使えるビジネス心理学

こちらはプロカウンセラーの集団であるカウンセリングサービスが提供するビジネス心理学のブログです。
経営者・管理職・従業員など様々な立場や視点から仕事に使える心理学をご紹介いたします。


テーマ:
大塚亘 講師:大塚亘


私はここ数年、日本や世界の政治経済、また、日本の近現代史にとても興味があって、評論家の講演を聞いたり、書籍を読むことに夢中になっています。

戦後の日本では、学校で日本の近現代史はあまり教えてくれないので、40代半ばのおじさんである私ですが、はじめて知ることばかりで、とても楽しく、興味深く学んでいます。

歴史は、過去に起きた事実の集合体であり、本来はたった一つの事実しかないはずなのですが、面白いことに、その事実をどう意味づけるか、歴史の流れの中でどう解釈するかなどで、人により様々な異なる見方が出てきます。

たとえば、先の大戦で日本は悪いことをした、という人もいれば、先の大戦で、日本は、アジア諸国を欧米の植民地主義から救った、という人もいます。全く真逆の意見ですよね。

私は、そもそも歴史的事実を全くと言っていいほど知らなかった勉強中の身ではありますが、私も人間なので私なりの意見を持っています。そのため、どちらかといえば、私の意見に近い評論家の講義を聴くことになります。

ただ、私が好きな評論家や言論人はたくさんいるので、さまざまな話しを聞くことになりますが、その中で私が気づいたのは、

全く同じ主張をしている人は誰一人としていない

ということでした。内容は歴史で一つであるはずなのに、そして、私の意見と同じ傾向を持つ言論人の講義ばかりを私は聴いているはずなのに、それでも、誰一人として、全く同じ意見になることはなく、必ず違う部分が存在するのです。


なぜこんなことを書いたかというと、

これは、カウンセラーによって、言うことが必ずどこか違うのと同じだ!

と気づいたからです。

カウンセリングサービスのカウンセラーは、全員が、同じカウンセラー養成コースで学んでいます。全員が全く同じカリキュラムで学びます。それでも、なぜ言うことが違うのか、私はプロカウンセラーになってからも、あまり理解していなかったことが自分で分かったのです。

同じ意見の言論人が一人もいないことに気づいて、私は、なんとなく腑に落ちました。

そうか、これが「個性」というものなんだな

ということに。そうすると、全く同じ人間は、もしかしたらこの地球上に一人もいないのではないか、十人十色どころではなく、70億人70億色かもしれないと思いました。

同じカウンセラーは一人としていない、だから、必ずどこかに違いが出てくるということがようやく理解できた気がしたのです。


さて、ビジネスと何の関係があるんですか?という声が聞こえてきそうですが、ここからが本題です。

会社に勤務しているビジネスマンには、「人事異動」というものが発生することがありますよね。部署内での担当業務の変更というような軽いものから、事務職が営業部へ異動となるような職種そのものが変わってしまうもの、また、転勤を伴うものなど、さまざまですよね。

新規事業の立ち上げをすることになって、今まで社内では、その業務を誰も経験したことがない、という場合もあるでしょうが、人事異動の多くは、担当業務の変更であっても、転勤を伴う場合であっても、

前任者から引き継ぐ

ということになると思います。

さてここで考えてほしいのですが、もし70億人70億色だとしたら、前任者とそれを引き継いだ自分は、必ず違う個性を持つことになります。

もちろん、前任者から仕事を引き継ぐ場合には、前任者がしていた仕事のやりかたを教えてもらうでしょう。そして、しばらくは、その前任者のやり方と全く同じように仕事をするかもしれません。

しかし、しばらくして仕事に慣れてくると、必ずといっていいほど、前任者とはやり方が異なってくるはずなのです。前任者の効率の悪さに気づき、やり方を変えるかもしれませんし、仕事の効率や結果は同じであっても、自分がやりやすいように手順や方法を変えたりするかもしれません。

もちろん、明らかな単純作業で、誰がやっても効率もやり方も同じ、という場合もあるかもしれません。しかし、ある程度自分の判断が求められる仕事であるなら、前任者と全く同じになることはないはずです。なぜなら、70億人70億色だからです。

私がみなさんにお伝えしたいのは、70億人70億色だから必ず異なってくるはずなのに、

自分の個性を殺し、前任者通りにしようとする

という落とし穴がありますよ、ということなのです。個性はみな違うのですから、やり方も異なるはずなのですが、もし前任者と全く同じことをするのが良いと「思い込み」、前任者のコピーのように仕事をしたとしたら、

まず間違いなく、仕事の効率は低下しています

なぜなら、前任者は、前任者の「個性」に合った仕事のやり方をしている可能性が高いので、前任者とは違う自分が、前任者のコピーのように仕事をしたとしたら、まず間違いなく自分に合っていないからです。合っていないやり方で上手くいくはずはないと思いませんか?


私の経験をひとつお伝えしたいと思います。社内の人事異動ではありませんが、似たような構図です。

私は、カウンセラーと並行して、社会保険労務士業という自営業を15年ほど行っています。自営業ですからゼロから自分で営業するのですが、同業の先輩がいますので、初めは、先輩方の営業方法をまねて、頑張って営業します。

しかし、私もそうでしたが、ある程度伸びてくると、営業方法や、そもそもの自分の売りたい商品について、先輩方とはだんだんと異なってくるのです。そして、そのような「個性」が出ている自営業者は、みな、ある程度以上の成功をつかんでいます。

逆に言うと、先輩と同じようにすることが正しいと「思い込み」、自分の個性を殺して、先輩のコピーのように営業する人もいます。そうすると、興味深いことに、なかなか事業が軌道に乗らないのです。

実際に、私の後輩で、個性を出していないので伸び悩んでいたり、そもそも上手くいかなくて廃業してしまった人もたくさんいるのです。


私の想像ですが、深層心理で自分に自信がないと、先輩のコピーのようになってしまう気がします。しかし、私だって、自信はありませんでしたが、個性は勝手に出てきてしまったのです。

個性を出した方が、仕事はやりやすいし、効率も良くなるでしょう。みなさんは自分らしく働いていらっしゃいますか?

自信はなくてもかまいませんから、ぜひ、自分自身の個性を仕事で発揮してくださいね。
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