「園児と同じ昼食を食べていきませんか」

 福岡市早良(さわら)区にある高取保育園を訪ねたとき、園長の西福江さんに誘われて給食をいただいた。有機栽培で育った玄米に旬の野菜、調味料は無添加のもの。かめばかむほどおいしい。みそは子供たちの手作り。麦麹(こうじ)、米麹、煮大豆を混ぜ合わせ、手でこねて足で踏んでならして、みそ玉にして樽(たる)に詰め込むそうだ。自然のおいしさとともに、保育園がここまで食にこだわることに驚いた。

 西さんが保育園で実践してきたのは6項目。伝統の食べ物をとる、季節のものをとる、主食は玄米、丸ごと食べる、正しい食べ方でいただく、感謝の心でいただく-である。これを40年間続けてきたという。西さんはこう話す。

 「食の洋風化とともに乳幼児にもアレルギーが増えてきたことから、その解決方法をさぐるなかで食は命なりということにたどりつきました。食は豊かな人間性をはぐくみます」

 園児らがみんな元気に裸足(はだし)で走り回っているのを眺めながら、幼児教育の大切さを知った。

 西さんを訪ねたのは、昨年10月から九州・山口向けの地域ニュース面を創設した際にスタートした連載企画「教育往復書簡」に寄稿してもらうためだ。これは江戸時代の子弟教育を支えた寺子屋を現代に復活させようと活動している「寺子屋モデル」代表世話役社長の山口秀範さんと、さまざまな教育関係者の書簡のやりとりを週1回、掲載するコーナーだ。

 山口さんは長い海外生活から、世界の子供たちよりも輝きが失われている日本の子供たちに気付き、なんとかしたいと大手企業を辞めて教育の世界に飛び込み、偉人伝を語り伝えたりしている。

 山口さんの紹介で教育に携わる多くの方に執筆してもらっている。しつけをしっかりと教えている園長や母乳が食事の原点という母乳育児コンサルタントら。文面から懸命に実践してきた子供への思いが熱く伝わってくる。

 最近、山口さんが昔の禅師の漢詩を引用しながら、「子供たちの伸びようとする本性をまず信じて、筍(たけのこ)を育てる春風のように、ここぞという場面で素質を開花させる適切な後押しを」と指摘していた。受け取る原稿を読みながら、春風の役割を担っている人たちがたくさんいることに気付くとともに、子ども手当をばらまくだけでは本来の子育てはできないのではないかとも感じている。(九州総局長 広瀬千秋)

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