ルパン三世 ~カリオストロの城~ | 愛の万華鏡

ルパン三世 ~カリオストロの城~

【公開】

12.15.1979


【主演】

ルパン三世(山田康雄)、次元大介(小林清志)、

石川五ェ門(井上真樹夫)、峰不二子(増山江威子)、

クラリス(島本須美)、銭形警部(納谷悟朗)


【監督】

宮崎駿


【一言ストーリー】

ルパン一味がカリオストロの不正を正す。


【個人的感想】

ルパンの映画シリーズとしては2作目であり、

宮崎駿の長編アニメ初監督作品です。


この映画が公開されたころ、

テレビのルパン三世も放映されていたのですが、

実は、この時期は「セカンドシリーズ」でした。

何が違うって、赤いジャケット着て、

アルファロメオに乗っているルパン三世だったんですね。


で、そんなルパンが人気絶頂のころに、

宮崎駿はあえて「緑ジャケット」のルパン三世を描きました。


有名な話ですが、

ルパンの年齢設定も、「おじさん」と呼ばれるぐらいまでに

引き上げています。


宮崎駿の挑戦だったのですね。

彼は、ルパン三世第1シリーズの製作スタッフとして参加していました。

彼にとって、ルパンとはまさに70年代前半のルパンなのであり、

それに対する意思表示だったのでしょうね。

(この傾向は、セカンドシリーズの最終話で、

より色濃く表現されています。)


宮崎駿の作品が色あせないのは、

「子供向けアニメ」という側面を持ちながらも、

「大人も入り込める余地がある」という側面もあるからなのかもしれませんね。


「人を排泄物扱いしやがって。ふーん」

というセリフがありますが、

私はこのルパンのセリフが、その象徴だと思います。


アニメを単なる娯楽として終わらせるのではなく、

究極の娯楽にまで引き上げた、

という功績が、この作品を皮切りに始まっていきます。


監督として、アニメに対する信念を曲げない、

そして、それを表現するだけの力がある、

数少ない監督なのかもしれません。


アニメだけではないのですが、

世界的に名を残す監督というのは、

映画を「究極の娯楽」と考えているのかもしれないですね。