「阿修羅ガール」舞城王太郎 / 摩訶不思議な自閉空間
テーマ:国内文学その他
- 舞城 王太郎
- 阿修羅ガール
むむむ 。なんと表現すればよいのやら。
エンターテイメントと文学の垣根を越えて嘱望されている作家、舞城王太郎。
初読である。
主人公はちょっぴりアーパーな女子高生。冒頭いきなり、後味の悪いセックスについての締りのない独り言で幕を開けるこの小説に、僕は眉をひそめる。
やれやれ。主人公に作者自らのアイデンティティを仮託して自分語りに終始する、くだらない日常のモノローグかよ。青春の不安定や存在への不安なんざ、いまさら読む気もおこらんぜ。
いくら一人称で進められる小説ったって、「つーか、それ」とか「超長く感じる」とか、地の文に崩れまくった口語を交えすぎる小説には辟易してしまう。
僕は心が狭いのである。表現技法とはいえ、弛緩した言葉遣いをこれでもかといわんばかりに続けられると一気に興ざめしてしまう。別に今風の女子高生のぐだぐだライフなんぞには興味もない。それがいかにセンシティブな代物であっても、渋谷や新宿あたりにたむろしてギャーギャーいってる連中の内面には、これっぽっちも共感できないのである。金原ひとみの「蛇にピアス」なんて、ちっともおもしろくなかった。だれかれ悩みはあるし、人間生きてりゃ覇気のない若気なんてわざわざ物語の形に凝縮して見せられる必要もないくらい飼っているもんでしょ。「情けない自分」に酔っていたい甘ちゃん以外には、どうだっていい小説です、あれは。
この「阿修羅ガール」も、どうやらその類いらしい。あほらしいから、もう読むのをやめてしまおうか。
と、心の中でひとりごちた頃合いだった。
物語がぐるりと転回しはじめたのは。
イマドキ女子高生アイコの昨晩のお相手が誘拐され、どうやら殺されたらしい。騒然とする学内の片隅でリンチをくらうアイコ。トイレを舞台に、血しぶき舞い散る女のたたかいが行われる。
おまえなにか知ってるんじゃないのか。ハァ、馬鹿いってんじゃないよ。こんな具合である。
なんですか、本宮ひろしの漫画ですか。「だっしゃー」とか「じゃっかましいんじゃ、ボケー」などの雄たけびが飛び交う空間に近づいてきてますよ。
膝蹴り一閃、最強の敵をトイレの床に沈めるアイコ。そして帰宅。
むむむむむむ。
さらに世間を騒がす猟奇殺人魔「ぐるぐる魔人」の、事件への関与が真実味を帯び始めたころから、アイコを取り巻く世界がヒステリックに駆けだしていく。
ネット上の巨大コミュニティ「天の声」から派生した中学生狩り(「天の声」では、ぐるぐる魔人の正体が中学生と推定されている)が街中いたるところで勃発し、あおりを食らったアイコは殴打されて意識を失ってしまい、そこからストーリーは超常現象や化け物の入り乱れるアイコの夢の世界に足場を移してしまう。
うははは。
もうなにがなんだかわからない。わからないまま物語はズンズン進む。ヒップとしかいいようのない筆致で、作者は突っ走る。
念力で岸壁に字が浮かび上がったり、風采のあがらないオッサンが空を飛んでアイコを助けにきたり、物語内物語がいきなり差し挟まれたり、イカレたぐるぐる魔人とアイコが合体してしまったり。
漫画です。もう完全に漫画です。奇天烈な舞城ワールドが出現しています。相変わらず崩れまくった口語体がスパークし、まったくわけがわからない。このままいくと、物語はいったいどうなってしまうのか。まったく想像つかん!知らないぞ、ホントに知らないからな!
……の、わりに妙にさわやかなラストをむかえ、どことなく地に足の着いたことをのたまうアイコの成長になぜかホッとしてしまい、僕の初舞城体験は終了したのであった。
うーん。
これってもしかして、おもしろかったのか?
よくわからないので、また別の作品を読んでみることに決めた。
引き込まれたことは引き込まれたので、
オススメ度★★★
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1 ■無題
こんにちは。
うーん、阿修羅ガールか…。
買うか買わないか、迷うなぁ。
ま、舞城を知るには読むしかないか。
レビューを読む限り、
とんでもなく酷いわけでもなさそうだしね。