5669-8100(代表) 予約電話:03-5625-1489(自動音声案内)
URL
http://www.tyo-heart.jp/r-kids/index.html
医療情報・お知らせ:http://ameblo.jp/tyo-heart-ryogokukids/

墨田区の小児科医です。受診時間の短縮を心がけています。