twill

こんなブログにご訪問いただきありがとうございます。

読者登録されている皆さん、本当にありがとうございます.


ようやく、たくさんの本が店にならぶようになりました。
在庫も十分、どんどん読んでいきたいと思います。


現在、携帯電話からのコメントはできません。

1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>

不正会計

テーマ:経済小説 2009-11-22 14:30:00
不正会計 (講談社文庫)/杉田 望

¥730
Amazon.co.jp

文庫本オリジナル作品です。
2007年に解散をしたみすず監査法人を描いた作品です。
山一證券・ヤオハン・足利銀行・カネボウ・ライブドアマーケティング・
日興コーディアルグループと担当する企業の粉飾決算が明らかになり
解散に至ることになった、切なさの残る物語となっています。

主人公は、あずみおおたか監査法人の青柳良三、彼は金融庁を
辞めて公認会計士となった少し変わった職歴の持つ主です。

老舗繊維衣料メーカーの兼高、この企業が粉飾をしているという
疑惑が浮上し、金融庁も動き出したという情報が入るのでした。
この時、青柳は助っ人として参加をしたものの直接の担当をして
いなかったので、今ひとつ理解できないでいました。

この疑惑をきっかけに、あずみおおたか監査法人と青柳の運命は
大きく動き出すのでした。
青柳は正義感の強さ、そして一連の疑惑の真相を確かめるべく
動き出すのでした。
精神的に追い込まれていく姿、早く法人から去るように促す金融庁の
元同僚、何かが、とてつもなく大きな力が動き出している。
それは一体何なのか、突き止めることができるのか。

とても切なく、読み終えてため息の出る、これが事実であったならば
本来の目的からは程遠く、公認会計士の無限責任という義務が
重くのしかかり、結果が今の日本なのかという感じがします。



同じテーマの最新記事

排出権商人

テーマ:経済小説 2009-11-21 23:55:00
排出権商人/黒木 亮

¥1,785
Amazon.co.jp

黒木氏の本格的な経済小説の最新作です。
今回は、排出権ビジネスがテーマです。
その取材力には驚かされるばかりです。

そもそも排出権とは。
京都議定書で達成困難な温室効果ガスの排出削減目標を
お金で解決する手段、結局、お金、ビジネスになるのです。
莫大な金額で「排出権」を買いまくり議定書の目標を達成しようと
する、人間が作り出した目標に市場が出来、空気が大金になる。
この議定書が破棄されたりしたらどうなるのか、なんとも
不思議な市場なのです。

主人公は、新日本エンジニアリングで新しくできた地球環境室長の
松川冴子、左遷のような扱いで、部下は2人。
何もかもが初めての中で、排出権ビジネスがどんなもので
あらゆる利権が絡むようになっている事を知っていきます。

当然、無茶な目標を受け入れざる得ない状況で設定された日本、
各国の格好のターゲットにされるのでした。
中国という大国を相手にしたビジネス、
排出権と温室効果ガスの削減技術の現状、そして地球温暖化は
本当にこのまま進行していくのかという説、
交渉の大変さと、突然、空気がビジネスの道具となる事実。
大変勉強になり、面白く読ませてもらいました。


日経ヴェリタス 大江麻理子のモヤモヤとーく

テーマ:ちょっと息抜き 2009-11-20 23:55:00
nbb 日経ヴェリタス 大江麻理子のモヤモヤとーく (日経ビジネス人文庫)/日経ヴェリタス

¥700
Amazon.co.jp

さて、日経ヴェリタスを毎週読んでいる訳ですが、
これと連動してポッドキャストがあります。
それが、日経ヴェリタス 大江麻理子のモヤモヤとーくです。
この番組が文庫化されました。

毎週、楽しく聞いていた番組、その時取り上げられた世界情勢から
マーケットの情報などが、文字となって再現さえています。
その頃に起きた経済情勢などを改めて認識することができ、
この本のいいところは、その後どうなったかが書かれていることです。

収録の様子や、番外編も載っていて面白かったです。
簡単に読めるので、数時間あれば読み終えることができます。



月華の銀橋 勘定奉行と御用儒者

テーマ:経済小説 2009-11-15 13:10:00
月華の銀橋 勘定奉行と御用儒者/高任 和夫

¥1,890
Amazon.co.jp

時代小説でもあり、経済小説でもある作品です。
江戸時代、将軍徳川綱吉は破綻寸前の幕府財政を再建するために
主人公、荻原重秀の先進的で画期的な改革を描いた物語です。

4代将軍の綱吉時代、戦争も無く徳川政権が長期になり幕府内は
世襲、癒着、怠慢と何だか現代を思わせるような状況下に、
旧弊を切り捨てるべく重秀の改革は突き進むのでした。

そもそも、生まれも旗本の父荻原十助種重の次男として、これまでの
時代では出世もそこそこに終えるのが当たり前とされた時代に、
彼は、その強引な手腕で次々に実績を積み重ね、勘定奉行にもなった男です。
彼を敵視するものはたくさんいましたが、彼の実績はその恨みやねたみも
一蹴するほどでした。

貨幣改革に取り組み何とか幕府の財政を立て直し続ける彼に儒学者、
新井白石という男が立ちはだかるのでした。
改革者、それも急進的な改革者、重秀に恨みをぶつける白石のとった
行動は何なのか。

まさに現代と同様の出来事が起こっている、やはりどんな時代でも
背景は違っていても、繰り返す、そして治療には豪腕な改革者が
必要、それが成功したどうかの判断はずっと後にしか分からない。
この繰り返しなのだと感じた作品でした。


メタル・トレーダー

テーマ:経済小説 2009-11-08 13:00:00
メタル・トレーダー (講談社文庫)/徳本 栄一郎

¥900
Amazon.co.jp

以前読んだような・・・
ネタ切れなので、文庫本のコーナーを見ていたら
面白そうな作品があったので早速購入してみました。

そもそも、この作品は、1996年に発覚した住友商事で26億ドルの
損失が発覚した元非鉄金属部長の長期にわたる簿外取引を
題材にした作品です。

ミスターファイブパーセントと呼ばれ、銅の取引市場に君臨した主人公
上杉健二の人生とその事件の真相を見つけ出そうと必死に取材をした
通信社の記者、根本誠一を描いた物語です。

もともとはちょっとした簿外取引での損失、そこにつけ込まれどんどん
簿外取引の額が膨れあがり、相手外の市場の規制措置により多額の
損害が発生したマーケットの恐ろしさと、走り出したら自己保身のためにも
止めることが出来ない自体に追い込まれる様子、それを最大限に利用し
手段を選ばない投資ファンド。

この事件の本当の犯人、誰が一番悪いのか。
結局事件は、直接手を下した上杉の単独犯ということで裁判も結審し
世の中がそういう結論に納得をした、そのようにマスコミが誘導したとも
言えるスポンサーという立場を利用した圧力、記者の根本は休職という手段を
とり取材を続行し、最後には、この事件の仕組みと真犯人、そして世の中の
構造、マーケットという舞台の恐ろしさを認識することになるのでした。

現実に起きた事件をモチーフにしていても、やはり金額の想像がつかない、
しかし、恐怖を実感できるリアルな物語です。
銅の市場取引の仕組みなど普段の生活では絶対に接することのできない情報が
満載でとても面白く読ませて頂きました。



特命回収

テーマ:経済小説 2009-11-01 13:16:39
特命回収/倉澤 遼

¥1,200
Amazon.co.jp

今週になり、関連する記事も出ていた商工ローンを舞台にした作品です。
バッシングをメインにしたものでも、経営者を主人公にしたものでもない、
その、いち社員を主人公にし、商工ローンとは何であったのか?
中小企業向けの名前を代えたサラ金だったのか?
商工ローンの裏側をリアルに描いた作品です。

主人公は、商工ローン最大手、スーパーファンド社の社長室長兼管理部長の
倉澤哲郎です。彼は、カリスマ的なオーナー社長のブレーンとして驚異的な
債権回収率で会社を急成長させていきます。

銀行などとは違い、その与信、審査方法は凄いとしか言いようが無く、
まあ、返済不能になった客からすると、その回収方法は、やはり嫌悪感を抱くでしょう。
確実な担保、それは個人だけでなく、連帯保証人の生命保険解約返戻金までを
調べあげ必ず回収できると判断したものにだけ貸し付けを行うことでした。

法という武器を消費者、借り手では無く、貸し手側に最大限に利用し回収を行う
方法は頭が下がります。ここまでやっていたのか、というのが率直な感想です。
そんなスーパーファンド社もある時期を起点に会社がうまく回らなくなっていきます。

過払い請求の判決から、世論の風向きは厳しくなっていくのでした。
そんな中でも最大限の工夫と努力で乗り切ろうとがんばりますが、社内のガバナンスが
とれなくなり、情報漏洩や横領など悪化を辿っていくのでした。
その行く末は。

主に管理部長としての目線で、経営者とは違う立場、会社の愛する精神とも違う目線で
その業務に関しての内容が詳細に描かれ、とても面白かったです。




巡査の休日

テーマ:警察小説? 2009-10-25 13:45:00
巡査の休日/佐々木 譲

¥1,680
Amazon.co.jp

映画「笑う警官」が11月14日に公開するのを前に、
この作品の続編が出ました。
道警シリーズも第4弾ということで安定した感じがでてきました。

前作の逮捕劇、巡査の小島百合が発砲して、ようやく逮捕した
ストーカーの鎌田光也は、何とその撃たれた傷を治療するため
入院していた病院から、看護婦や患者を次々と人質にとり脱走を図ります。

時は、初夏の札幌を舞台に行われる北海道の一大イベント
「よさこいソーラン祭り」を目前にしていました。
混雑する中で、鎌田は行動を起こすのか。
ストーカーの対象だった村瀬香里への突然の脅迫メール。
脱走した鎌田なのか、それとも新たな事件なのか。
懸命の捜査にも全く進展がみられることなく祭りは始まるのでした。

新たな事件と過去の事件、そしてこのシリーズの根源でもある
道警組織への挑戦、様々な事件が混在しながら何かが少しずつ
動きだし、それは一方では解決し、一方では闇に葬られていくのです。

佐伯、津久井、小島、それぞれの部署で与えられた仕事をこなすなか
やはり何かがつながっている。
シリーズ化するなかで、闇は深くなり、一方では事件解決という平和な
時間が訪れる、今回の結末はそんな安堵感も漂う作品でした。

完黙

テーマ:警察小説? 2009-10-24 23:55:00
完黙/永瀬 隼介

¥1,680
Amazon.co.jp

所轄は本庁の犬にあらず!という訳でどんな作品かと
読み進めると・・・チェック不足、勢いで購入した罰が
あたりました。苦手な短編小説、しかも連続しない全く異なる
ストーリー、参りました。

東京から来た男

秘密捜査

昔の男

完黙

師匠

これら5つの作品が収められています。
いずれも本庁の刑事から所轄へ飛ばされた刑事が主人公となり
捨てきれないプライドとどうしようもない現実の狭間で生きる
それぞれの主人公を描いた作品です。

共通するテーマで描かれた物語、それぞれに面白さがあり
主人公もキャラの個性がちゃんと伝わってきて、楽しめました。
階級の世界で生きる男達はプライドが高いもの。
そのプライドを捨てたもの、捨てきれないもの、色々ありますね。

その事自体がどうって事はないのですが、捨てる捨てないは
どちらがいいのかは、結論が出ませんでした。
ただ、それぞれの人生、みな何とかして生きようとする姿を
ひしひしと感じる作品でした。


鉄の骨

テーマ:経済小説 2009-10-18 13:55:00
鉄の骨/池井戸 潤

¥1,890
Amazon.co.jp

池井戸潤氏の最新作、今回は未だにその体質が昔のままだと
言われ、業界全体が脱却しようと試みるもなかなか改善されない
ゼネコンの談合問題をテーマにした作品です。

談合が無くなれば自由競争となり、それは利益を無視したダンピング
とにかく契約をし前金を受け取り会社を回していく、そんな経営状況、
自転車操業にあるゼネコンでは、全体の利益より目先の現金に走り
業界が崩壊してしまう、そんな危機感から談合の必要性を訴える業界。
日本の闇の習慣はどうなるのか。

主人公は、中堅ゼネコン「一松組」の入社3年目、富島平太。
現場でマンションの建設を監督していました。
彼は、突然業務課へ異動が命ぜられます。
そこは、公共事業を担当する会社の中枢、一松組は業務課の
落札により生き延びているといってもいい、生命線でした。

ここで平太が経験する、談合の実態、裏側で動くフィクサーの
存在、ゼネコンの未来を悲観する現状。
談合は犯罪でも、必要悪と割り切り、そしてサラリーマンとして
命令に従い黙々をこなしていくのでした。

そこに出てきた、2000億円規模の地下鉄工事。
会社の運命が託されたこの工事、必ず取る、号令の基に社員が
特別体制をとり見積もりに奔走します。
でも、その工事にも「調整」が行われようとしているのでした。
入札に参加する企業との争い、情報戦、フィクサーの登場で
その戦いは熾烈なものから、完全に弛緩していきます。
しかし、常務はそのまま一番札を狙いにいくよう指示が出ます。

この談合はどうなるのか。
人間関係や企業の技術力、会社の存亡に関わる展開に
はらはらしながあ読みました。
談合というものが、どうすれば無くなるのか、そして平太が
思う事は。
日本の古い体質を鋭く指摘します。
とても面白い作品でした。


ハング

テーマ:警察小説? 2009-10-11 15:00:00
ハング/誉田哲也

¥1,680
Amazon.co.jp

こんな切ない警察小説ってありなのでしょうか。
読み終えて残るのは、あまりにも酷な結末、そして・・・

迷宮入りとされた事件が、あるきっかけにより再捜査と
なり、この物語は悲惨な経過をたどるのでした。
警視庁捜査一課特捜一係堀田班を襲った事件。
赤坂で起こった宝石店店主の殺害事件、犯人は捕まらず
迷宮入りするはずだった、それは迷宮入りすべく処理された
はずの事件、それが何故に再捜査になったのか。

主人公は巡査部長の津原英太。
堀田班は堀田をはじめ、津原、植草、小沢、大河内の5人で
構成され、ある日、この赤坂の件を担当する事になります。
とんとん拍子で逮捕された真犯人とされる男。
自供に基づく裏付けをとりつつ起訴へ。
裁判では、一切を否認する被告。

すべてが仕組まれた、完全に罠に填ってしまった彼らの運命は。
仲間が次々と亡くなっていく、そして一番大切なものも。
読み進むと憤りで苦しくなります。
そして結末と、真相を知った時、その気持ちは最高潮に達します。

どうして、こんな展開になってしまうのか。
ここのところ、物語の展開に大いに不満の残る作品が続いています。
ここまでしないと今の社会で受け入れてもらえないのでしょうか。
登場人物に感情移入してしまうので、どうしても読み終えた後の
気持ちが穏やかにはなりません。


1 | 2 | 3 | 4 | 5 |最初 次ページ >>
powered by Ameba by CyberAgent